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職業(ジョブ)がロリコンでした。  作者: とおか
二章「ファマーチストの街」
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第18話「効果は抜群だ!」☆

そろそろ書き溜めが減ってきたよ……


神聖文字のルビを考えました!

ヒエロロフィオです。

もちろんヒエログリフから取りましたとも。

ヒエログリフは、ロリが隠れてるから好きです。


意味が知りたい方は感想で――と言いたいところですが、この話のアサートスクリーンのリンク先に書いてます。


※6/19文字でのステータス表示を追加しました。

街の入り口が見える所まで来ると、大変なことを思い出した。


「お金がない……」


街の関を通るには、ギルド証のある今、50エソ払わなければならない。


「おお、この前の奴隷連れか、ギルド証は作ったか?」


「ああ、作ったんだが……」


「なら50エソだ」


「それが、街を出る時に金を確認しなくてな」


「ああ、金が無いのか。それならそいつを担保に使えばいい」


兵士は森うさぎを抱えたクロネを指した。


「クロネを担保にするのは……」


返すあてはあるが、あまりいい感じではしない。


「そうじゃない。奴隷は担保には使えない。契約者が死なない限り勝手には主人を変えられないからな。俺が言っているのは、その奴隷が抱えているうさぎだ」


「ああ、それなら構わない」


俺は森うさぎを一匹、担保として差し出し、街に入った。


ギルドにうさぎを引き渡すと、驚かれた。


「お二人でこんなに獲られたんですか⁉︎」


「ああ。あと一匹、門に担保として預けているがな」


「一日で5匹⁉︎ 精々2匹が関の山ですよ⁉︎」


数字的にはあまり獲れた気がしなかったが、実は結構取れていたみたいだ。


俺自身あまり強くないから、こっちのタイプのテンプレはないだろうな、と思っていただけに嬉しい。


「ちょっとした特技ですよ」


大したことないとまでは言わず、軽い謙遜で止めておく。


「それでは、ひとまず4匹分の報酬、2000エソをお受け取りください」


「1800エソをギルドに預けることはできるか?」


「はい、できますよ。ギルド証とアサートスクリーンを提示してください」


俺は、言われた通りギルド証を出し、アサートスクリーンも表示させる。


――――――――――――――――

ハヤト rnk.1

役:近接型、治癒士

スキル:

《ヒールlv.3》《水魔法lv.2》

――――――――――――――――

挿絵(By みてみん)


「あれ? ランクは上がっているけど、スキルのレベルが変わってない」


昨日水魔法のレベルが3になったが、反映されていない。


「ああ、ランク以外の情報は自動更新ではないんです、新たに申請書を提出して上書きする必要があります」


「それは無料で出来るのか?」


「いえ、700エソ支払っていただきます」


「高いな」


「このお金は、濫りな情報の変更を避けることと、冒険者ギルドが提供する様々なサービスのために使われているんです」


「へえー」


「例えば冒険者の新規登録の費用や、ハヤトさんが今泊まっている宿のように、冒険者に対して施設の利用費を安くするために使われています」


「なるほど」


「変更されますか?」


「いや、今しばらくは金を稼ぐことに集中したい」


「分かりました」


俺は銀貨2枚だけを受け取って門に向かう。


そして入街代銅貨5枚を払って預けていた森うさぎを受け取ると、すぐにギルドで換金した。



◇◇◇



宿での帰り道。


時間があったので、店をひやかしながら宿に向かってみると、帽子ばかり売っている店があった。


そして店主はひたすら帽子を編んでいた。


「おじさーん」


「ん、なんだ?」


こちらを向いたおじさんは頭を短く刈り込んだ、ちょっと暑苦しい感じでかつ渋みのあるイケメンだった。


「どうしてこの店は帽子ばかりなんだ?」


「俺は帽子を極めてるんダ!」


おおう、暑い暑い。


帽子について語り出しそうだったので、慌てて話題を変える。


「この子の耳の邪魔にならないような帽子ないか?」


ダメ元で聞いてみた。


少し前から思っていたんだ。尻尾は服の中にあってもともと見えないし、帽子を被って耳を隠してしまえば人間じゃないことは分からなくなって、歩いているだけでひどい扱いを受けることもないのにって。


「あるぞ」


「やっぱりないよな――って、あるのか?」


「ああ。前から思ってたんだ。あんな醜い(もん)さらけ出さずに隠しちまえばいいってな」


元の感情は違うが、奇しくも同じ結論に至っていたようだ。


「そう思って一時期作ってたんだが、なんで亜人なんかのためにって言わたのが原因で止めて、お蔵入りになってんだよ。仕方ない、出してやる」


「いいのか?」


「ああ。帽子は被られているときに一番輝くからな。亜人に被られるより、被られるあてもなく死蔵されている方がよっぽど可哀想だ」


……つまり道具は使ってなんぼってことだな。


おじさんが獣人ように作ったと言う帽子は20ほどあった。


どれも丁寧に作られていて、帽子への愛がうかがえる。


「クロネ、何か気に入ったのあるか?」


ひと先ずクロネに聞いてみる。


「ど、奴隷で亜人の私がアクセサリーを身につけるなんて、そんな贅沢なことできません」


「そいつ奴隷だったのか。じゃなきゃこんな街中に普通には居ねえか……。奴隷ならご主人様が勝手に決めてやったらいいんだよ」


「帽子は被られる相手に選ばれた方が喜ぶんじゃないか?」


「けっ、分かったような口を聞くな。それはもちろんだが、奴隷がご主人様から頂いたものとなっちゃあ、決して無下には扱えねぇ。それに亜人に選ばれるより、人間に選ばれた方が帽子も喜ぶさ」


いや、帽子はそんな差別はしないと思うが。


「まあ、せいぜい帽子置きとして帽子に恥じないよう頑張れや」


なに、その眼鏡かけた人が眼鏡置きって呼ばれるみたいな言い方。

こっちの世界でもそう言うのあるのか。


取り敢えずここまで言われると、これ以上クロネに聞くことは、おじさんの顔色伺い的な意味でできない。


俺は、一目見てクロネに合いそうだなと思っていた帽子を手に取る。


明るめの青藍色でシンプルなガーデンハットで、通気性も、麻と藁の間のような生地のおかげで良さそうだ。


俺はこれを買うことに決めた。


「これにする。いくらだ?」


「銅貨1枚だ」


「安過ぎないか?」


「もともと死蔵していたもんだ。お礼も兼ねてゼロひとつ取っ払ってやった」


元値から安いじゃないか。


「じゃあ遠慮なくその値で買わせてもらう」


俺は帽子を買った。

そしてクロネに向き直り、困惑しているクロネの頭にそっと被せた。


「ほう、耳を隠すとなかなか可愛いもんだな」


おじさんが感嘆の息を漏らした。


気づくのがおせーよ。クロネは最初から可愛いかったからな。


「クロネ、耳に違和感はないか? ちゃんと聞こえるか?」


「は、はい。少し聞こえにくいですが、全然問題ないです」


「なら良かった。俺からのプレゼントだ、なるべく被っておくといい」


「お、お兄ちゃんからのプレゼント……」


クロネは、ほっぺに手を当てて、くねくねと身を捩った。


「「ぐふっ」」


俺とおじさんが同時にのけぞった。


やばい、クロネの可愛さが軽く凶器だ。


特に俺には、間近で見たおかげでおじさんの倍以上のダメージが入った上に、タイプ:ロリコンの俺にタイプ:幼女の攻撃は、まさに「効果は抜群だ!」


ダメージを喰らい過ぎて、物理攻撃を受けたわけでもないのに顔の中心の穴二つから血が出てきた。


俺は慌ててヒールを施し、逃げるように帽子屋を後にした。

第9話「冒険者になる」のアサートスクリーンを画像にしました!


※4/29誤字修正しました


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