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職業(ジョブ)がロリコンでした。  作者: とおか
六章「王都フォトーシス」
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第123話「ノリのいい従者」

1話と2話を加筆修正しました。内容としては、

・女神に魔法の詠唱を教えてもらう。

・魔法行使時魔力の動きがが知覚できた。

の二点になります。

「それではしばらくこの部屋でおくつろぎになってください」


従者の男は、ハヤトたちを待合室に通すと主人に話をするため部屋を出て行った。


待合室には、高そうな一人用ソファが四脚と机が一脚置かれていた。


ハヤトはその一つに座り、ククラもその隣に座る。


クロネとミズクは立ったままだが仕方がない。


こういうことがあるから奴隷から解放したいんだが奴隷であるほうが獣人差別に会うこともないし、クロネは俺の奴隷でいたいと言っているんだよな。


だが、それを言っていたのは二ヶ月以上前だし、今は変わっているかもしれないな。


宿に戻ったら聞いてみよう。


間もなくして女の従者が茶を運んできた。


机の上に置かれたカップは二人分だけ。クロネとミズクの分はない。


「こちらはラベンダーのハーブティーです」


そう言ってカップに注がれたのは青いお茶。


「いい色だな」


「ええ、面白いものが好きな主人(あるじ)が愛好しているお茶の一つです。他にも色が変わるお茶なんてのもありますよ。興奮作用があるので出せませんが」


ああ、ただでさえ野蛮とみられる冒険者に興奮させるようなものを飲ませるわけにはいかないもんな。


対してラベンダーには鎮静効果があったはずだ。


「砂糖はご自由にお使いください。余ったものは持って帰ってくださって構いません」


ほう、さすが貴族、太っ腹だな。


塩、砂糖、香辛料はどれも高価だが、砂糖はそもそも市場に滅多に出ないのだ。


どれくらいの量を入れればクロネたちが美味しく飲めるだろうかと考えていると、ふと小説のある展開思い出した。


飲み物に毒が仕込まれているというあれだ。


「すまないが、飲んでみてくれないか」

「毒味ですか。分かりました」


従者は別のカップにラベンダーティーを注ぐと躊躇うことなく飲んで見せた。


「うっ!」


従者は突然うめき声をあげると地面に膝をついた。


「お、おい!」


俺が慌てて立ち上がると、


「なんちゃって。大丈夫ですよ」


澄まし顔で立ち上がった。


「主人に受けがいいネタなんですけどどうですか?」

「焦るからやめてくれ」

「焦ってもらえたなら成功ですね」


彼女はそう言って笑ってみせる。


ほんと、貴族の従者ってこんなのでいいのだろうか。


気を取り直して砂糖を入れつつ味を確認していく。


「ククラ、甘さはこれくらいでいいか?」

「んー」


カップを渡そうとするとククラは手を後ろに回して口を突き出した。


「飲ませろと? わかりましたご主人様(マスター)


ハヤトはそう言って恭しくククラの口にカップをつけた。


「もうちょっと甘い方がいいー」

「そうかそうか」


「なんですかこの関係」

「ん? 偶人(ドール)とその操者(マスター)だが?」

「普通逆でしょう!」


おお、いいツッコミ。


「驚いたか?」


いたずらな笑みを浮かべながらそう言ってやると、


「ああ、そういうことですか。二人ともなかなかやりますね」


従者は楽しそうに笑う。


その時、待合室の扉が開いた。


「おう、お主ら楽しそうじゃな。ワシも混ぜておくれ」


呼ばれるものだと思っていたら、意外にもこの家の主人が待合室に現れた。

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