蓮双学園
「諸君、入学おめでとう」
それまで、どこかふわついていた館内の空気が一瞬で引き締まる。
それもそのはずだ彼は世界でも5本に入る程の実力の持ち主だ。
見た目は、どこにでも居そうなおじさんだ。体格も日本人そのもの。それでも、彼からは常人でははかれない何かを感じさせる。言葉では言い表せないそんな雰囲気を放っているのだ。
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「以上で学園長挨拶とさせていただく。君達、17期生のこれからの活躍に期待する。」
「只今をもちまして、第17回蓮双学園の全日程を終了致します。新入生の皆さんは各自のクラスへの移動を開始してください。」
クラスごとの移動が始まる。初めての学園生活の始まりに各々が期待や不安に心躍らしているのが分かる。
まぁ、かくいう俺もその内の1人なんだがな。
学園の広さに圧倒されていると後ろからふと声をかけられる。
「いやー、すごい広さだな俺は、須藤仁同じクラスどうし仲良くしようぜ」
初対面の俺に対し気さくに話しかけてきた男、見るからに明るそうな性格が滲み出ている。短めの髪に俺より少し高い身長、180あるかもしれないな。すらっとしているが差し出されたその腕はとても引き締まっている。
「あぁ、しかも最新設備の導入にも力を入れてるらしいからな。俺は、上村深月だ。」
仁と軽い握手を交わし、互いのことを話しながら俺たちの教室へ向かう。
運の良いことに仁とは隣の席だった。まぁ多分、入学式も名簿順で並んでいたと考えるとそうでもないかもしれんが……ちなみに今年の入学者は1クラス30名が4クラスの計120名になっている。
俺らはどうやら2組になるらしい。クラス分けは適当に行われてるらしいから特に成績順とかそういった分け方にはなっていないはずだ。
しばらくして、教師らしき女性が入ってくる。赤髪でポニーテールの軍服を着た彼女がどうやら俺らの担任らしい。
「まずは、入学おめでとう。これから君達の担任を務める立花葉だ」
「早速で悪いが最初のホームルームを始める。こういう時はよく各々の自己紹介から始めたりするが私はあまり好きではないのでそれは勝手にやってくれ」
先生はそう話すとこの学園の目的である生徒の異能力育成についての説明を始める。
「まぁ、知ってはいると思うが異能力の歴史から説明していく」
先生がいうにはこういうことらしい。
異能力は今から30年前のダンジョン出現と同時期に異能力に目覚めるものが出てきたのが初めとされているがそれにも法則があり力に目覚めるのは、全員少年少女であった事
ダンジョンには現世にこれまで存在しえなかったかった力を持つアイテムが多く手に入るがそこには魔石をコアとしてそこからマナで構成された生物がおりその生物は魔物と呼ばれ強力な力を持っているためこのダンジョンでアイテムを集めるには先程の異能力の覚醒者しか、対応不可能ということだ。
「次に今話した異能力についてだが…じゃあ、黒髪のお前」
「はい!、上村深月です!」
「上村、今話した異能力について、知ってる範囲で説明してみろ」
「はい、デュアルは英語のdual(2重の、2つの)という意味から新たな人類のもう1つの可能性という考え方からそう呼ばれています。
そしてデュアルに目覚めた者をデュアリストと呼びます。
デュアルはその力の覚醒レベルに応じて各ステージで分けられています。確認されている状況で6つのステージで分かれステージ6にもなると未だに世界で7人しか存在せずここの学園長がその1人です。」
「ふむ、それくらいでいいだろう。よく理解しているじゃないか。これでは、教師の立場が無くなると言ったものだ。」
少し、文句じみたことを言いつつも先生はどこか嬉しそうに見えた。先生は再びデュアルについての説明を始める。
デュアルには基本となる属性が火、水、風、光、闇の5つからなり、この基本を扱えるレベルをステージ1
そこから、ステージが上がることに各属性毎の個性を伸ばしたり新しい属性に派生していく。
3年後の卒業時には優秀な生徒はステージ4まで進む者も少なくないらしい。
先生が説明を終えたと同時にそれを待っていたかのように丁度授業の終わりの鐘が鳴る。
「それじゃあ、今日はここまでだな、明日は実際にデュアルを使った実技を行う。入学前に申告してもらったデータから戦闘服が各部屋に配布されてるはずだ。明日はそれを着て第2運動場に1限目から集合しておくように!!」
授業後、生徒は各自の宿舎へと向かう。この学園は全寮制になっている。全校生徒300人を超える生徒が学校近くの5つの宿舎で生活することになる。
学年は関係なく入学テストで測定したデュアルの基本属性毎に分けられる。
俺は、風の宿舎に向かい、明日の準備を済ませ初日の疲れもありすぐ眠れについた。
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「いやー、今年はなかなか優秀な生徒が多いようですなぁ。」
1番聞きたくない声に話しかけられ体に少し寒気が走る。
「えぇ、そうですね年々生徒のレベルも上がってきてるようですしね」
「ほんとに嬉しい話ですな。立花先生のクラスにも数名気になる生徒もいますしね。特に色付きとか……」
本当に嫌な奴だ…口を開けば嫌味嫌味嫌味。だからコイツは嫌いなのだ。
「ですが、甲本先生のクラスにも確かいましたよね?色付きの生徒」
「ええ、本当に夏が楽しみですね」
甲本はうすら笑みを浮かべながら立ち去っていく。立花は少し思い詰めた表情でいた。
最初で設定ばかりでなかなかに話が進まないですね
モチベが持てば頑張ります。