12 違うよ。私はノーマルだよ?そういう風に見えるだけで。私はノーマルです!
さっすがテティさん!まじパネーっすわ!でも、よく考えてみると私も元人間だから、なんか自分に言われてるみたいで少し心にグサッと来ましたね。ええ。
まあでも、流石に話も聞かずに攻撃を仕掛けて来るは無いよ。そりゃテティさんも起こりますわ!
というか、あの後ろの少し強そうな人が警告してたじゃん?なんでそれを聞かないの?
これだから人間は、特に男は駄目なんだ。プライド?意地?欲?っていうのが女性よりも遥かに強い。もちろんそりゃ人それぞれだけど、でも大体の男がそうじゃない?
もちろん、プライドが高いのが悪いとは言わない。寧ろ自分に誇りを持って生きているような人だったら尊敬に値すると思う。
でもさぁー、ここにいる冒険者は無いわぁー。
だってさ、恐らくだけど、自分たちよりも先輩なあの後ろの男の人の話も聞かず、自分の事しか考えないで向かって来るんだよ?はっきり言ってゴミのようなプライドだ。
恐らくは、欲に目が眩んで「怖気づいたんなら、そこで大人しく俺が活躍する様を見てろ!」とか考えていそうだ。もちろん、不適格なアドバイスであれば聞かなくても良い。
でも、あれは適格じゃね?というか物凄い丁寧なアドバイスよ?精霊はやばいって知ってるんだよ?結構な知識人なんじゃない?
その人の話をいらない物として切り捨てるのは、ゲームの序盤で、賢者(仮)キャラから警告を受けたのにも関わらず、始めから魔王に挑むようなものだ。
腕っぷしは弱いくせに、頭も弱く、それでいて我だけは強いって、もはや最初に死ぬ奴の典型だわ!
「今から面白くなるんだから、あんまりテティの邪魔をしないで?人間は脆いんだから。すぐに死んじゃうよ?」
テティに襲い掛かろうとしていた冒険者たちは、まるで何かに押しつぶされているように地面に伏せる。物凄く苦しそうだ。
《魔素反射結界の消滅を確認》
ん?魔素反射結界?……って、ああ。魔素を反射してこの森に入ってきてたのか。
で、それを今テティが簡単に破壊してしまった。
そして、人間にはあまりにも魔素が多すぎるから体がまるで押さえつけられるような程辛いと言う訳か。
どうやらテティさん、余程怒らしい。
でも、このまま人間放置してたら死んじゃわね?
《現在からおよそ5分で絶命。確率はおよそ98.4%》
おお、つまり5分で確実に死に至ると。そして5分以上奇跡的に生き残ったとしても7分経つ頃には完全に死に至るらしい。
ヤバっ!?なにそれ怖い!!というか、逆に良くそれでこの森入ろうと思ったな?
あ、でも待って、それだと私のスキルのお披露目が。
と言う訳で、
「あのーテティさん?」
「どうしたの、ルア?」
「そのね、人間殺しちゃうと、面白いものが見れないんだよ。だから、もう少し優しく。せめて、弱めので良いから結界で保護してあげると助かるかな?」
「……そっか、人間はこれで死んじゃうんだっけ?不思議だね。なんで森に入って来るんだろう?」
うん。それは本当に不思議だね。なんせ結界切れたら死んじゃうんだもん。普通は入らないよね?
これってつまり、マグマに耐えられるスーツ作ったからマグマに飛び込んでみてって、言われて飛び込んでくるようなもんだよ?
普通入らなくね?入ったとしても少しマッドな研究者が好奇心から飛び込むくらいだよ?
それともなにさ?もしかして、ここにいる人間全員そんな感じ?
まじで?全員精神異常者なの?そうだとしたらかなり怖いわ。
それでもテティは私の話を分かってくれたのか、倒れてる人間たちに結界を付けてくれる。
お優しいこって、と言う訳で、これから私のスキルお披露目会を始めようと思いまーす!
ルアちゃんの3分人間クッキング!!
あの懐かしの人形のダンスと、BGMが頭の中に流れ込んでくる。
……いや、料理はしないけど。安心して欲しい、これには年齢制限なんてつかないから!スプラッタものでもないから!何なら健全な森の抵抗劇さ!!
ではまず初めに、スキル『感覚共有』を起動します。この辺りの木々と感覚を共有します。
続いて取り出すのは、スキル『植物操作』です。はい。これは初出ですね。これをしっかりと、周りの感覚共有をしている木々たちに対応させます。
すると、まあ、なんと言う事でしょうか?
あんなに何もない穏やかで綺麗だった森の地面から、太くて逞しい……木の根っこが出て来るじゃありませんか。
実は、この『植物操作』は、指定した植物の根やら葉やらを操作したり、成長を促進したりできるのだ。
つまり、これを使えば、美少女たちを触手りょ……げふん、ばごん。
おっと、つい変なことを口走るところだった。
私はノーマルだよ?普通だよ?大丈夫、百合物まあまあ好きだけど、そう言うのじゃないからね?
寧ろ触手は……これ以上はやめとこう。
そんな事はともかく、これを使って、私が何をするか?気になってる方のために教えて差し上げよう!
幸いにもここからなら森の入り口付近の木々にも感覚共有が届くので、やりたいことも出来るだろう。
「ふふふ。それじゃあテティ、始めるよ!」
「うん。テティは何かすることある?」
「それじゃあ、じわじわとなぶり殺しにしてやる!!て人間たちに言って置いて」
「うん。分かった!」
ものすごい笑顔で了承する。
あー、もう少しきつい言葉にしておけばよかったかな?なんかあの可愛いテティに言わせていいような言葉じゃないように思えて来る。
まあ、仕方が無いか。
私はもうしーらない。大体この森に入ってきた人間たちが悪いんだ。
ふふふ、サービス期間はもう終わったのさ……いや、まあ、最後にサービスして無傷で返してあげる予定だけどね!やばい、私ってば超優しー!!もう、これアレだわ、天使?いや、もう慈悲深過ぎな女神様だわ!!自分で自分が恐ろしい。器が大きすぎる!?
まあ、そんな前世の漫画の記憶は置いておいて、『植物操作』起動!!
ふふふ、ふははははは!!我が『植物操作』から、逃げられると思うなよ!?
これ書かないと評価は要らないと思われるらしいので。
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