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職業(ジョブ)がロリコンでした。  作者: とおか
六章「王都フォトーシス」
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第131話「組み合わせの活用」

お久しぶりです

書きだめがあったのを思い出したのでぼちぼち投稿していきます

今日連載をはじめた『魔物使いの恋人』のほうもよろしくお願いします!


内容を確認しながらの投稿になるためしばらく更新は不定期になります

「そう言えば幻装魔法でクロネの耳とかを見えなくすれば、堂々と出歩けるんじゃないか?」


ハヤトはふとそんなことを思いついた。


「お兄ちゃん……」

「あ、違うぞクロネ! 別にクロネの耳を見たくないわけじゃなくて、差別のせいで不自由だろうと——うわっ」

「分かってますよお兄ちゃんっ♡」


いきなり抱きついてくるからビックリしたじゃないか。


それはそうと誤解されていなくてよかった。


「うーん、それは無理じゃないかなぁ」


しかし、リティアがそんなことを口にした。


どうやらクロネのネコミミは平均的な猫人より大きいらしく、そうでなくとも幻装魔法では誤魔化しきれないだろう、ということだった。


「そんな……他のよりおっきいのですか……」


世間に醜さの象徴とされている獣人の特徴が大きいことに落ち込むクロネ。


普通なら「他より一層醜い」ってことだもんな。


しかし、クロネは俺の言葉を忘れたのだろうか。


「俺はクロネの耳をかわいいと思うんだけどな。他より大きいってことは、俺にとってはつまり、他よりかわいいってことだ」

「お兄ちゃんっ♡」


胸に頬ずりしてくるクロネを愛でていると二人の少女から呆れたようなため息が漏れた。


「ハヤトさんって変わってるね」

「獣人の耳が好きな人間って初めて見たよ」


俺に成人女性の魅力が分からないように、この世界の一般人にはネコミミの魅力が分からないのだろう。


だが、俺は彼女たちにネコミミの魅力を分かってほしいとは思えど、分からせようとは思わない。


俺が、クロネのネコミミを好きという事実は揺るがないのだから。


「マスターは獣人の耳がないと嫌なの?」


おっとククラが悲しそうになっている。


「そんなことないぞ。ククラもすごくかわいいさ」

「腕とか脚、変じゃない?」


ククラは人形の特徴のことを気にしているようだった。


「全然変じゃないぞ。俺はククラの関節も含めて好きだからな」

「〜っ! マスター!」


クロネに加えククラまで引っ付いてきた。


そこにミズクも近寄ってきて、俺の耳もとで囁く、


「ミ、ミズクの翼は……?」

「嫌いなわけないだろ?」

「んふ〜」


「平和だね〜」

「うん、見てて微笑ましいよね」


温かい目でハヤトと彼にじゃれつく幼女を見守るリティアとアルトであった。



一通り愛で、クロネたちが満足した後改めて幻装魔法の話に戻る。


「物は試しだ。一度やってみよう」


というわけでクロネの頭に幻装魔法を施し、ネコミミのない普通の頭にする。


「嘘……すごい……ちゃんと隠れてる……」


リティアが信じられないという顔でクロネの頭を凝視している。


クロネのネコミミは完璧に消え、その代わりに可愛らしい人間の耳が現れている。


「いくらレベルが上がっても、ここまで綺麗に隠せないはずなんだけど……」


リティアはあれあれ?っと首を捻っているが、おそらくリティアは間違っていない。


レベルが高くてもできないというのならそれ以外の要因があるということで——


俺はその要因に心当たりがあった。


加護 《ロリ整然》。


幼女の身だしなみを整える際に補正がかかるという謎の加護だが、きっとこれのおかげだろう。


「お兄ちゃん? どうなってるのですか?」


クロネが触って確認しようとするが、幻で見えなくなっているだけだから手触りは変わらない。


「リティア、鏡は無いのか?」

「ご、ごめん持ってないよ」


くそう、クロネに姿を見せてやりたいのに……。


あ、そう言えば鏡の代わりになるものが作れるじゃないか。


俺は薄い結界を張り、中に水を流し込み、片面を幻装魔法で黒く覆った。


これで色は分からないが姿は見えるはずだ。


「ほら、クロネ、この前に立って」

「え、この壁がどうかしたのですか?」

「ほら、クロネの姿が映ってるぞ」

「え? あ! 耳が耳なのです!」


クロネは即席の鏡に手をついて目をキラキラさせている。


「水魔法と幻装魔法にあんな使い方があったんだ」

「結界魔法も使っているぞ」

「へぇ〜、よく思いつくね」

「いや、ちょっとした雑学だろ」


ミズクとクララも即興の鏡に興味津々でクロネの後ろから覗き込んでいた。


「さあ、ミズクもやるからおいで」

「なの」


ミズクのミミミミ(ミミズクミミの略)も幻装魔法で隠し、二人の見た目は完全に人間のそれになった。


「そうだ二人とも首輪を外さないか?」

「え?」

「どうしてなの?」

「首輪を外せばどこでもみんなと仲良くできるだろう?」


実際には背中に奴隷紋があるのだが、世間的に奴隷だからと縮こまっている必要は無くなるのだ。


「そ、それじゃあ外して欲しいの」

「クロネはどうする?」


少し考え込むクロネ。


「まだ不安か?」

「ううん、違うんです。奴隷じゃないわたしってお兄ちゃんの何なのかなと思って」

「何って普通のクロネになるんじゃないか?」

「『お兄ちゃんの何か』がいいんです。繋がりがないのは不安です」


ああ、やっぱりまだ不安なんじゃないか。


「そうだ、お兄ちゃんの未来のお嫁さんって名乗ってもいいですか?」

「おおう……それはちょっと気が早くないか? それにあんまり繋がってなくないか?」


と言うか、いきなりそんな紹介したら俺が白い目で見られてしまう。


「じゃあ、お兄ちゃんの妹は……?」

「そうだな、それならいいぞ」

「やったっ!」


認めただけに過ぎないのに物凄く嬉しそうにするクロネ。


本当にかわいいなぁクロネは。


好かれているのが分かっているから、俺の方もますます彼女を好きになれる。


「明日が楽しみなのです」


それから一度外に出てクロネたちの身体を洗い、ツリーハウスに戻る。


結界魔法でマットレスを作ると例の場所取りジャンケンが始まった。


そしてあろうことか最初のジャンケンでリティアが一人勝ちし、


「やった、特等席はもらったよ!」


女の子らしさが出てきたくらいの身体が俺に覆いかぶさることになった。


しかし、YESロリータNOタッチの戒律を固く守ることを誓っている俺は事故は起こさない。


で、最後まで負けたのはクロネだった。


「こ、こうなったらわたしもお兄ちゃんの枕になるのです……」


ま、ジャンケンだから仕方ない。


「へ、ヘンタイだ〜」

「お兄ちゃんは変態じゃないです(ないの)(ないよ)!」


リティアのからかいに俺が言わずとも三人が即座に反抗したり、それをリティアが笑った揺れがもろに伝わってきたり。


その夜は、そんな感じで更けていった。

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