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王国兵失《おうこくへいしっ》!!〜優柔不断な悲恋ロミオとどエスジュリエット〜

昔、互いに愛し合いながらも結ばれることのなかった2人がいた。

時代を超え、やっと会いに来た!....と思ったらヒロインは2人!?



僕はねロミオ・オスカーって言うんだ。こう見えてもオスカー侯爵家の長男なんだよ?

でね、僕は剣を鍛え、拳を鍛え、己を鍛え。って言うダリー隊長のダリーズブートキャンプを耐え抜いた唯一の一般参加兵で、親の立場もあってかすぐに第二王子殿下直属騎士部隊隊長に抜擢。はれて王国兵士の仲間入りってわけさ。


立場としては、侯爵家の子供の騎士爵。紛らわしいけど、僕は国からお金とかは貰えない、立場だけ貴族で、父さんは貴族内でも偉い人ってことだね。


まったく。僕のしたことと言えば殿下の手紙をご学友のエリーゼ様に届けただけなのに。

金持ちの考えることはわからないな.....まぁ、僕も貴族だけど。



それでね、僕には好きな人がいてね。グレモアリー伯爵家のジュリエットって言うんだ。

でねでね。今日は、休日なんだ。

普段は休日なんて頼み込まないとないんだけど、なんか国王様と、殿下のご学友のリリアーネ様?だっけ?

が話し合って

王城を住み込みで働いてるものは1日、1人ずつ交代で休日を作ったんだって。

1人ずつ交代って何年かけるつもりなんだろうね.....


ま、まぁ、それはともかくとして、それで国王陛下が飽きるまでに休日が回ってきた僕はラッキーなんだ。

直属騎士部隊隊長に休み。ってなんだろうね。初めて聞いたよ。


その休みをどう使うか、ずっと悩んでたんだけど、今、私服──一応剣は腰に下げてるけどね──で向かってるのはグレモアリー伯爵家。何故かって?手紙を書こうにもどう書いていいかわからなかったから、直接向かうことにした。


告白!?ち、違うよ!

ただデートに誘うだけだよ。

あぅ..ただって言っても簡単な事じゃないんだけどね......


さぁ着いたぞ!

僕はグレモアリー家の庭の前で一度自身の位置取りも確認。

思いっきり息を吸って吸って吸って吸って....し、死ぬ..

そして


「我は騎士爵ロミオ・オスカーである!この庭を通りたし!!」

こんな格好つけたの国王様の御前だけだよ。


すると、殿下のご学友であるエリーゼ様が出てくる。

「あら、第二王子殿下直属騎士部隊さんじゃないですか」

「えへへ。もう隊長なんですよ」

「あらあら、本当に?凄いじゃないですか」

「へへへへ」

ンハッ!?違う。こうじゃない!


「あの、エリーゼ様。ジュリエット様はいらっしゃいますでしょうか」

「あー....」

小さく『そう言う...』と聞こえた気がしたがきっと気のせいだ。

少しにやけている気もするが気のせいだ。


「ごめんなさいね。今、あの子は恋人とデートに行っているのです」

「なん.....だと.....!?」

僕はその場に倒れるこむ。

「もうだめだ。おしまいだぁ..うぅ.....」

そんな僕を放って置いて、エリーゼ様は庭を奥へずんずん進み、家のドアを開けてから


「何やってるんですか?冗談に決まっているでしょう?さぁ、早くお入りくださいまし」


……


本当にこの姉妹は....



僕はエリーゼ様に案内され、ジュリエットの部屋の前まで来る。

僕がノックしようとすると同時にドアが開く。

「アブッ!」

ノックのために突き出した手はジュリエットの顔面に直撃。

しばらくお互いに静止。

……いや、あまりの恐怖に僕の思考回路がオーバーリミットして超速で思考を回転させていたのかもしれないが


そのまま僕の手を掴み、ゆっくりと退ける。

その奥の彼女の顔は凄く丹念に作られた人形のような綺麗さに、貴族特有の気品と、女神の様なおおらかな雰囲気に包まていた。

その表情は曇りなき笑顔で、見る者を魅了し虜にしそうな天使の笑顔。


「あら、ロミオさん。これは何の真似ですか?」

「……や、やぁジュリエットさん。今日は君に会いに来たんだが..」

「ロミオさん?何の真似かと聞いているのです」

「…………安心してくださいジュリエットさん。今日は休日だからサボりではないので───」

「ロミオ?」

「はぃ....」


こっぴどく叱られた。

ビシッと決めてきた服で正座をする僕をまるでゴミ虫を見るかのように見るジュリエットは足を組んで座っていたが、一度ため息を吐くと表情を柔らかく見せる。


「それで?何をしに来たの?ロミオ」

「今日は休日だから、君と一緒に出かけようと思って」

「またそんな事言って.....」

「あはは。僕もこんな事じゃいけないと思うんだけど、どうしても踏み切れなくてね」


この会話の意図するところを説明しようか。

僕には婚約者(フィアンセ)がいる。そして、僕はどうしてもその婚約者をデートに誘う事が出来ず、偶にジュリエットのところに来て、デートの誘い方から別れ方まで、練習に手伝ってもらっているのだ。


……もちろん、半分嘘だけど。

本当はジュリエットとデートしたいからなんだけどね。


最初は親から近いうちにデートに誘え。と言われて、仕方がないからどうしようかと思っていたところで、ジュリエットが『じゃあ』と提案してこうなった。


「その、今日のご予定は?」

「ダメです。あくまで自分がリードしないと。そんな覇気のない殿方なんて誰が振り向きますか。まぁ、貴方は覇気のあるなしに関わらず振り向いてくれる人なんていないでしょうけど」

「うっ...」

今のはジュリエットに聞いたんだけど....


「では、この天気ならば遠出するのも良いと思いますが、今日中には帰りたいですし街に向かいましょう」

「そうです。やれば出来るではありませんか。それくらい出来ないと私の恋人役は務まりません」

「あははは」


頬を掻きながら立ち上がり、軽く片膝立ちになり、ジュリエットの手を取る。

一瞬顔を寄せるが手に唇を触れさせずに、すぐに立ち上がり、その手を上げてジュリエットも立ち上がらせる。



「それにしても、良くこんなに人が集まりますよね」

「まぁ、うちの愉快な国王様はなんだかんだで政治がお上手ですからね。活気にあふれるというもの」

「そ、そうかな?凄いのは爺やさんじゃないかな....」

表通りの活気に何時もながら圧倒される。


「では、どこを見ましょうか」

「あら、決めていなかったんですか?」

「うっ。は、はい」

昨日からデートする事が楽しみ過ぎてほとんど何も考えていなかった....


「もう、しょうがないですね」

ジュリエットは僕の手を掴み、走り出す。

「ちょうど、みたい所もあるんですよ」





な、長い。

どうして女の子の買い物はこんなに長いんだろう

「ロミオ。どちらの方が良いと思いますか?」

来たな。

これは、間違えるとそうですか。と両方戻してしまい、少し不機嫌になる。


「んー。どっちも似合うけど、左のやつかな?」

そう。もちろん僕には両方可愛いとしか思えない。なら、どう正解を導き出すか。それは左手に持っているものだ。たまに間違ってしまうが十中八九そうだ。……多分


ジュリエットは左手の衣装を持ち上げる。

「こっち?」

「うん。そっち」

「やはりですか?私も良いと思ってたんです。買いましょうかね」

よし!やったぞ!

大体気に入った商品は右手で持って、次に左手に右手の衣装をずらし、空いた右手でもう1つの商品を取る。だから、左手が正解だ!


「でも、折角だから両方買おうか?」

あくまで僕が払う体を見せておく。

「……いいです。今度見ましょう」

あれ、機嫌悪くなった?

どこで間違ったんだろう

解せぬ。



時間も夕暮れの帰り、少し寄り道をした。

どうしても見せたかったものがあったの。

僕の好きな人だから見せたいものじゃなくて、ジュリエットだから見なくてはいけないもの。



「ここね。ちょうど夕暮れが沈む所が見えるんだぁ。綺麗でしょ」

「……えぇ。そうね。綺麗だわ..凄く....」

彼女の声は透き通るほど綺麗で

今にも消えてしまいそうで

この声は素敵な声だなって

この声が好きなんだなって

そのたびに思うんだ。

あぁ、この声に恋してるんだって。



実はここ、僕とジュリエットとの思い出の場所なの。

いや、正確には少し違うね。

ロミオ・モンテッキと、ジュリエット・カプレーティとの、思い出の場所。

もう会えないジュリエットとの思い出の場所。






僕は、モンテッキ家に生まれた。その時代は、とにかく貴族間の派閥が激しかったんだ。

「良いか?ロミオ。この会場で、いろいろなお嬢さんとお話ししてくるんだぞ?」

特に、あの家の娘さんは良いぞ。美人だし、優しいと評判だ。そう言いながら、僕を地位の高い貴族の元へ婿入りさせようと父親が勧めてくる。

そんな時代。


「はぁ。やってられないよね。こんなこと」

僕は、色々な人に話しかけられてくたくただ。

なんか、自分で言うと悲しくなるけど、僕の容姿は素晴らしい!と言うほどではない。


うちもそこそこ良い身分だから、ゴマをすりに来ている。だから自分から話しかけてくる女は無視しておけ。そう言うのは父親だ。


よろよろと会場を抜け出し、散歩に出かけると、1人の少女に出会った。

名をジュリエット・カプレーティ。カプレーティ家と言えば、モンテッキ家と真っ向から対立している貴族なのだが、僕はまだそのことを知らない。


その者は美しかった。

その者は華やかだった。

その者は鮮やかだった。


家に帰っても頭からその事が離れない。もう一度会いたい。

そう思い、ふらふらと歩くとまるで紅い糸で結ばれているかのように、まるでそれが必然であるかのように、さも当然の様に再び逢われてしまう僕とジュリエット。


その事を双方の親が知るのにそう時間はかからなかった。

僕たちは引き剥がされ、遠くへ追いやられてしまう。

あぁ、なんという運命の悪戯だろうか。

僕はこの運命を憎む。


そして、彼女の屋敷へ忍び込んだ僕は、バルコニーから顔を出すジュリエットへ声をかける練習を小声でつぶやく。

「ちょいとそこのお嬢さん。僕と一緒に逃げましょう。あの地平線の彼方まで。かの山のその果てまで。地球の果ての、最果てのその奥までも」

すると、その声が聞こえたかの様に彼女は続ける


「無理よロミオ。私は逃げられない。あなたと共には行けないわロミオ。どうせ逃げられはしないもの」

一度ドアを閉めようとした彼女は、耐えられないとでも言う様に叫びだす。

「あぁ、ロミオ様何故あなたはロミオ様なのですか。貴方の身体のどの一部でもないモンテッキの名が2人の仲を遮るというのであれば、そんな名前はお捨てになって。薔薇に名は無くとも、香りは変わらないじゃない。何故その名を捨てる事ができないの」


彼女は遠くに手を伸ばす。まるで何かに怒りをぶつける様に泣き叫ぶ。

「あぁ。恨むのは時代。全ては時代が悪いの。もし他の時に会えていたのなら。いえ、きっと逢えるわ。私達なら。また会いましょう。私のロミオ」

そのままジュリエットはドアを閉める。


どうしよう。何か凄いの見ちゃった。

乗っとく?

「あぁ、ジュリエット。僕のジュリエットよ。また貴方に会いに来よう。その時は名も何も捨て、一輪の花として貴方に会いに来ましょう。この誓いを果たすため。今一度私にチャンスをくれないか。ジュリエット」





因みに、その声を聞きつけた兵隊さんに殺されちゃった☆

いや、我ながらアホだったと思うよ。ちょっと深夜テンションでお互いにおかしくなってたんだ。

きっと。

少なくとも僕と話していた時のジュリエットはもうちょっと性格曲がってたし。

あんなメルヘンな可愛い子じゃなかっ.....なんか寒気が。


そして、沈む夕日を見た僕達はいつの間にかベンチに腰をかけている。

ジュリエットはこちらを見る。そこには少し光るものがある。

少しずつ僕達は互いの距離を詰める。

唇と唇の触れそうなギリギリの距離。

彼女が目をつむったのを確認して僕も目を瞑る。

吐息の音が耳に入る。僕の息かジュリエットの息か。

その吐息は唇に吹き当たる。昔の昔、大昔。君と出来なかった事をしよう。

あの時遮られた僕達は、今結ばれるためにここにいるんだ。


瞬間、声が聞こえた。

「違う」

その一言は本当に小さかった。だが、僕にははっきり耳に残る。


そして鼻をつままれて、目を開けるとニヤニヤしたジュリエットがいた。

「何をしてるの?ロミオ。私はあくまで変わりよ。本気になってどうするの」

「あ、あぁ。そうだね」

う〜。またからかわれた。


「……何を泣いているの?そんなに私とキスしたかった?」

そこで僕は自分が泣いていたことに初めて気づく。

「泣いてっ!?いや、違うよこれは....」

「えぇ。そうね。この夕日は眩しすぎるものね」

その彼女の横顔はあまりにも美しかった。

まるで、あの日のジュリエットのように。

ここで1人泣いた、あの時の様に。



「だっふぅ〜。もうダメ。疲れた。疲れたよペトラッシュ」

「ダフッ」

「あ、こら。僕に鼻水をつけるな!」

「ダフッダフダフッ」

「あ!やめろこら!怒るぞ!」

久しぶりに我が家に帰り、ペットに抱きついて今日もからかわれた悲しみを和らげようとしたら思わぬ逆襲を食らった。

まったく。誰に似たんだか。


「それより、デートはもう大分上手くなってきちゃった。でもあの婚約者、僕との婚約なんてごめんだ何だ騒いでおいてなんだかんだまだ婚約破棄になんないんだよなぁ。何なんだろ」

ドアがバンッ!と開く。

「ロミオ・オスカーはいますか!」

「いません!」


何だろう。今見たことある人がいた気がするけど、好きな人じゃなかった気がするし、いいか。

また開く。

「ちょ!ロミオ!今のロミオでしょ!」

「はて何のことかのぅ。最近物覚えが悪くてのぅ。すまんが帰ってくれんか?」

「あ、そうでしたか。夜分遅くに申し訳ございませんでした」


ふぅ。危なかった。とっさに『変身!お婆ちゃんキット!!』を使えたから良かったものを。

開く。

「いや、今のやっぱりロミオでしょ!」

「ボケナス!てめこら。調子こいてんじゃねぇぞこら!あ?こら!ぶっこ、ぶっころ...カー、ぺっ!」

「うわっ汚ッ!!色々汚ッ!し、失礼しました!」


危ない。『変身!口悪!唾吐きおじさんキット!!』がなかったらどうなっていたか....

以下同文です。

「ローミーオーくぅ〜ん?」

「いつやるの?今でしょ」

「え、あ、はい」


俺はドアを閉める。

5回くらい繰り返したら泣いちゃったので話を聞く。

そこまでする気は無かったんだけど....


「だって。ロミオが、私のこと、避けてるから」

「誰だっけ?」

「うわーん」

ごめん。流石に今のは自分でもクズだと思う。


「冗談冗談!ごめんごめんごめん!!」

「冗談?」

「うん」

「本当?」

「本当さ」

「覚えてる?」

「勿論だとも」

「じゃあ、誰?」

「え、いや、それはだね....」

「やっぱり覚えてないんだー!」

「いや、嘘嘘冗談!ジャストキディング!」


そう言いながら俺はこっそり彼女のバッグを確認。

小さな可愛らしい亀の人形にリネと、刺繍させれている。

「り、リネちゃんだろ?」

「覚えててくれたの?」

「うん」

「そっかぁ。良かった」


ん!?わかったぞ!この子、あれだ!僕の婚約者(フィアンセ)だ!

いやぁ〜婚約者婚約者呼んでたら名前忘れちゃったよ。てへぺろ

いや、読者諸君。落ち着いて考えてほしいんだ。みんなもあるでしょう?

あれ?この人誰だっけ。割と話すんだけど.....えーっとぉ〜....あれだよ?覚えてんだけど、名前だけでないの。

みたいの。あれですよあれ。

今、名前以外も忘れてた気もするけどきっと気のせい。


「……ねぇ。今思い出した!って顔してるよ?」

「いや、してない。断固として否定する」

何だろう。この子と話していると、どうしても自然体になってしまうんだよなぁ。

だからこそ困る。

僕はもう、ジュリエットと言う、運命によって定められた人がいると言うのに....


「どうして今日はまた、こちらへ?」

「そ、そんなの決まってるじゃない!ロミオが帰っていると聞いたからよ!」

お、ようやくいつもの調子を取り戻してきたみたいだ。

……さっきの口調の方が少し可愛いかもとか思ってないよ。ホントダヨ


「そうですね。明日には帰りますけど」

「なぜ!?」

「何故って言われましても....」

「ダメなの?」

「ダメですね」

「公爵家権限でもダメ?」

「あまり爵位権限の乱用はやめて下さい」

「そっか。なら仕方ないわね」


俯いていじけていたが、何か思いついたように顔を上げた彼女の表情はパァーっと光り輝いていた。

「じゃあ!今日泊まるわ!」

「名案じゃないよ?」

「何でよ」

「明日には。って事は0時00分からは第二王子殿下の直属騎士部隊に戻りますので」

「じゃあ、それまでは?」

「用事がありますので」

「どんな用事よ!」

「……少々お待ち下さい」


僕はスタスタと歩き、電話の受話器を手に持つとダイアルを回す。

《はい。もしもし〜リリアーネですけど》

「……これ爺やさんの電話に繋いだはずなんですけど」

《あぁ。爺やさんなら『私にこんなもの、もう必要ございませんので。お部屋に置き下さい』って置いていきましたわよ?》

何でリリアーネ様が王城にいるのか。

そして爺やさん何者だよ。どこまで進化するんだよ。電話しない通信手段ってなんだよ....

『これだ』

にょえっ!?


『厳しい修行に耐え、情報統合思念伝達能力なるものを手に入れた』

やめて!心に直接語りかけないで!

……爺やさん。前々から人間じゃないと思ってましたが、もう本当にぶっ飛んでますね。


《どうしたの?》

「あ、いえ。もう用事終わりましたので、切りますね。お騒がせして申し訳ございません」

《あぁ!ちょっと待って!》

「はい?」

僕は置こうとした受話器を再び耳元に構える。


《ロミオとジュリエットって唄があるの。知ってる?それを歌ったのは若い女だったそうよ》

「へ?」

《じゃあ》

「あ、ちょ、ちょっと!?」

電話は切れる。

「な、何者なんだ?あの人.....」


『それで?私に用事とはなんだ?』

いや何者なのか謎なのはこの人達。か......

そうですね。爺やさんには少し話したいことがあります。

『私はこう見えて忙しいんだ。急いでくれ』

いえ見えてませんから。


では、時間をくれませんか?流石に、このままでは可哀想というか...


僕は少し、爺やに今日の事を説明をした。

『はぁ?そんな事で休暇が取れるわけないでしょう。そもそも、他の女子(おなご)と出かけて、時間を無くしたのはお主ではないか』

「で、ですよねぇ〜」

思わず口に出る。

『む?少し待て』

「あ、はい」




「ねぇロミオまだー?」

「もう少し待って〜」

爺やさん遅いな。

『待たせたな』

あ、はい。どうしたんですか?それと某国の傭兵さんの真似はやめてください。

『結論から言うと、お主に休暇が出来た』

「ほ、本当ですか!?」

『あ、あぁ。これは陛下から直々のお達しだ』

「国王様!?」

『そして、これは陛下からの、伝言で』


僕はゴクリと唾を飲む。

いかに普段ふざけているとは言え、一国の王からの伝言はそれ程に重いのだ。

『あぁ。爺やに俺からの伝言って事にして、リリアーネから、お前宛の伝言な。そこのリネちゃんのフルネーム。覚えてる?だとよ』

「リリアーネ様本当、何者なんですかって!!」

『ではな。休暇をくれたのもリリアーネ様のおかげらしいから、感謝するのだぞ』

「え?あ、はい」




僕は部屋に戻ると重い口を開く。

「ね、ねぇ。リネさん?リネさんのフルネームって確か....」

勿論覚えてないけど、聴きだすために知っているフリをする。

「うん?リネ・J・カプレーティよ?カプレーティ公爵家の」


「じぇ、Jって.....」

「ジュリエットの詰め字ね。何?急にどうしたの?」



ジュリエットさん。運命の悪戯はまだ続きそうです。ですが、必ずしもこの障壁を乗り越え、貴方にたどり着いてみせましょう。

ps.間違ったらごめん。

え〜っと....どうでした?(笑)←未だに後書きになれない作者

一応、最終的には第二殿下の名前が分かるまで続けたいので、第二王子殿下視点の作品が出来るまで見続けてくれたらな。と思います。


名前は

(リリアーナ・ブリタニア)リリアーネ(転生王妃)

エドワード(男性教授)

エリーゼ・グレモアリー(悪者?令嬢※悪役ではなく悪者です)

グレン・ブリタニア(国王陛下)

(ロミオ・オスカー)ロミオ・モンテッキ(視点主。今作主人公)

ジュリエット・グレモアリー(前世のジュリエット候補)

リネ・Jジュリエット・カプレーティ(候補2。婚約者)


だけが名前のわかっているキャラクターです。

因みに爺やは名前じゃないので、判定しません。

と言うか爺やっぽい名前が見つかりませんでした(笑)

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