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職業(ジョブ)がロリコンでした。  作者: とおか
三章「タゼウロンの町」
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第32話「魔法DEジッケン」

すいませんっ、予約投稿忘れてました

翌朝。


俺は閃いた。



水魔法で料理できるんじゃね?



ものは試しということで、水魔法で作った水球の中にうさぎの肉を放り込む。


これで煮込み料理ができる!


肉は、水球の中をゆっくり落ちていき、


ぼとりと地面に落ちた。


……


…………


失敗ではない。


中に入れた物までは浮かせられないということを発見したから、成功への一歩だ。


「まあ仕方ないな」


俺は、別で生み出した水で肉についた土を洗い、クロネに渡した。


串を火にかけるクロネを視界に入れながら、クロネが肉を焼くのを待つ。


「焼けましたー」

「おー、ありがとうなー」


クロネの頭を撫でて、朝ごはんを食べ始める。


「む、美味いな」

「えへへ、ありがとうございます」


クロネが焼いた肉には赤い部分が多く残っていて、生焼けかと思ったが、昨晩俺が焼いたのより美味い。


「実は、昔こう言う料理もあるというのを聞いたんです。聞いただけだから不安でしたけど、美味しいって言ってもらえてよかったです」


「おお。ありがとうな、クロネ」


ん? でもこの肉昨日獲ったやつだよな。


心配だ。


今度から獲れたて以外は控えておこう。


「そういえば、ハヤトお兄ちゃんの作るお水の玉ってキレイですよね」


「そうか?」


「はい、キラキラしていてキレイです。それと影も」


「影? ……おお!」


水球が地面に作った影の中では光が踊っていた。


中で動く水流の動きによってできた綺麗な光景だ。


(光の屈折だな)


ここは物理法則がまだ生きているようだ。


(ん、もしかして……)


「もしかして集光できるんじゃないか?」


物は試しと、水球の中の流れを止めて、形を扁平に変えていく。


「以外と簡単に出来たな」


レンズを作るだけなら簡単にできてしまった。


手を広げたくらいの大きさのレンズが浮いている。


地面に薪を置き、水球の厚さを調節して、焦点を合わせる。


「何してるんですか?」

「ちょっとした実験だ。見ていてくれ」


光が集まっているところを指す。


「うわぁ、眩しい」


ふふふ、それだけじゃ無いのだよ。


そう思いながら待つこと数十秒。


薪から煙が上がった。


そしてしばらくして、火が着いた。


これで着火の魔道具の消費を抑えられる!


「凄い! ご主人様は光魔法と火魔法も使えるのですね」


「いや、これは科学の力だ」


「カガク?」


クロネに原理を説明してみたが、幼女には難しかったのか目を回していた。



◇◇◇



しかし、俺も目を回したくなることが起きた。


それはその日の夜のことだ。


その日獲ったピアーなどと合わせて、こんがり焼いた肉を食べたあと、昨日と同じように俺が先に寝た。


そして交代するときにヒールを使ったなんてことも昨日と一緒だ。


俺は、冷ややかな月の光を浴びながら魔法の訓練を始めた。


何か新しいことができるようになると、そればかりやりたくなる心理は分かってもらえると思う。


意味は無いと知りながら、なんとなくレンズ型水球を作って月の光を集めた。


人の顔くらいある水球を扁平にして作った、楽器の銅鑼くらいの大きいレンズだ。


その焦点には一応木片を当てる。


要するに調子に乗っていたわけだ。


昼に火を起こすときの練習をしているのだ、と適当な理由をつけて遊んでいると――


ピキッ


焦点に合わせていた木片が凍った。


「は?」


驚いて焦点をずらしてみる。


ピキピキッ!


凍った。


「え? なんで?」


光を集めれば集めるほど木片は速く凍った。


ど、どういうことだ?


月の光は、物質的に冷たいのか……?


なんということだ……


「物理法則さあああああああああああああん!!!!!」


幸いにもその叫びはクロネを起こすことはなかった。


俺は、冷たい(物理)月の目線に晒されながらその晩を悩み明かした。

感想・ご意見・誤字脱字などなど随時受け付け中!


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