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たそがれながら

作者: 人間詩人

たそがれながら進む

陽も落ち出したようだ

これから先は 夜と言う部分になる

あたりは暗く 人工の光が

必要となり

自分の動きも穏やかに変わる

さてさて今日の記憶はと

振り返れば

何も残ってはいない

つまり記憶ゼロなんだよ

いつかしら記憶が残らぬようになり始めた

それはそれで心に負担が

なくなるから結構だが

せめて今日の記憶ぐらいは

留めておきたい

たそがれ時になると

自分がリセットされているようで 妙な感じだ

しかし夜と言うものは

何も無いものだなと

つくづく思う

まあ無理やり出来事を

作る必要はないのだが

それでも妙に退屈である

一冊の本でも読めば

時間は過ぎて行く

しかし見にくくなった目には負担だ

そこで音楽でもと思い

古いCDを聞き出すのだが

耳も疲れているようで

落ち着いて聞くことは

できず

結局は 音楽もダメ

ならばと無音にしてみる

なんと無音が 一番心地よいではないか

やはり人間にも静かな時間は必要だと 

思い知らされたしだいだ

人間の生きる時間と言うものは 退屈からの脱出であり

好きなことを見つけ出し

集中するが良いのだが

万人に 好きなことを

見つけ出すことは

事実上難しく

嫌嫌ながらの時間を

過ごすことになる

もったいないことだ

せっかくの貴重な時間を

無駄に使いながら

生きることは

出来れば 好きな時間を

好きなことで

生きたい

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