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職業(ジョブ)がロリコンでした。  作者: とおか
六章「王都フォトーシス」
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第115話「金の鍵」

パズルの話をしている時のリティアの顔は本当に楽しそうだった。


好きなパズルや苦手なパズルを聞かれ、あれこれ答えたりしているうちに二時間経っていた。


ほんと、人と喋っている時って時間が経つの早いよな。


それにみんながみんなパズルを解きながら話しているから、会話が止まっても退屈しない。


リティアは即席で低い難易度のパズルを作ってくれるのでククラたちも「解ける!」と大喜びだった。


そんな時クロネたちのお腹が鳴った。


「はうぅ……」


恥ずかしそうにお腹を抑えるクロネが可愛い。


もうそんな時間か……


「そろそろ戻らないとな」

「え? ハヤト帰っちゃうの?」

「ああ、クロネたちもお腹を空かせているしな」

「じゃあ、ここで食べていってよ」


なかなか魅力的な提案だった。

しかしミズクが承諾しようとする俺にストップをかけた。


「ハヤトにぃ、ダメなの。妖精に出された物を食べると帰れなくなるの」


ああ、前世でも伝承にそういうのがあったな。


「だ、だだ大丈夫! そういうのとは違うから!」


リティアが明らさまに狼狽えていた。

まさか俺たちを返さない気だったのか?


それは断るしかないな


「気持ちは嬉しいが、帰れないのは困るから遠慮しておくよ」


さて、帰ろうと立ち上がると慌ててリティアが腕を掴んで引き留めた。


「返さない! ここで返したらハヤトたちもう来なくなる!」


リティアは、いやいやと首を振った。


「こんなに人とパズルの話をしたのは初めてなの!」


どうやらリティアの中で、俺たちは一緒に居たい存在になっているようだ。


だが、ルーでもしないのにこんな風に駄々をこねるなんて見た目より精神年齢が低いのだろうか。


うん、イイね。


「心配しなくてもまた来るぞ」


「ほんと? 毎日来てくれる?」


「いや、毎日は無理だな。この街を出たら会えなくなるな……」


悲しませてしまうと分かっていても正直に話した。


すると意外にも、リティアは安堵の表情を浮かべた。


「じゃあいつでも会える魔法道具をあげる!」


そういうと、リティアは金製の鍵をどこからともなく取り出した。


「これでドアを開けるといつでもどこでもこの場所に来られるから、毎日来て!」


なんかすごいアイテムを渡されたんだが。


リティアから渡された金の鍵は、とても美しい細工がなされていた。


不思議と人の手によるものではないと分かってしまうほどの繊細な細工だ。


「それと、この空間にも魔法陣を用意しておくね!」


リティアに見送られ地上に戻る。


地上はすでに日が暮れかけていて、ハヤトたちは急いで宿に戻った。


早速踏破ボーナスのビルディングパズルを解き杭のアミュレットを取り出すと、別空間の小部屋を開いて、宿に置いておいたクロネたちの服を仕舞った。


「今日は楽しかったのです♪」

「そうだな、明日は久しぶりに冒険は休みにして、リティアのところで遊ばせてもらおう」

「あそこの芝生、気持ち良さそうだったの」

「昼寝するのもいいかもな」

「明日の昼寝ではククラが勝つのー」


珍しく場所取りジャンケンで負けてハヤトの隣で寝ているククラが息巻いていた。


ちなみに特等席――と彼女たちが読んでいるハヤトの上――にはクロネがいる。


「♪」


クロネは上機嫌だった。


しかし夏も近づいているのかそろそろ密着して寝るのも暑く感じるようになってきている。


実際、朝起きると微かに汗の匂いがするようになってきていた。


そういう意味でもネグリジェを買ったのは正解だったなとハヤトは一人言い訳をしていたのは余談である。


朝にも身体を洗うようになったことを心中で喜んでいたことも余談である。

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