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職業(ジョブ)がロリコンでした。  作者: とおか
四章「迷路の街セメカインスト」
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第82話「石・人・剣」

ご飯を食べ終わってしばらくおしゃべりした後、いよいよ眠る時間となった。


「おいっしょっと!」


クロネたちの要望に応えるため、二つのベッドをくっつけた。


「あ!」


「どうしたミズク?」


「どう並んで寝るの?」


「ククラ、マスターの横がいいー」

「わたしもお兄ちゃんの横がいいです」

「ミズクも横がいいの」


うーん、夜営の時は誰か一人は起きて焚き火の番をしていたから、こういうことになるとは思わなかった。


「お兄ちゃん、誰の隣がいいですか?」


三人の目がこっちを向き、懇願するような目で俺を見た。


おいおい、そんなこと俺に聞いてくれるなよ。


選べるわけがないだろう。


「そ、そうだな……ジャンケンで決めたらいいんじゃないか?」


「ジャンケン?」

「ジャンケンですか?」


クロネとククラは首をかしげていたがミズクは知っていたようだった。


そういえばこの世界のジャンケンって日本やアメリカと同じロックペーパーシザースなのだろうか。


「ミズク、説明してやってくれないか」


「分かったの。ジャンケンっていうのは、何かをかんたんに決めるときによく使う勝負なの。


握りこぶしが『石』、人差し指だけを伸ばしたのが『人』、全部の指を揃えてまっすぐ伸ばしたのが『剣』で、掛け声と一緒にどれかの手を出すの。


そして、それぞれの手には相性があって、石は蹴られるから人に負けて、人は斬られるから剣に負けて、剣は刃こぼれするから石に負けるの」


そうかやっぱり違うみたいだな。


それにしても人は斬られるから剣に負けるって、かなり物騒だな。


まあ、魔物がいるような世界だし当然か。


ジャンケンを知らなかった二人もすぐに理解したようだった。


「同じだった時はどうするの~?」

「その時はもう一回やり直すといいの」


「三人でもできるんですか?」

「できるの。その時は二人が勝つか一人が勝つかするまで続けるの」


「あっなるほど、それで一人が勝った時は残った二人でジャンケンしたらいいんですね!」


「なの」


「じゃあ早速やろよー」


「じゃあ『せーのでほい』の『ほい』で出すの。せーので――」


「「「ほい!」」」


クロネ:人

ミズク:石

ククラ:石


「やったー! やりましたよ、お兄ちゃん!」


ぴょんぴょんとその場で跳ねて喜ぶクロネ。


そんなに喜ばれると、少し恥ずかしく感じてしまうな。


「じゃあ次なの。せーので――」


「「ほい!」」


ミズク:人

ククラ:人


「「せーのでほい!」」


ミズク:剣

ククラ:石


「ま、負けたの……」

「やったぁ! マスターの隣だー!」


結果、クロネの右に俺、その隣にククラ、一番左にミズクという並びに決まり、魔法の照明を消して三人の待つベッドに寝転んだ。


「ねぇねぇマスター」


ククラが身体を寄せながら声を掛けてきた。


「なんだ?」


「ジャンケン、しよ?」


幼女から誘惑するように誘われれば、断れるはずがない。


「いいぞ」


むしろ喜んでお相手させていただきます。


「お兄ちゃん、わたしもやりたいです」


「そ、それならミズクもしたいのっ!」


それからは幼女三人とひたすらジャンケンをした。


いつの間にか俺に勝ったら撫で撫でをしてもらえるなんていうルールが出来上がっていて、幼女達は大盛り上がりだった。


俺は、役得だったから、もちろん非常に楽しんだ。


ククラが眼をこすり始めたところで、幼女の睡眠時間を守るため、ジャンケン大会はお開きになった。

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