表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
職業(ジョブ)がロリコンでした。  作者: とおか
六章「王都フォトーシス」
153/156

小話「クロネのお願い」

おやっと思った方もいたと思いますが、クロネのお願いのエピソードはこちらです!

 ハヤトお兄ちゃんに連れられて、私ことクロネは王様のお城に行ってきました。もちろん、ミズクちゃんとククラちゃんも一緒です。


 その時にお姫様に会いました。お姫様はお兄ちゃんのことが会う前から好きみたいでした。


 お姫様にも好かれるなんてやっぱりお兄ちゃんはすごいです!


 私は嬉しかったです。


 そして、王様たちと一緒にお菓子を食べることになりました。


「ハヤトは妾の前に座るのじゃ!」

「クロネちゃんとミズクちゃんとククラちゃんもどうぞ自由にお掛けになってね」


 王様の奥さんがそう言ってくれたので、私たち三人は、お兄ちゃんの膝の上に座れる人を決めるジャンケンをします。


「み、ミズクは今はいいの……」


 ミズクちゃんがそういうので私とククラちゃんだけでジャンケンをします。


「「せーので、ほい!」」


私の手が「人」で、ククラちゃんのが「石」だから……私の勝ちです!!


 お兄ちゃんにくっつけることに喜びながら膝に座ると、王様の奥さんはくすくす笑いました。


「自由にとは言ったけれど、膝の上は予想外でした」


 もしかして王様の前でお兄ちゃんのお膝に座るのはだめなことだったのでしょうか……


「だ、だめでしたか?」


 それでも膝の上を諦められなかった私は勇気を出して聞きました。


 でも返事をしたのはお姫様でした。


「だめなのじゃ!」


 お姫様は走って私のところまで来ると、私の腕を掴んでお兄ちゃんの膝の上から下ろそうと引っ張ってきました。


「妾が! 妾が座るのじゃ!」

「おっ、お姫様でもそれは譲れません!」


 お兄ちゃんのお膝の上は私の場所です!


「元奴隷のくせに生意気な〜の〜じゃ〜!」


 元奴隷と嘘を付いてますけど、私はほんとは奴隷です。だから本当に生意気かもしれません。


 でも! それでも! お兄ちゃんがいいって言ってるんだからいいんです!


「お、お兄ちゃんはいいって言ってくれました!」

「奴隷とか関係ないの。そもそもミズクたちはハヤトにぃ公認の妹なの」


 私が言い返すと、ミズクもお姫様に言い返してくれました。


 そうです! 私は奴隷だけどお兄ちゃんの妹なのです! だからお姫様よりお兄ちゃんの近くにいていいんです!


「それに、大きくなったら結婚してもらう約束もしているの」

「そそ、そうなのです! おっきな権利があるんです!」


 さすがミズクちゃんです! いいことを言ってくれました!


 私たちがお兄ちゃんに結婚してもらうことを言うとお姫様もお兄ちゃんと結婚すると言い出しました。


 ど、どどどどうしましょう! お姫様まで結婚してしまうと奴隷の私は勝てるところがなくなってしまいます!


 私が焦っていると、王様がお姫様にだめだと言ってくれました。お姫様にはもう結婚する人が別にいたみたいです。浮気はだめなんです。


 私はほっとしました。


 でもお兄ちゃんはお姫様を膝に乗せてあげることにしたみたいでした。


 ななな、なんでなのです!? 勝ったのはクロネなのに!


「ごめんなクロネ、今回は譲ってあげてくれ」


 お兄ちゃんは本当に申し訳なさそうな顔をして私に謝りました。


 そこでようやく私はお姫様相手に失礼なことをしていたことに気づきました。


 お姫様に膝を代わってあげないと私は罰せられてしまいます!


「わ、わかりました……」


 すごく残念だったけど、私はお兄ちゃんのお膝から下りました。


 するとお兄ちゃんは「ありがとうクロネ」と笑い、とても素敵なことを言いました。


「帰ったら何でもお願いを一つ聞いてあげるから考えておいてくれ」


 な、なんでもですか!?


 で、でも一つだけ……


 お兄ちゃんにお願いしたいことはいっぱいあるから、どれにするか迷います……


 そのあと美味しいお菓子を食べたけど、私はずっとお兄ちゃんに何を頼むか考えていました。



◇◇◇



 お姫様のリンシスちゃんとパズルを解いてばいばいしたあと、私はまたお兄ちゃんに頼むことを考え始めました。


「クロネ、もう頼むこと決めたか?」

「ま、待ってください! まだ、考え中です!」

「いつでもいいからな? 焦らず考えたらいい」

「わ、わかりました」


 私は考えます。何かいいものはないかと。


 せっかくなんでもお願いを聞いてくれるんです。普段頼めないこととかやってもらえないことを頼みたいです。


 うーん、どんなお願いがいいんでしょうか……


 手を繋いで歩きながらもずっと考えていると、気がついたら宿でした。


 それからもずっと考えていた私は、晩ごはんの間もずっと考えていました。


「クロネ、口のまわりがべたべただぞ」


 お兄ちゃんは私のお口をハンカチで拭いてくれました。


 前みたいに指でとってお兄ちゃんに食べて欲しいなぁなんて思っていると、私は閃きました。


「お兄ちゃんお願いすること決まったのです!」

「お? なんだ?」

「寝る前に言うのです!」


 そして私は早くお願いをしたい気持ちで身体をむずむずさせながら、ごはんを食べ終わりました。


 身体も拭き、お口も綺麗にして、いつもなら場所決めジャンケンをするところですが、ここでお願いを発表しようと思います。


「それじゃあお兄ちゃん。お願いを聞いてください」

「よし、なんでも言ってみろ」


 うーん、いざ言うとなると恥ずかしくなってきたのです……


 でも、言うのです!!


「お兄ちゃん! 私のお口にちゅうしてください!!」

さて、これにて6章が幕を閉じました。


え? クロネのお願いは聞き入れられたのかって?


まあハヤトですから……




感想・ご意見・誤字脱字などなど随時受け付け中!

気軽に書き込んで行ってください!

できる限りコメント返します

ブックマークもお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ