表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
職業(ジョブ)がロリコンでした。  作者: とおか
三章「タゼウロンの町」
43/156

第37話「食べ歩き」

町に帰ったらまず、ギルドで報酬を受け取る。


スライム討伐クエストで300エソ。

コボルト討伐クエストで400エソ。

それらの報酬とは別として、スライム六十体の討伐に対する礼金で3600エソ。

コボルト四十体討伐で3200エソの稼ぎだ。


ハイペースで狩り続けたから、がっつり儲かった。


ギルドの人が驚いていたが、騒ぎになるようなことはなかった。


ギルドに5000エソを預けるためにアサートスクリーンを出すと、ランクが2に上がっていた。


一緒にクロネのも確認すると、1に上がっていた。


旅亭レヤンドカにチェックインして、90エソの宿泊代を支払う。


「ああー、疲れた〜」

「きゃあっ⁉︎」


部屋に入るや否や、俺はクロネを巻き込んでベッドに倒れこんだ。


深い意味はなく、ただベッドに倒れたかっただけだ。


クロネを巻き込んだのは、俺一人でやるのが嫌だったからだ。


「び、びっくりしました……」


目を丸くして転がるクロネが可愛らしい。


「やっぱり連戦は疲れるなー」

「うん……わたしも疲れました」


足を地面に投げ出したままベッドに仰向けになり、天井を見る。


「今日は結構お金も手に入ったし、どこか外にでも食べに行くか――と、思ったけどやめておこう」

「? どうしてですか?」


「外だとクロネと一緒にご飯が食べられないだろう?」


奴隷を相席させて食べるのは、この世界の常識ではありえない。


変に目立つのは避けたいのだ。


「わたしはそれでもいいですよ?」


「ん〜じゃあ屋台でも回って食べ歩こう」

「楽しそうです!」


俺たちは宿を出た。



◇◇◇



「おーい、ハヤト!」


屋台で焼き鳥を食べていると誰かに呼ばれた。


「お、ネウスか」


振り向くと、角刈りの青年が少し離れたところから手を挙げて、こっちに向かっていた。


「どうだった?」


「すごいぞ! エキシピウムで本当にレベルが上がった! さらにシバカリキっていう加護も手に入ったぞ! でもなんだろうな、シバカリキって」


さすがに芝刈り機は、この世界にないよな。


「さあ、知らんが、よかったじゃないか」


「ああ、ハヤトのおかげさ。ところであの後どうだった?」


「スライムとコボルト合わせて百体くらい狩った」


「百体⁉︎ 嘘だろ?」


「いや、運良くたくさん遭遇できたんだ」


「へぇ、それが本当なら大量発生しちまってるかもしれないな」


それはないと思うが、変に問いただされると困るので言わない。

変わりに気になっていたことを聞く。


「そういえば、スライムばっかり偏って遭遇することがあったんだが、どういうことか知ってるか?」


「ああ、それは魔物のテリトリーの違いだよ」


ああ、やはり魔物でもテリトリーがあるのか。


「でもスライムばかり何十体も連続っていうのは多いな……ギルドには報告したか?」


「いや、してない。異常かどうかも分からなかったしな」


「じゃあ俺が報告しといてやるよ。だからなんか奢れ。そんだけ倒したなら稼いだんだろ?」


「仕方ないな……おっちゃん! 鶏五本追加で!」


「エールも頼むよ!」


「あいよっ」


「おま、勝手に……」


「いいじゃないか、酒くらい」


「別にいいが……ネウスは何歳なんだ?」


「十七だよ?」


未成年じゃないか、と思ったが、ここは異世界、日本ではないことを思い出した。


「ああそうか、この街は十六からオッケーだぜ?」


「……ギリギリいけるかな」


「へぇ、もっと下だと思ってたぜ。お前童顔だな」


「そうか?」


日本人は、外国人から見たら幼く見えるっていうのは本当なんだな。


「でも、今はやめておくよ」


クロネもいるしな。


串三本とエールを胃に放り込んだネウスは、ギルドに報告へと向かった。


俺たちは、屋台巡りを再開する。


俺以外にも奴隷を連れて屋台を巡る冒険者を見かけた。


別に珍しくは無さそうだ。


俺は、安堵しながら普通のうさぎ肉のオムレツを頬張る。


この世界はうさぎが食肉用として飼育されているから、うさぎ肉料理は鶏と豚の次によく見る。


オムレツを半分食べたところでクロネに譲る。


「美味しいれふ」


クロネの頬張る顔はいつ見ても可愛い。


夜の帳が下りる前に宿に帰った。

感想・ご意見・誤字脱字などなど随時受け付け中!


気軽に書き込んで行ってください!


できる限りコメント返します


ブックマークもお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ