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職業(ジョブ)がロリコンでした。  作者: とおか
三章「タゼウロンの町」
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第58話「訓練所」

武器屋で初心者用の弓矢を見繕い、武術の指導をしてくれる訓練所の存在を聞き、武器屋を後にした。


「ごめんなさい。まさか、弓があんなにするなんて……」


「そんなに高くないじゃないか」


高いと言ってもダガーナイフの二倍くらいだ。


「このダガーナイフも買ってもらったのに満足に使えなくてごめんなさい」


「気にするな。俺が使うだけだから」


宿に戻りクロネを慰め、三人で仲良く寝た。


今日はミズクが隣に来たがったから、俺の左にクロネ、右にミズクという配置になった。


「小」の字だな。


もちろん俺の足元は、跳ねたりはしていないが。



◇◇◇



翌日、町の端にある訓練所にやって来た。


「ガハハハハ! よく来たな。タゼウロン訓練所へようこそダ!」


豪快に笑いながら俺たちを迎えたのはハゲ頭のごついおっさんだった。


二メートルはあるんじゃなかろうか。


「オレは元冒険者だから、獣人も遠慮しねえでいいぞ!」


ミズクを見て獣人に気づいたのか、おっさんはそう言った。俺はクロネに帽子を脱がせた。


おっさんは暑苦しく笑ったまま表情を変えない。


「こいつに弓を、俺に剣を教えて欲しい」


「ご主人様も訓練するんですか?」


「ああ、一応素人だからな」


ファマーチストにいた時は訓練なんていいやと思っていたが、一昨日改めてこの世界を現実だと認識して、やはり必要だと思い直した。


「ガハハハハ! テメェ意外といい心がけだな!」


「意外とって……。俺、訓練しなさそうな見た目してるのか?」


どんな見た目だよ。あれか、チャラ男ってことか?


嫌だなー


「違ゲェよ、『獣人の奴隷に珍しい首輪をつけた黒髪の冒険者』。特徴は一致するし、お前がハヤトだろ?」


「ああ、そうだが。噂になってるのか?」


俺、目立つような真似をした覚えは無いんだが。


「ああ! 魔物を一日で百体狩ったってな!」


ああ、それか。いや、しかしあれ以降は、狩ってもギルドに届けていないんだが……。一回そんなに狩ったのがそんなに凄いのだろうか。


「あれは偶然だったんだよ」


「分かってるって! 気配察知でも無ェとそんなこたァ出来ねェよ! お前剣士になりたてなんだろ? それじゃあ持ってる訳ねェ」


いえ、ロリコンですが? そして気配察知持ってますが?


取り敢えず話を合わせておこう。


「気配察知はどうやったら習得できるんだ?」


「何だ? 一度大量に倒せるとやっぱり普通じゃ物足りなくなったな? 気配察知は《狩人》や《斥候》がよく持ってるスキルだ。まあ熟練の剣士でも持っている奴はいるから焦るこたァねェよ」


なるほど、普通はそういう奴らが持つスキルなのか。


「まあ、才能も関係すっから無かった時には諦めな。それで、訓練だったか?」


「ああ、こいつは弓、俺は剣だ」


「大剣やる奴ァ居ねェのか? そこのオメェ! 武器は何だ?」


「ミ、ミズクは槍なの」


「ケッ、悲しいねェ。まあいい。教えてやるから付いて来い」


おっさんに付いて行くと、運動場のような場所に出た。


傍に掘っ建て小屋があり、そこの近くに五つほど案山子が並んでいる。


おっさんは小屋の中から木剣を取ってきて、俺に渡した。


「ハヤト、オメェはそれを使え」


木剣はずっしりと重く、しかし刃の部分にはぷにぷにしたものがくっついていた。


これ、スライムゼリーだ。緩衝材に使われると聞いていたけどこんなところで目にするとは。


「まずお前から教える。それが終わったらそっちの奴隷だ。いいな?」


「いや、こいつを先に――」


「ヨシッ! 先ずは好きに剣を振って見せろ!」


うわ、この教官、話を聞かないタイプか……。


まあ、脳筋っぽいしな。


俺は仕方なくおっさんの言うとおりにした。

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