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職業(ジョブ)がロリコンでした。  作者: とおか
三章「タゼウロンの町」
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第50話「癖」

冒険者から手に入った金を数えてみると、11000エソもあった。


俺の全財産くらいある。


どおりで盗賊が減らないわけだ。


奴隷を除けば四人組だったから、だいたい一人3000エソくらいは持ち歩いていたのだろう。


「そういえば、彼らがギルドに預けていたお金はどうなるんだ?」


「ずっとギルド証の更新がなかったら、没収されるの」


「まじかよ」


「まじなの」


まあ、それがギルドの財源でもあるのか。


でもギルド証を作った時、そんなこと言われなかったぞ?


「ずっと、ってどれくらいだ?」


「分からないの。ごめんなさいなの」


「そんなことで謝らなくていいぞ」


また、ギルドに行った時に聞けばいいしな。


俺は、ミズクの頭を撫でた。


「あっ……」


「っと、ごめん、つい」


無意識のうちに、クロネにするように手が動いてしまった。


「ううん、大丈夫なの。びっくりしただけなの」


ミズクは、頭を押さえて目を丸くしている。


「(いいなぁ……)」


クロネが羨ましそうにボソボソと言っている。


仕方ないな(←ここ重要)。また後で可愛がってやろう。



「お、壁が見えてきたな」


疎になってきた木々の向こうに、タゼウロンの町の城壁が見えてきた。


「そういえば、ミズクは前はどこの町にいたんだ? タゼウロンか?」


「ううん、違うの。セメカインストから来たの」


「セメカインスト? どんな街なんだ?」


「迷宮市街って呼ばれてるの」


迷宮! 凄くいい響きだ! ダンジョンとかがあるのだろうか。


「ダンジョンがあるのか?」


「ううん、違うの。街が入り組んでいて迷路みたいになってるの」


へぇ、それはそれでなかなか面白そうなところじゃないか。


「じゃあ戻ることになってミズクには悪いけど、レベル上げが終わったら迷宮市街に行こうか」


「分かったの」

「迷宮市街……面白そうですね!」


クロネは興味津々のようだ。空間把握があるから非常に心強い。


「……っと、関所が見えてきた。ここからはご主人様と奴隷の関係になるから気をつけてくれ」


「はいっ」

「分かったの」


一人分の通行料を払って町に入った。


ギルドにミズクの元主人のパーティーが襲われて全滅したことを伝える。


「奴隷だけが生き残っていたんですか。では、この町の奴隷商を紹介しますね」


「ん? なんのためだ?」


「いえ、使えない奴隷を売るのに必要かと」


見張りが疎かになったのは、主人の方に非があるのだが……


まあ、首輪の件もあるから、紹介してもらおう。


俺はむっとする気持ちを抑えて紹介を頼んだ。



ギルドを出た。


「ミズク、売られるの?」


ミズクが暗い顔で聞いてくる。


「いや、新しい首輪を頼むだけだ。誤解させてしまったな」


「そうなの……。良かったの」


ミズクはほっとしたようだった。


「(この人を逃すと、いいご主人様には出会えなさそうなの)」


また何かボソボソと言っていた。


独り言が多いタイプなのか?


……謎めいた幼女って感じで、萌えるな。


「(梟人は、ぜったいに滅ぼさせないの)」


一旦、一昨日まで泊まっていた宿にチェックインして、奴隷商に向かった。

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