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職業(ジョブ)がロリコンでした。  作者: とおか
四章「迷路の街セメカインスト」
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第90話「依頼の話」

「ハヤトさん、今日はありがとう! すごく楽しかった!」


「どういたしまして。そう言ってもらえると嬉しい限りだ」


12時(午後五時頃)には商人の宿に戻り、そこのロビーでお喋りをした。


暫くすると仕事を終えた、彼女の両親が帰ってきた。


「あ、ハヤトさん。今日はありがとうございました。娘は大人しくしていたでしょうか」


「あー……まあ、後半は」


つい苦笑いになる。


「今日一日のあったこと教えてもらえますか?」


「ああ」


俺は、あったことをざっくりと話した。


「この子が案内をすると言った時に気づくべきでした。ご迷惑をお掛けしてすいません」


「あ、あのね、ハヤトさんの奴隷が凄いんだよ! 道を完ぺきに覚えてるの!」


「ルー、その話は後にしようか。お前には反省の色が見られない」


「は、ハヤトさんは、許してくれたもん!」


「それとこれとは話が別だ。パドラ頼んだぞ」

「ええ、頼まれました」


「いやぁあああああ、ハヤトさん助けてぇえええ!」


断末魔を上げるルーをパドラが引きずっていき、奥の部屋の方に消えた。


「すみません、見苦しいところをお見せしました」


「ちなみに彼女にはどんな刑が待っているんだ?」


「尻叩き百回の刑です」


それはまたシュールな刑だな。


「それはそうとハヤトさん。この街にはどれくらい滞在する予定ですか?」


「うん? ああ、特には決まっていないが」


「なら、隣町までの護衛を依頼したいのですが構いませんか? ハヤトさんは冒険者ランク3だと聞きました。ランク4に上がるためにも丁度いいと思うのです」


ん? 護衛依頼を受けることがランク4になる条件なのか?


てっきり中級の魔物を倒すことだと思っていたが違うのか。


常識だったら怖いから、取り敢えず今この場でそのことを聞くのはよしておこう。


代わりに別の質問をする。


「何故俺なんだ?」


「一番大きな理由は娘が懐いているからですかね。あなたも鬱陶しがらずに相手をしてくれていますし」


「本当は嫌で、報酬があったから仕方なくやってるとは思わないのか?」


「それならそれで報酬があれば精一杯仕事をするということです。それにあなたは子供が嫌いではないでしょう?」


「何故そう思う?」


偶人(ドール)の子と仲良く手をつないでいたじゃないですか」


ああ、あの時か。


悪い風に取られなくてよかった。


「実力不足ということもないし、お金にがめついわけでもない。そんな冒険者を選ばない理由はないでしょう」


「まあ、そこまで言うなら引き受けてもいいが、内容次第だな」


 タゼウロンに逆戻りとかだと困るし。


「まあ、当然ですね。行き先はサムーラトと言う小さな村で、報酬は10000エソ。ベクーニタ国ですから国境を越えることになります。朝早く馬車で出発して昼過ぎ頃に村に着く予定です。休憩は三時間置きに二回で、二回目の休憩時にハヤトさん達も交えて間食を摂ろうと思っています」


隣の国はベクーニタというのか。今いる国の名前を知らないで、隣の国の名前を先に知るとはこれ一体……


「なるほど、馬車は何台だ?」


「二台です。うち積み荷の少ない方にハヤトさん達をお乗せします」


ああ、乗せてもらえるみたいでよかった。


俺は走り続けることもできるだろうが、クロネ達には無理だし、馬を買うにしても乗り方なんて分からなかった。


「ああ、それなら構わない。ただ……」


俺はちらりとクロネとミズクを見る。


「獣人をどう思っている?」


「ああ、そうですね、特に迫害する気はないです。見た目に関しても目を瞑ればそれで済む話ですし」


うーん、いい人そうなホークさんでも獣人の見た目をよくは思っていないのか。


それはそうと、嫌っているというわけでもなさそうだから、問題はないな。


「うん、問題はないな。依頼を引き受けよう」


「ありがとうございます」


さあ、三日後が楽しみだ。何たって馬車に乗るのは初めてだからな。


その後宿に帰ると、丸一日構って貰えなかった反動とばかりにクロネとミズクが甘えてきた。


そしてクロネは今日も、ミズクは今日こそは俺の隣で寝たいと息巻いていたが。


一回目は、

クロネ:人

ミズク:人

ククラ:剣

となり、ククラの一人勝ち。


二回目は、

クロネ:石

ミズク:剣


「うう……ぐすっ、今日も隣じゃないの……」


あろう事か泣き出してしまった。


いやいや、俺を好いてくれているのは嬉しいが泣くほどの事か?


「明日こそ勝つの……」


ミズクの潤んだ目に闘志が宿ったのが見えた。


ま、ジャンケンなんだけどな。

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