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職業(ジョブ)がロリコンでした。  作者: とおか
三章「タゼウロンの町」
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第41話「変わらない」

どうしてロリコンしか選べないんだ!


「その現象は、何かの呪いじゃないでしょうか」


逃げても逃げてもロリコンが追ってくる。


「そうなったら呪いを解かない限り、転職できません」


そしてどんどん追いかけてくる数が増えていく。


「なんだって……」


「諦めてロリコンに戻ってください」


「いやだああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」


俺は絶叫した。


ロリコンってこんなにしつこいの⁉︎


ロリコンって怖い存在ではないと思ってたけど十分に怖いよ、ホラーだよ!


ロリコン自重しろ!


「ご主人様……かわいそう」


止めてクロネ! 可哀想とか言わないで! どうあがいてもロリコンにしかなれない俺のことを憐れみの目で見ないで!


「くっ、もうロリコンでいいや……」


諦めて「ロリコンになりたい」と念じる。


俺はロリコンになった。


もともとだった。



◇◇◇



転職できなかったので料金は不要だった。


「……そうだ、奴隷は転職できるのか?」


「条件が合えば出来ます」


「条件?」


「犯罪者が奴隷に落とされた犯罪奴隷の場合、刑期を終えたら、転職できます。他の奴隷は契約の強さによります」


「やってみないと分からないか……クロネ、やってみようか」


俺は、クロネは頷くものとばかり思っていた。


「イヤです」


「え?」


「転職したくないです。ご主人様と離れるのイヤです」


奴隷の首輪を付けたがった時点で気づくべきだったかもしれない。


「俺は、クロネが奴隷じゃなくても一緒にいるぞ?」


「……今はまだ、ダメです」


「そうか分かった……」


まあ、俺の所有物(どれい)であるうちは、獣人ということで文句を付けられにくいから、利点もあるんだよな。


俺たちは、神官に礼を言って神殿を後にした。



◇◇◇



神殿を出ると、日が傾き始めていた。


「間食でもするか……」


ちょうど十時(午後三時ごろ)だしな。


俺たちは、甘味を求めて立ち食いの店を巡る。


砂糖が貴重なのか甘味といえばもっぱら果物になる。


ごつい柑橘系の果物を楊枝で突いて食べながら、ふと聞こえてきた話に耳を傾ける。


「おい聞いたか? 幽霊屋敷の話」


「知らないな、なんだそれは?」


「なんでもゴースト系の魔物が湧くようになった屋敷らしい」


ゴースト系の魔物⁉︎ そんなのいるのか?


やはり物理攻撃が通じなかったりするのだろうか。


「お前本当ゴースト系好きだよな」


「ああ、俺の光魔法が一番輝く相手だからな! 光だけに」


ふむふむ、光魔法が有効なんだな。他に効く攻撃手段はあるのか、調べておいて損はなさそうだ。


「三十点。で、倒しに行くのか?」


「もちろんだ! ついて来てくれ」


「仕方ないな。この間手に入った破邪の短剣も試してみたいしな」


ほうほう、マジックアイテムもあるのか。こっちも調べておこう。


二人組はそのまま準備の話に入り、声が聞きずらくなった。


今までの話は、周りに聞かせる話だったようだ。別の冒険者が二人に声を掛けているのが見えた。


二人は、話を聞いた後、笑ってその冒険者の背中を叩き、今度は三人で準備の話に入った。


興味があったが、駆け出しの俺が行っていいものか分からない。


それにクロネが受け入れられるかどうかも心配だ。


ちょうどクロネが食べ終わったから、立ち飲み屋を後にした。

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