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職業(ジョブ)がロリコンでした。  作者: とおか
二章「ファマーチストの街」
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第17話「レベリング(小)」

休憩を終えたが、うさぎ狩りを再開する訳ではない。


森うさぎは一匹5キロくらいあり、それが五匹分で、クロネより重くなっているのが現状だ。


対外的には「荷物運び」であるクロネは、「わたしが持ちます」と変なところで頑固になるので、これ以上狩るわけにはいかない。


故に今から行うのはもっと別のことだ。


「クロネはエキシピウムを知っているか?」


「あまり詳しくは知らないです。レベルが上がりやすくなる草ということしか……」


「それだけ知っていれば十分だよ。今からクロネにはレベルが上がるまでエキシピウムを刈りつづけてもらう」


これから街に戻りながらエキシピウム刈りをすることで、クロネはレベルを上げることができる。


それだけでなく、俺はその間クロネの代わりにうさぎを持つことができ、クロネのレベルが上がったら彼女の地力が上がり、少しは荷物を持つのが楽になる。


これは裏にそういう企みを秘めた指示だった。


俺は、持っていたロングナイフを差し出す


するとクロネは目に涙を湛え始めた。


「……わたし、捨てられるんですか?」


「いやいや何でそうなる⁉︎」


話が見えなさ過ぎるぞ!


彼女は嗚咽を漏らしながら話す。


「……エキシピウムは、レベルが……上がりやずぐなるっで言うのは……ひっく……作り話です……レベル上がるまで……っ……刈れっでごどは自然に上がるまで……ひっく……何ヶ月もここにいろっで、ごどでず。……っく……づまり、いらないがら……っごごに捨でで行ぐっで――」


俺は、クロネを引き寄せ、力強く抱きしめた。


この子が言ったのだ、抱きしめられると安心すると。


詳しくは違ったかもしれないが、今は細かいことは考えない。


俺は何も言わず、彼女が落ち着くのを待った。



◇◇◇



「落ち着いたか?」


胸の中でクロネは頷いた。


まだ時折息を詰まらせていたが、俺は身体を離した。


「俺はクロネを捨てたりしない」


「でも……」


「俺はクロネを捨てたりしない」


目を見て何度も言う。


「エキシピウムはね、レベルが低い時だと、すぐにレベルを上げることができるんだ。それはレベルが低い相手が自分よりレベルが高い相手を倒すとたくさんの経験値が手に入るからなんだ」


ゲームの知識だが、これはちゃんと女神にも確認を取った。その時にエキシピウムのレベルについても。


「あ……」


「わかったみたいだな。レベルが高い人がいくらエキシピウムを刈っても、あまり経験値が入らない。エキシピウムはレベル7くらいだからそれより上は……ということになるね」


「か、勘違いしてごめんなさい……」


「いいよ。ただ俺はクロネが望まない限り捨てたりはしないから、それだけは覚えて――いや、信じてくれ」


その後、街に戻りながらエキシピウムを刈り続け、クロネのレベルが6まで上がった。


俺のレベルを超えてしまったが、俺には強い味方(このロリコンどもめ!)が付いているから、俺より高いくらいでも問題ない。


と言うより、職業によって地力の上がり方に差があるから、奴隷であるクロネは村人のレベル6よりも弱いはずだ。


ロリコンについてはそこのところがよく分からない。


優位職なのか奴隷のような劣位職なのか……


奴隷は犯罪者が落ちる階級でもあるので、それよりは良いと思いたい。


道中、気配察知を維持し続けたがスキルレベルは上がらなかった。

※4/29誤字等修正しました。


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