第38話「神殿」
三章作るの忘れてました
テスト前だけど風邪引いた〜
寝る前になると甘えん坊になるクロネは、俺に身体を拭いて欲しいと頼んできた。
実は、野宿実習の前にタオルを買ってからは、毎日濡らしたタオルで身体を拭くようにしていた。
汗の匂いのするクロネを、一度水魔法で包み、身体を擦る。
「んにゃふ……くすぐったいです」
「こら、あまり動くんじゃない」
肌を傷つけないように優しく擦っているのがくすぐったいようで、クロネが身をよじる。
「ハヤトお兄ちゃんは、わたしが拭きます」
「じゃあ背中頼むわ」
「分かりました」
とまあ、こんな具合に身体を綺麗にしてベッドに入った。
◇◇◇
翌日、今日は冒険者業は休みにして神殿に行ってみることにした。
往来の人に尋ねてやってきたのは、街の中心にある白い建物だった。
正面にはかなり横長の段数の少ない階段があり、登ったところには装飾の施された太い柱が並んで立っている。
写真で見た大英博物館がこんな感じだったように思う。
植木がたくさんあって、緑と白のコントラストがとても美しい。
緑一色の大きな旗も掲げられている。
「おおぅ、すげー」
「すごいです」
俺たちは、建物の放つ凄みに気圧されてしまった。
中に入ると、一般的な服を着た人々の他に、襟や袖に緑のラインが入ったガウンを着た若い神官が何人かいた。
俺は、その中の一人に話しかける。
「すまない、ここは神殿であってるよな?」
「ええ、あってますよ。タゼウロン神殿へよくお越しくださいました。大きくてびっくりしたでしょう?」
「ああ、少し気圧されてしまった」
「そうでしょうとも。この町の神殿は、この国有数の大神殿ですからね。今日はどのようなご用件で?」
「転職をしようと思って来たんだが、この神殿では他に何ができるんだ?」
さすがにこの大きさで転職だけしかやってないということはないだろう。
それに今聞いて知ったことだが国有数の大神殿と来た。
「他の神殿と変わりませんが、洗礼や祈祷、病気の治療、教えを授けたりしています」
教えか……宗教心が薄いと言われる日本の国民ではあったが、神話などは結構好んでいたから、忌避感は無い。
「教えを授けてもらってもいいか?」
何かを教わる機会というのは、この世界の常識を知らない俺としては非常にありがたい。
話が逸れない程度にどんどん質問していこう。
「それではついてきてください」
神官についていき、木箱の置かれたカウンターに行く。
「まずはここに武器を預けてください」
渋る理由も無いので俺はロングナイフを箱に入れた。クロネのダガーナイフも一緒にそこに入れる。
すると、番号の書かれた札を渡された。
「それが預かり証となります。無くさないようにお持ちください」
武器を預けた後は、黒板のある3メートル四方の部屋に案内された。
俺たちは、促されて長椅子に座った。
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