第101話「遊ぼう!」
遅れてすいません!
昨晩は緊急メンテでしたね〜
翌朝、幼女達が起きると、一緒にラジオ体操をして朝ごはんを作る。
もちろんムシュラウルフの肉を焼いているのだ。
ただ、昨日は匂いが外に出ないように張っていた大きな結界を、今回は張っていない。
一応人魔大全を確認してみたが、ムシュラ茸を焼く時の注意は書いてあっても、ムシュラウルフの肉を焼く時のことは何も書いていなかったから軽く実験しているのだ。
ちなみに焼くのはクロネだ。
手伝いたいと申し出てくれたからやってもらっている。
ククラとミズクもやると言ってくれたが、焼く肉の番をするくらい一人で十分だ。
だから今回は諦めてもらった。
俺は、することがなくなってしまったから、結界魔法で机と椅子を作り、ミズクの観察でもしようと思う。
昨日から憂いを帯びたような表情をしているのだ。
可愛さの中に美しさを見出せるミズクが、より一層魅力的になっている。
ずっと見ていたいような気もするけど、何か悩みがあるなら解決してやらないとな。
昨日はドタバタのせいで聞くに聞けなかったから、今聞いてみよう。
「ミズク、昨日から元気ないぞ? 俺がこの姿になった時くらいから……もしかして、早く元に戻って欲しいのか?」
「うん……お兄ちゃんなハヤトにぃがいいの」
「そうか……」
それで昨日は甘えてこなかったのか。
「今のハヤちゃんも可愛いけど、かっこいいハヤトにぃの方が好きなの」
可愛い、ね……自分で自分の顔を見られないから、ロリになった俺の姿は分からないが、ミズクがそう言うならそうなのだろう。
だが、あいにく俺は、幼女のままでいる気は無い。
俺の信条がそれを許さないのだ。
中身が男の幼女なんて、微妙すぎる!
それならまだ普通の女性の方がマシな気がする。
やっぱり幼女の中身は幼女でないと。
ただ、クロネ達と並んで遊ぶのも楽しいだろうなと思って一時的に許容しているに過ぎない。
「戻る方法は分かっているから、それまで我慢していてくれるか?」
「戻れるの?」
「ああ、目処はついているんだ。今日中に戻ることだってできる」
多分レベル22になったら戻るだろう。
俺がすぐ戻れるということを知って、ミズクは笑顔になった。
「なーんだ、ちゅうはいらないんだー」
ククラ、それは違う。違わないけど違う。
まあ、この件は深入りすると変態になってしまうからスルーだ。
「他にも悩みがあったら言えよ? 俺にできることはなんでもするからな」
「うん、ありがとうなの、ハヤトちゃん」
「……」
締まらないなぁ……。
◇◇◇
その後、朝ごはんを食べたが、結局、ムシュラウルフは集まって来なかった。
そして考えた末、今日一日だけこの姿で過ごすことにした。
貴重な体験であることは違いないからな。
依頼の期限も明日までだし、余裕はある。
それよりクロネたちの俺に対する態度がいつもと違う。
甘えてこないのだ。
まあ、幼女に甘えるっていうのもおかしいから当然か。
ちょっと寂しいからやっぱり午後にはレベルアップしようかな。
「まあ、とにかくいっぱい遊ぼうか!」
「じゃあ跳ねるやつやろ!」
よし、まずはククラとの約束通りトランポリンだな。
弾力のある障壁を地面に作ってやると、ククラがぴょんと飛び乗って遊び始めた。
「きゃはははっ! 楽しいー♪」
落ちる際、ククラのスカートがめくれ、パンツが丸見えになるのは眼福だった。
小さい子供って見えていても隠さないからな。
もちろんクロネとミズクも後から跳んだ。
七歳のミズクは、さすがに隠していたが、跳ねる幼女と言うだけでも十分に目の癒しになる。
凄く癒される時間だった。
一応俺も跳んだ。
ワンピースでやることじゃないというのがわかった。
その後障壁で色んな遊具を作る。
ブランコやシーソーは無理だが、動かない遊具ならなんだって作れた。
中でも滑り台はククラがとても気に入ったようだったし、クロネはうんていや登り棒が気に入っていた。
クロネ、登るの好きだよな。
ミズクは、ジャングルジムの上に座って黄昏ていた。
文字どおり三者三様だが、とても楽しそうにしていた。
もちろん俺も見ているだけではなく一緒に遊んだ。
お昼の間食を挟んでから作ったのは、アスレチックだ。
森の中も使って木々の合間に空中の足場を用意してそこを駆け回る。
これは幼女たちも大喜びで、空中の円筒の空中回廊とか、平均台のような細い足場とかを駆け回っている。
クロネたちから要望があればすぐに足場を作ることもできる。
それがますます彼女たちを喜ばせた。
結界魔法……幼女たちを喜ばせるためにあるような魔法だな。
怪我しないように少し弾性をもたせているし、怪我をしてもヒールがある。
俺も童心に帰って思いつくまま立体交差などを作って走っていると、クロネが俺を呼んだ。
「ハヤちゃーん!」
三人とも興奮しすぎて全く遠慮が無くなっている。
俺の姿が違うのもあってほぼ対等に接してくれるのだ。
「なんだ?」
見上げると、クロネが真上で四つん這いになって手を振っていた。
パンツに目がいってしまうのは、もう仕方がないよな。
幸いここには呼ばれるお巡りさんもいないし。
「バウバウグルルル……——キャウン⁉︎」
ムシュラウルフはやってきてもすぐ倒れるしな。
遊んでいると時間が経つのが早いもので、結局、その日は遊び倒した。
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