アメリカの小学校の教育システムは考えてみるとあまり良くない
*このエッセイに書かれていることは私個人の意見です。
アメリカに住んで5年になりますが、最近になって初めて知ったことがアメリカの小学校の教育です。私は日本の小学校に通ったので、全くこちらの小学校とは関係がなかったのですが、知り合いに教えられた話が少し考えさせられたので書いてみようと思いました。
そんなことで、今回書いていこうと思うのがアメリカの小学校で行われている「クラス分け」の話です。アメリカにある全ての小学校がこの話と当てはまるかは分かりませんが、私の家の近所にある小学校では「gifted class」や「talented class」(どちらも才能ある、という意味)といった成績の良い子が入れるクラスがあるらしいです。
私は日本の小学校に通っていて、そのような「成績のいい子だけが入れるクラス」というのはなかったので(今でもないとは思いますが)、その話に少し驚かされました。
たしかに、生徒の成績をもとにクラスを分けるという事は一人一人の生徒が自分に合ったレベルの教育が受けられるという事で良いのではないかと知り合いから聞いた時には思いました。
しかし、良くない点も色々と考えられたので、今回はこの良くない点に焦点を当てて話していこうと思います。
<小学生の時点で分けてしまうのは子供の原動力の低下につながると思う>
先ほども言いましたが、生徒達がそれぞれのレベルに合った教育を受けられるというのが成績のいい子と悪い子を分けるメリットだと思います。
ですが、そういった中で浮き出てくるのが子供達の優越感と劣等感です。「gifted class」や「talented class」に入れた子は自分が頭のいいということで優越感に浸ることがあると思います。そして、その逆、それらのクラスに入ることの出来なかった子供達は自分は頭が悪いのだと思い込んでしまうと可能性があると思います。もちろん、全員がそうとは限りませんが、そう思ってしまう子供もいるのは事実です。
では、何故それらのクラスに入ることの出来なかった生徒達が感じるであろう劣等感が悪いのか? 答えは簡単だと思います。それは劣等感によって勉強をしようという原動力、モチベーションが下がってしまう事にあると思います。
例えば、「あなたは成績が良くないから、あの子たちと一緒に勉強できない」ということを誰かに直接言われなくとも、そういった事を感じ取るだけで子供は自分は成績が良くない、勉強が出来ないのだと考えてしまいがちです。
小学生でなくても同じだと思います。社会人になって、誰かと自分を比較され、自分がその誰かに劣っていると感じるのは嬉しくないと思います。ですが、問題はそういった状況が小学生の子供達に行われているという事です。多くの小学生は社会人に比べてメンタルが強くないです。また小学校で過ごす時間は子供達が成長するにあたって大事な時間です。そういった貴重な時間の中で劣等感を感じさせるというのは子供達にとって良くないのではないかと思いました。
たしかに、「gifted class」や「talented class」に入ることの出来た子供達はより良い教育を受けると思います。しかし、それは成績の悪い子供を見捨てているような感じがしました。
成績の悪い子も努力をすれば良い、と言う人もいると思います。ですが、考えてみてください。もし、そういったクラスに入れなくて、それらのクラスに入った子供達と教育力の差が出てしまった場合、彼らは自信などの努力以外の事も必要になってくると思います。そして、それはまだ子供の小学生には難しい事です。
<そういった点で日本の小学校での教育は良いと思う>
アメリカの小学校の話を聞く限りだと、日本の小学校での教育は良いシステムだと感じました。もちろん、日本の小学校にも成績のいい子と悪い子はいます。ですが、小学校の中では全員が同じ教育を受けられます。教育の内容では良いも悪いもありません。なので、全員の生徒に教育が行き渡る良いシステムだと感じました。
長々と書いてしまいましたが、まとめると子供達が初めてしっかりとした教育を受け始める小学校では全員の子供に同じ教育を受けさせるべきではないかということです。
たしかに、「gifted class」や「talented class」は成績のいい子にとっては良いシステムです。しかし、それらのクラスで行われている教育を全員の生徒に受けさせることは不可能なのでしょうか? 不可能なら何故なのか知りたいです。
先日書いたエッセイ「頭がいいって何? テストでいい点を取ることなの?」も同じような内容なので、このエッセイが気に入った方は是非読んでみて下さい!
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