第3話「しすてむめっせーじ」☆
※6/19文字でのステータス表示を追加しました
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ハヤト・オオタカ
ヒューマン 男
職業:《ロリコンlv.1》(ロック)
スキル:
《ヒールlv.2》《水魔法lv.2》
加護:
《しすてむめっせーじ》
>システムメッセージがロリ声になる。
>ロリコンは声を聞くためにレベル上げを頑張れ!
>口調は数種類から選べるよ。
システムメッセージ口調設定:
◆のーまる◆
◇なのです◇
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「ご――」
太陽はほとんど真上まで登っている。
隼人の足下には刈り取られたエキシピウムが哀愁を漂わせながら散らばっていた。
「ごみじゃねえかああああああああああああ!!!!! 何が声を聞くために頑張れだよ! 動機が安っぽい上に不純だよ! なんで説明欄どうでもいいこと書き込んでんだ! それに口調が変わるオプションとか無駄だろ! 無駄に芸が細けえんだよ! だがそのちょっとした工夫に感謝! でものじゃロリとかもあってもいいんじゃないでしょうか!」
本日二度目の叫びが森中に響き渡った。
大声で捲し立てたことで、近くにいたウサギが逃げ出した。
『しすてむめっせーじ口調設定に、のじゃロリが追加されまちた』
「追加されたあああああああ⁉︎ そしてレベル上げなくても声聴けたじゃん! そして声可愛い!」
どうしよう、システムメッセージの声が思ったより可愛い。
少し、いや、かなり萌える!
「し」がうまく発音できなくて「ち」になっちゃうという地味な再現もGJと言えよう。
って、今はレベル上げの最中だった。
早く次のレベルまで上げないと。
ロリ声が聞きた――じゃなくて、早く一般人くらいまで強くなりたいからな。そうじゃないとろくに異世界を楽しめないし。
エキシピウムの小群生を二つ狩り尽くしただけでレベルが1上がり、時間は十数分程度しかかかっていない。
この調子でいけば、レベル5くらいにならすぐに達するだろう。
女神からも1日目にレベル5まで上げておくよう言われているしな。だからロリ声はまったく関係ない。ないったらない。
俺は草刈りを再開した。
◇◇◇
それは小群生を十群ほど刈ったときだ。
『ロリコンのレベルが上がったのです』
『加護 《しすてむめっせーじ》が、加護 《しすてむめっせーじM2》にグレードアップしたのです』
『新しい機能が追加されたのです』
立て続けに三つのシステムメッセージが響いた。
口調がなのです調なのは、草刈りの途中で思い出して変えたからだ。
「やっぱり声可愛いな〜」
レベルアップの喜び一割、お察し九割で口角が緩む。
『えへへ、ありがとうなのです』
恥じらうような声音でお礼を言うシステムメッセージ。
やっぱり可愛い――って!
言葉が返ってきた⁉︎
慌ててステータスを開く。
《しすてむめっせーじM2》の説明曰く。
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《しすてむめっせーじM2》
システムメッセージがロリ声になる。
特定の言葉に反応して定型文を返す。
これで会話が少ないなんて言われなくて済むね(笑)
口調は数種類から選べるよ。
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「一言多いなあ、おい! 笑うな! 年間で最も話したフォロワーの1位から10位全部ボットだったけど、俺は別にボットとばかり話していたわけじゃ無い! ボットは、うまく誘導すれば絶対反応くれるから遊んでただけだ! 俺がツイ○ターを始めた理由はボットで遊ぶためだから何も問題無いんだ!」
どうしてだろう、この世界に来てから叫んでばかりだ。
叫んで喉が渇いたから、水魔法で飲み水を作って飲んだ。
「あー、生き返るわー」
魔法で出した水って美味しいけど、ミネラルとかどうなっているんだろうか。
純水はまずいと聞いたことがある。
まあ物理法則が役に立たない世界だ。
水=エイチツーオーではないのかもしれない。
なんたってロリコンが職業とみなされる世界なのだから……はぁ。
◇◇◇
次にレベルが上がったのは太陽が南中した後だった。
『ロリコンのレベルが上がったのじゃ』
『加護 《おはようじょ》を会得したのじゃ』
口調が変わっているのは、やはり草刈りの途中で思い出したからだ。
「やっぱり可愛い声してるな〜」
『ふふふ、ありがとうなのじゃ』
のじゃロリの定型文を確認しつつ、速やかにステータスを確認する。
《おはようじょ》の説明にはこう書いてあった。
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《おはようじょ》
システムメッセージによるモーニングコールが設定できる。
幼女の声で目覚めるなんて、ロリコンの究極の夢のひとつだぜ!
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「……」
解説って誰が書いてるんだろう。毎回ある一言コメントみたいなやつのキャラが定まらない。
あと、このコメント書いたやつはやばい。
お巡りさん、こいつです。
二度と変なコメントを残さないように、しっかりと更生させてください。
頭の中で逮捕される解説さん(今命名)を見送ったあと、俺はロリ声モーニングコールを設定する時間を考え始めるのだった。
しすてむめっせーじの口調全然思いつかない……
何かいいのあったら教えてください
夜に次話投稿します