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職業(ジョブ)がロリコンでした。  作者: とおか
四章「迷路の街セメカインスト」
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第85話「インプ」

※汚い描写があります。ご注意ください

「ゲヘヘお嬢ちゃん、調子はどう——ンだテメェら⁉︎」


気持ち悪いセリフとともに扉を開けて入ってきたのは、ゴブリンの顔がただの悪人顔に思えてくるほどの醜い笑みを浮かべた人型の何かだった。


ゴブリン同様体毛は無いが、ゴブリンより肌は黒く背中にコウモリの翼が生えている。


そいつは俺たちを見て一瞬驚いたが、ニタニタと気持ち悪い笑みを浮かべた。


「マスター、そいつ多分インプだよ!」


「インプ? どういうやつだ?」


「人を攫って食べるの! 女や子供の肉を好むって書いてあったよ」


ククラは、『人魔大全』をよく読み込んでいるようだった。


「つまりこいつが女の子を攫ったのか」


ただの迷子事件ではなかったようだ。


俺はインプを観察する。


インプも俺のことを観察しているようだった。


が、突然地面を蹴って飛びかかってきた。


「キューブ!」


俺は即座に結界を張って、インプを閉じ込める。


もう立方体では無く直方体だがそれはこの際どうでもいい。


「何がどうなってやがる! こんなもの頭突きで『ガンッ』ギャー痛い!」


こいつ、縄を扱えるところから見て知恵はあるようだが、知性はなさそうだ。


「クロネ、倒してくれるか?」


「分かりました!」


インプは鉄の矢三本で沈んだ。


俺は、再び縛られている幼女に駆け寄り、その縄を解いた。


「ごめんな、本当はすぐにでも解いてやりたかったんだが——っと⁉︎」


縄を解いた途端幼女が抱きついてきた。


裸の幼女だが、この状況で動揺する俺ではない。


「……ぐすっ……ごわがっだ。ごわがっだよお〜」


「もう大丈夫だからな」


俺は彼女が落ち着くまで背中をさすった。



◇◇◇



その後、落ち着いた女の子を外へと連れ出し、糞尿で汚れた身体を水魔法で洗って綺麗にした。


《ロリ整然》の効果で驚くほど綺麗になった。


臭いもまったく残っていない。むしろいい匂いがするくらいだ。


「……ありがとうございます」


女の子は裸を見られた恥ずかしさか、汚い姿を見られたからか、顔を赤くして俯いている。


お礼の言葉も尻すぼみだった。


その様子が見てて微笑ましい。


ちなみに今は、毛布を与えてしっかり身体を隠させている。


ロリコンは紳士でなくちゃならない。


一晩中裸だったから身体も冷えているだろうしな。


「歩けるか?」


「(こくり)」


彼女は頷くがその後数歩歩いたのを見ただけでもふらふらで危なっかしかった。


「ふらふらじゃないか。仕方ない」


俺は、女の子の足を掬い上げ、膝裏と背中を支えて抱き上げた。


俗に言うお姫様抱っこだ。


女の子は何が起こったのかとばかりに驚いていた。


「そんな状態の女の子を歩かせるわけにはいかないからな、居住区までこのまま行くぞ」


彼女は戸惑っていたが嫌がりはしなかった。


「うわ、お姫様抱っこだ! いいなー!」


「後で、ククラもやってやろうか?」


「うん! お願いしまーす!」


その時、気配察知が近くで湧き上がった気配を感知した。


「クロネとミズクもな」


「はい!」「なの!」


そういえば構って欲しいオーラとかも気配察知に引っかかるんだよな。


恐怖、憤怒、殺気、だけではなかったことを思い出した。

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