第99話「お洋服」
遅れてすいません!
文化祭や体育祭の期間で少し時間が取れるので今日からしばらくは毎日更新にしたいと思います。
あ……ありのまま今起こったことを話すぜ!
「俺は、レベルアップしたと思ったら、いつの間にかロリになっていた」
な……何を言っているのかわからねーと思うが、俺も何が起きたのかわからなかった……
だが、一つわかることがある。
俺の《ロリコン》のレベルが21ということだ……。
俺も二十一歳になったときは、「おおロリだ、ロリだ」と喜んだものだ。
だが、この場合はなんか違うだろう!
括弧は付いていないし、表記されている文字もアラビア数字じゃないし、そもそもこの世界にロリという言葉はない!
さすがバグで生じたジョブだけあるな、めちゃくちゃだ。
「はぁ~」
ロリコンという職業についてよくわからなくなっていると、ククラがよしよしと背中を撫でてくれる。
「それにしても服をどうしようか」
先ほどから俺は、ずっとズボンを引っ張り上げた状態だ。
何をするにしてもこのままでは不便だ。
「じゃあ、わたしの服を使ってください」
クロネから提案があった。
「いや、それは抵抗があるな」
「わたしが着た服だからですか?」
「まあ、そうだな」
それもあるし、やっぱり男物がいいよな。
俺は変態じゃないから、女児の服を着るのには抵抗がある。
「ごめんなさい……」
クロネの顔が暗くなった。
「なんで謝る?」
「ご主人様が奴隷のお古を使うなんて、とんでもない提案をしたから……」
「いや、そういうわけじゃない。ただ女の子の服を着るのに抵抗があるんだよ」
「え、でもハヤトお兄ちゃん今女の子ですよね?」
それはそうだが……
「クロネは、俺がクロネの服を着ても嫌じゃないのか?」
「もちろんです! というか、お兄ちゃんの服ですよ?」
まあ、世間一般に言えば、奴隷の服は主人のものだしな……。
それでも越えてはいけない一線のような気がするのだが……
渋っているとクロネがどんどんと俯いていく。
「わ、分かった、クロネの服を借りることにするよ」
「分かりました! じゃあちょっと待ってくださいね!」
そして服の裾に手を掛け脱ごうとする。
「おい、クロネ、脱がなくていい! 鞄の中に変えの服があるから!」
「あ、はい」
それからクロネの使っていた奴隷商の服を着ようとすると、今度はクロネが慌てて止めてくる。
「あ、お兄ちゃん! 奴隷の時のはダメですよ!」
「いや、他のはどれもクロネが着るだろ」
「そんなの気にしなくていいですよ。あ、じゃあこれを着てください」
そう言ってクロネが選んで服を渡してきた。
ワンピースじゃないか。
及び腰になっていると、ワンピースの上にまた布が追加された。
「おい、これ……」
「? 下着ですよ?」
「いや、それは分かるが……(いいのか?)」
俺は自分自身に尋ねる。
このままでは危ない一線を超えそうなんだが……
クロネたちの下着は、俺が水魔法で洗っているから触れること自体は初めてではないが、履くとなると次元が違う。
俺は幼女の下着姿に興奮はしても、幼女の下着に興奮するような変態ではない。(ん?)
だが、クロネがさも当然のような顔をしているから、変に意識していること自体が変態のように思えてきた。
もう、恥を捨てよう。
……それにしてもワンピースなんて着たのは初めてだが、凄く変な感じがするな。
少し動くと裾の先の動きが胸元に伝わってきて違和感がすごい。
まあ、おそらくレベル22までの辛抱だから、それまでの我慢だ。
クロネを見ると、凄く目をキラキラさせて俺を見ていた。
ククラたちとはいうと、こちらは頷いていた。
「ハヤトにぃとクロネ、やっぱりよく似てるの」
「今は妹兄と言うより姉妹だね~」
そう言われてクロネはますます嬉しそうになる。
「どっちが姉だ?」
「うーん、さっきの感じだとクロネの方かな~」
まあ、俺は及び腰だったからな。
クロネを振り返ると、俺の頭に手を伸ばそうとして引っ込めているのを見てしまった。
「クロネ? 今何をしようと?」
「ご、ごめんなさい! 撫でてみたくって」
「いや、別にいいぞ。クロネのしたいことをすればいい」
「じゃ、じゃあ……」
クロネの小さな手が俺の頭を撫でた。
「ククラもするー」
そこでククラが乱入してきて、俺の頭を掻き回した。
そのぐしゃぐしゃになった髪は、クロネが直してくれた。
頭を梳いてもらう感覚は、思ったよりも気持ちよかった。
道理でクロネたちは、梳き終えると名残惜しそうにするのか……
ちなみに俺の髪は、肩にかかるくらいまであった。
その髪をブラシで梳くクロネの表情はとても楽しそうだった、らしい。
そして俺は、幼女の髪の毛を梳く幼女の図を外から見られなかったのがすこし残念だった。
三人とも俺に髪を梳いて欲しがっているからお互いに梳くということがない。
そのうち見られるようになるのだろうか……
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