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職業(ジョブ)がロリコンでした。  作者: とおか
三章「タゼウロンの町」
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第52話「椅子」

クロネに、ミズクの気持ちを聞くように耳打ちした。


そしてクロネを離すが、クロネはその場に留まった。


「あの、一緒に座ってもいいですか?」


ダメとは言わないが、一人用の椅子だぞ?


「ああ。なんなら膝に座るか? 嫌なら別に構わんが」


「ぜひ座らせてくださいっ!」


俺の膝にクロネの柔らかい重みが加わった。


眼下にある、手触りの良い黒髪と可愛らしい猫耳。


クロネは最高だなぁ……。ついつい頭を撫でてしまう。


富豪が椅子に座って猫を撫でるような気分。


心がリッチになる。


「にゃぁ〜〜〜〜♪」


猫耳が気持ちよさそうにぴこぴこと動く。


「ハヤトにぃ、聞いてもいいの?」


「ん、なんだ?」


「ハヤトにぃとクロネさんはどういう関係なの?」


「ん? 主人と奴隷だぞ?」


一応な。

間違ってもロリコンと幼女とは言わない。


「とてもそうは見えないの。親子か妹兄(いもせ)みたいなの」


「まあ、奴隷として扱う気がないからな。ミズクもそうだぞ。俺たちだけの時は奴隷然に振るまわなくていいからな」


「わ、わかったの」


自分もと言われて驚くミズク。言ったはずなんだけど、やっぱり信じられないんだろうか。


「でも、さすがにご飯を三人前頼むのって不自然だよな……」


俺は、人前では周りに合わせているから、堂々と奴隷の食事を頼むのは控えようと決めている。


「おかしくないの。前のご主人様の仲間は、いつも五人前食べてたの」


「五人前⁉ まじか⁉︎」


「まじなの」


そうか……そんな人がいるなら案外バレないのかもしれない。


俺は少し安心した。



◇◇◇



「少し出かけてくるよ」


「わたしも一緒に……」


「いや、すぐに帰るから、二人で待っていてくれ」


ミズクの分の身体を拭くタオルを買いに行くだけだ。


それと、血の牙獣宮亭では借りていたクロネの分の食器具を、ミズクの分と合わせて買うつもりだ。


量でバレなくても、食器具でバレると気づいてしまったのだ。


血の牙獣宮亭では言わずもがな、レヤンドカでもバレてしまっているだろうが、そこは諦めて、次に備えようと思う。


「クロネ、さっきのこと頼んだぞ」


「は、はいっ」


そして俺は、二人を残して宿を出た。



さて、一人で行動する時に気をつけないといけないことは、


俺は、幼女が近くにいないと弱くなる


と、いうことだ。


ロリコンlv.10というのは、どれくらいの強さなのだろうか。


村人と同等に考えているが、それより強いかもしれないし、弱いかもしれない。


幸い、神殿を中心とした平和な町だから、通りで絡まれたりはしないが、他所だと注意しなければならない。


ミズクのタオルと、三人分のカトラリー三種セットを買い、しばらくぶらぶらする。


「お、これは……」


一つの店先でレモンの蜂蜜漬けを見つけた。


「結構な値段だが、二人へのお土産にいいな」


俺は、けん玉の玉くらいの大きさの瓶に詰まったそれを一つ買い、320エソを支払って宿へと戻った。



◇◇◇



宿に戻ると、宿屋の店主に驚かれた。


「おや、あんた出かけてたのか?」


「ああ、何かあったのか?」


「いや、あんたのとこの奴隷が泣き叫んでいてね。どんな酷いことをしているのかとひやひやしてたんだけど、違ったみたいだね」


泣き叫んでいただと?


俺は、急いで部屋に向かった。

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