表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
職業(ジョブ)がロリコンでした。  作者: とおか
二章「ファマーチストの街」
19/156

第16話「森うさぎ」

感想ありがとうございます


評価して下さる方がいるというのは、とても励みになります


至らぬところが多いかもしれませんがよろしくお願いします

宿に戻ってクロネと朝食を食べた後、宿泊を一日延長してから宿を出た。


これで全財産が36エソ、日本円にして360円になってしまった。


小学生の遠足のおやつ代もこれくらいだった気がする。


小学生が羨ましい……


小学生はいいよなぁ


ん? 他意はないぞ? お金欲しいなぁという話だ。


まあこれから稼ぐから問題はない。



森に入って手を繋ぐと、クロネは俺に尋ねてきた。


「ハヤトお兄ちゃん。わたし、いても大丈夫ですか? 邪魔にならないですか?」


「大丈夫だよ。俺は、クロネといるといつも以上の力が出せるしね」


はっはっはー、気障ったらしいが嘘は言ってないぞ。


このロリコンどもめ! 自重しろ!と言われても言い返せないな。


だって、実際にそういう名前の加護のおかげなんだもの。


クロネの顔は耳まで赤くなっている。


まあ、この反応が可愛いから言ったのもあるが。


自重しよう……



「まあそれに、クロネのおかげで迷わずに進めるのは大きい」


普通なら常に太陽の位置を確認して方角を確認しないといけないが、空間把握のおかげでそれがない。


「頼りにしてるぞ」


「っ!――はい!」


クロネは嬉しそうに顔を綻ばせた。


◇◇◇



うさぎを探し始めたが、なかなか見つからない。


気配察知ですぐに見つけられると思ったが、クロネを見つけた時のように、空間の中の重圧感のようなものを感じないのだ。


それどころかクロネの気配も、ゴブリンに襲われていた時とは違って、ほとんどない。


前は手の上に鉄球が乗っているように、はっきりとその存在感を感じたのだが、今は軽い羽毛が乗っているようにほとんど存在を感じないのだ。


大きく動いたり物音を立てると気配が強くなるというイメージがある。音は気配に集中できなくなるので、試しにクロネにその場で静かにジャンプを繰り返してもらった。


肩まである黒髪が上下し、クロネの息遣いが少しずつ荒くなっていく。


飛び跳ねる幼女(クロネ)は可愛かった。


――ではなく、思った通り少し気配が強くなった。


でも羽毛が紙切れに変わったくらいで、やっぱり昨日の気配には遠く及ばない。


俺は、ジャンプを止めさせ、集中したいからしばらく話しかけないようにクロネに言い、取り敢えず気配察知を続けながら森を歩きまわることにした。



そのまま30分ぐらい歩いただろうか、


(あれ? クロネの気配が物凄く強くなっている?)


不思議に思ってクロネの方に意識を向ける。


クロネは、構ってオーラを怒涛の勢いで放出していた。


(やばい、放置しすぎた!)


「なあ、クロネ」


「なんですか⁉︎」


声をかけるとクロネが俺に飛びついてきた。


と同時に、クロネの強くなっていた気配は元に戻った。


(なるほどそういうことか!)


「ありがとう。クロネのおかげで気配察知を理解できたよ」


「?」


構ってオーラを出している時と言うのは、当然だが平時より自分の存在感を強くしているということだ。


それは不満オーラや退屈オーラでも同じだ。態度が場の空気に影響して存在感を出している。


前世でも、話しかけんなオーラを出している奴がいたが、話しかけんなオーラもある種の存在感であり、気配だ。


「クロネ、ちょっと抱えるぞ」


「え?――うわぁ⁉︎」


俺はクロネを抱えて走り出した。


「おおおおおおおおぉぉぉい! 野うさぎ出てこおおおおおおおい!」


俺の叫びが森に響き渡る。


俺の仮説が正しければ……


「よし! うさぎ見つけたぞ!」


驚愕によって慌てて逃げ出したうさぎの気配が遠方にうっすらと感じられた。


俺は急ぎその場に向かい、うさぎを捕らえることに成功した。



◇◇◇



俺たちは太陽が真上に差し掛かるまで森の中を駆け回り、その成果もあってうさぎを5匹捕まえた。


狩ったうさぎの首の動脈を切り、逆さに吊るして血抜きし、現在は倒木に腰を下ろして細やかな昼食を摂っていた。


女神からもらったパンと干し肉がまだ残っていて、それを食べているのである。


パンは日本のものには及ばないが小麦臭さもなくて美味しいし、干し肉も硬いが噛めば噛むほど味が出てくる。


「パンがすごく柔らかくて、ほんのりと甘いです」


クロネは、案の定パンを食べて目を丸くしていた。


「こっちも食べてみろ」


俺は干し肉を差し出す。


「……硬いです。……でも美味しいです」


干し肉もお気に召したようだった。


水魔法で喉を潤し、休憩を終えた。

感想・ご意見・誤字脱字などなど随時受け付け中!


気軽に書き込んで行ってください!


できる限りコメント返します


ブックマークもお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ