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職業(ジョブ)がロリコンでした。  作者: とおか
二章「ファマーチストの街」
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第21話「好みは人それぞれ」

ガイスターってボードゲーム面白いですね


あ、本編には全く関係ないです

(あしゃ)でしゅよ、起きてくだしゃい』


翌日、やはり幼女の声に起こされる俺。


服を洗い、気配察知を発動させつつ、水魔法の練習をする。


魔法で出した水は、ある程度の距離なら宙に浮かせたり、水球にしたりと自由自在だ。


俺は水球の形をぐねぐねと変え、粘土のようにいろんな形を作って遊ぶ。


まずは、俺の金欠を救ってくれた森うさぎだ。


しかし、出来上がったのはジャンケンのチョキだった。


「精密なコントロールが出来てないな」


いきなりうさぎは難しかったようなので、水球を半分に割ったり、またくっつけて一つの水球にしたりする。


そのうちにクロネが起き出してきたので水魔法の訓練を止める。


気配察知は発動させたままだ。


魔法で分かったことだが、魔法の維持も魔力を消費するようだ。


水を作り出すのに魔力を大量に使うので、微々たる消費には気付けなかった。


精密にコントロールしようとすると制御に必要な魔力が増えたから気付けたのだ。


「さて、今はマインの家にいるんだったか」


リビングに行くと、マインがソファーに座っているのが見えた。


「おはよう」

「あ、おはようございます。今、お母さんが朝ごはんを作ってるので少し待っていてくださいね。朝ごはんの代金は要りません。それと……」


マインは、少し言いにくそうにしている。


「ん? どうした?」

「ご飯一緒に食べませんか?」

「んー、遠慮しておく。奴隷が食卓に並ぶのはまずいだろ?」

「じゃあ、わたしが部屋に行くのはダメですか?」

「まあ、ダメではないな」


そんな話をしていると、マインの母親が厨房から顔を出した。


「あんたがハヤトかい」

「ああ、そうだが」

「あんたが娘を誘惑するおかげで、今日の手伝いがいなくなったじゃないか」

「誘惑って、お母さん!」

「ハッハッハ! まあわたしも夫も宿の仕事でマインを連れ出せないからね、せいぜい楽しんできな!」

「うん、お母さんありがとう!」


思ったよりも気前のいい母親のようだ。


「意外だな。こうもすんなり許すとは」

「そうか、あんたのイメージは、マインを罰したあたしなのか。あたしゃ常に厳しくしているわけじゃないよ」

「それもそうだな」

「うちの娘を危ない目に合わせたらただじゃおかないからね」

「おお、こわいこわい」


そんな感じで顔合わせを済ませたあと、彼女は厨房に戻っていった。


そして出来上がった料理をマインと一緒に部屋に持って行って三人で食べた。


クロネもマインと仲良くなっていた。


「クロネちゃんも耳を隠せば可愛いのにね」


しかしやはり耳に対する嫌悪は無くならない。


それはもう仕方のないことだと思う。


俺に歳上の良さが分からないのと一緒で、ここの人達には、ケモミミの良さが分からないのだろう。


どれだけ説得されても歳上の良さが分かるとは思えないし、歳上好きになっている自分を想像すると気持ち悪い。絶対にそうはなりたくない、と思う。


それと同じだろう。


まあ、良さがわかる人が好きになればいい、と言う話だ。好みは人それぞれだしな。



◇◇◇



「そういえば、大きな音の出るもの見つかったか?」


「あっ」


マインが今思い出したような顔をした。


「ど、どうしよう何も準備してない……」


だろうと思った。


「まあいい。今更連れて行ってやらないわけにもいかないしな。別に絶対に必要ってわけでもなかったから気にすることはない」

「ありがとうハヤトさん!」

「それじゃあそろそろ準備しようか」

「はい!」


準備と言っても俺たちはほとんどすることがない。クロネに帽子を被せ、俺はロングナイフを装備する。


そして、マインの着替えを待つ。


「お待たせしました!」


出てきたマインは、スカートに脚絆と膝当てという出で立ちだった。


野暮ったい装備がミスマッチで逆に萌える。


というか俺たちより装備がしっかりしてないか?


近いうちに装備を整える必要がありそうだな。森から帰ったときにでもマインに店を教えてもらおう。


準備が終わり、一旦ギルドに向かう。


もちろん森うさぎの依頼を受けに行くのだ。


道中、服も買わなければならないことに気づき、装備のことと合わせて森から帰ってきたら店を案内して欲しいとマインに頼んだ。


マインは快諾してくれた。


ギルドに着くも、うさぎの依頼は無かった。代わりに薬草の採取のクエストを受け、街を出ようとして、


「そういえば身分証は持ってるか?」


無かったら困るので確認しておく。


「持ってますよ~」


マインは、首に下げた巾着袋から冒険者のギルド証を見せる。


「冒険者だったのか」

「お父さんが一応作っとけって言って作ってくれたんです。他の身分証よりも持ち運びが便利なので」

「なるほどな」


日本でいう運転免許みたいなものだな。俺も身分証に使えるからと運転免許を取ったっけ。原付には乗っていたがペーパードライバーだった。


言い方を(なら)うなら、マインはペーパー冒険者というところか。


身分証の確認も終わったところで、門に向かい、街を出た。

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