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職業(ジョブ)がロリコンでした。  作者: とおか
六章「王都フォトーシス」
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第137話「魔法道具店にて②」

お久しぶりです。エタってないです生きてます!

投稿すると8月前半に言ってから一ヶ月も遅れてしまってすみません……

水晶にかかった自壊する魔法を解くためにパズルを解いて回っていたある日のこと。


ハヤトはすでに魔法が解けている水晶玉を魔法道具店に売りに行った。


クロネ達はリティアのツリーハウスでパズルを解きながらお留守番だ。


理由はもちろん……


「おや、今日は一人かい? ヒヒッ」


ボサボサの白髪と鉤鼻、喋るたびに上げる奇妙な笑い声という、絵本に出てくる悪い魔女を体現したような婆さん店主が原因だ。


俺は、魔法道具店らしい雰囲気が出ていて割といいなと思うのだが、幼女には恐怖の対象でしかないようだ。


「婆さんが怖いんだとよ」

「イィーヒィヒ! 辛辣だねぇ」


婆さんは慣れているのか特に気にすることなく笑い飛ばした。


「今日も水晶を売りに来たのかい? ヒヒッ」

「ああ、だが他にも二件別の用事がある」


水晶玉を売る前に同じ階層で手に入った水晶玉を二つ、婆さんのもたれているカウンターに置く。


「この二つに違いはあるか?」


今提示した水晶は片方が自壊の魔法が解けているはずのもの、もう片方が魔法が解けていないものだ。


「ヒヒッ、突然どうしたんだい?」


俺は、水晶に自壊の魔法がかかっている旨を話す。売った水晶の一部にその魔法がかかっていることや、今後自壊する恐れのある水晶が売られるかもしれないこともだ。


「ヒヒヒッ、そうかいそうかい。それなら心配はいらないよ」

「ん? 判別できるのか?」

「ああ、品質鑑定で比較的簡単にねぇ、ヒヒッ」


なら安心だな。


「でも、職人ギルドに情報を回しておかないとねぇ」


婆さんはそう言って傍らの紙を取ってガリガリと何かを書き始める。


あながち手紙だろう——って、ええ⁉︎ なんでそんなにガリガリと音がしてるんだ?


手の動きはスムーズなのに音がおかしい。だが婆さんの雰囲気に合いすぎてなんとも言えない。


「手紙を届けるのは、箒で飛んでいくのか?」

「ヒヒッ、よく分かってるねぇ、空飛ぶ箒を持ってるなんて教えた憶えはないのに」

「うん、もうさすがにな」

「空飛ぶ箒は魔法学園の試験で好成績を収めたら貰えるんだよ、ヒヒッ」


なんだって! また魔法学園に行く理由が増えたぞ。


というか、やっぱり婆さんは魔法学園の卒業生だったのか。


「それでもう一件の用事は何なんだい? ヒヒッ」

「ああ、媒体を買おうと思ってな」

「ヒヒッ、魔法学園に入学するのかい。それでどんな形の媒体にするんだい?」


媒体には杖型、指輪型、腕輪型など様々な形があるらしい。要は水晶とその他の特殊な物体を組み合わせたものを装備していればいいらしい。


さて、ダイアリンクでみんなの意見を聞こうか。


『魔法学園にみんなを入学させたいと思うんだが、どんな形の媒体がいい?』

『ハヤトにぃは突然すぎるの』

『魔法学園ってものすごくお金がかかるのですよね⁉︎』

『お金のことは気にしなくてもいいぞ。俺が行きたいから行く。そこにみんなを連れて行きたいだけなんだから』

『そう言われると断れないのです……』

『クロネ、嫌か?』

『嫌じゃないのです! どこでもお兄ちゃんと一緒にいたいのです!』

『マスター媒体って何ー?』

『今ククラから媒体について質問があった。媒体っていうのは言うなればアクセサリーみたいなもんだ、アミュレットだと思ってくれてもいい』

『ククラは指輪にするー。マスターとお揃いー』

『ミズクはブローチにするの』

『お兄ちゃんはどんな形にするんですか?』

『俺は指揮棒型にしようと思う』

『じゃあわたしもそれにするのです』


よし、決まったな。


「指輪型が一つと、ブローチ型が一つ、指揮棒型が二つ欲しい」

「キエェェェェェェ! 四つも買うのかい⁉︎ まさかあの時一緒にいた全員で入学するのかい⁉︎」

「ああ」

「キエェェェェェェ! さすがダンジョンを踏破した人は違うねぇ、ヒヒィ!」

「それで、この間売った数字入り水晶で媒体を作って欲しいんだが」

「ヒヒッ、まだまったく手を付けず残してるよぉ。そうやって一番いいのを選べるのはいいねぇ。本来金はあっても手に入らないような品質なのに」

「頼めるか?」

「ああ、せっかくだしサービスしとくよ。さて、指輪型のサイズを教えてもらおうかねぇ」


指輪のサイズか……考えていなかったな。


だがククラの手の大きさはバッチリ記憶に残っている。


手の柔らかさやプニプニした弾力、手の温かさや握る時の握力までしっかりと!


幼女に対する観察眼と記憶力が遺憾なく発揮され、サイズは問題なく伝えることができた。


「デザインと予算はどうするのかね?」

「小さな子供が怖がりそうなのと華美なものは避けてくれ。質素だが技巧の良さが見てわかるようなものがいい。予算は……一つあたり6万エソくらいで足りるか?」

「ヒヒッ、5万エソでも十分だよ。水晶以外はそんなに高いものでもないからねぇ」


加工費が入っていないようにも思えるが婆さんがいいと言うならいいのだろう。


注文が終わると、自壊の魔法が解けた水晶を売り、すぐに店を後にした。

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