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職業(ジョブ)がロリコンでした。  作者: とおか
五章「サムーラトの村」
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第96話「ムシュラ」

ククラたちと戯れていて随分と遅くなってしまったが、ギルドに依頼を見に向かう。


採取依頼も、討伐依頼も、どちらも見覚えのない名前が多く、非常に退屈しない。


そんな中に気になる依頼があった。


――――――――――――――――――

きのこの里

依頼者:とある商人

内容:ムシュラの討伐、ムシュラ茸60本の納品

報酬:3000エソ

備考:キウノルコフ森林、春の第二月19日まで

――――――――――――――――――


うーんちょっと危ない見出しだな。


おかげで目は引いたが、なぜ内容に討伐ときのこの納品が一緒になっているんだ?


「ククラ、ムシュラってどんな魔物か知ってるか?」


「ムシュラウルフのことだよ! 背中にきのこが生えている狼で、中級の魔物らしいよ!」


なるほど、それなら納得はいくな。


「さすが、ククラは博識だな」


「えへへ~」


撫でて欲しそうにしているククラを撫で、同じ場所で行える依頼と一緒にその依頼を受けた。


討伐証明部位は、鋭い犬歯らしい。


期限が書かれているが、食料系の依頼は大抵期限が付いていて、すぐに痛んだりしないためかいつもより期限が長い。


それにしても○○コフってロシア人みたいな名前だなぁ。


まあ、だからと言って特に思うことがあるわけではないが。


そして、村の北側に広がるキウノルコフ森林にやってきた。


広葉樹と針葉樹からなる混成林で、少し薄暗い。


「マスターなら、中級の魔物もきっとズバッと倒すよ!」

「お兄ちゃんなら出来そうです!」

「なの」


ほぼ普段と変わらない服を着ている幼女三人がそんなことを言い合っている。


ここは魔物が出る結構危ない森の中だが、緊張感はあまり無い。


アサートのランクが2以下の彼女たちに中級の魔物を相手にする力は無いが、それだけ俺を信用してくれているということだ。


俺も特に不安は無い。


護衛の道中で、中級の魔物であるケルピーを相手に何度か戦ったからだ。


さすがに一撃ではなかったが、まったくと言って苦戦しなかった。


ムシュラウルフは群れで行動することはないようだし、危ない時は結界魔法で守ることができるから幼女たちには好きな格好をさせている。


ロングナイフを構えながら魔物の気配のするところまで行くと、毛が長い狼がいた。


こいつがムシュラウルフだろうか。


こちらを見つけるとすぐに飛びかかってきたから、空中のそいつに圧縮した水球をぶち当てる。


「ぎゃうん!」


ムシュラウルフは吹き飛ばされて地面に倒れたが、すぐに起き上がって俺に向かって唸り始めた。


しかしまたすぐに飛びかかってきた。


余裕を持って躱し、その背後を斬りつけてやるとムシュラウルフは絶命した。


うん、全然苦戦しないな。


「お兄ちゃんすごいです!」

「マスター! マスター!」

「さすがなの」


幼女たちからは黄色い声が上がる。


しかし、


「やべ、キノコって背中に生えてるんだよな」


慌ててムシュラウルフの背中の毛を掻き分けると、傘の丸い薄茶色のキノコが生えていた。


少し気持ちが悪い。


案の定八つほどダメになっていたが、四つのムシュラ茸を取ることができた。


次からは背中に攻撃しないようにしないといけないな。


その後、特に苦労することなく依頼に必要な数を集めた。


六匹倒しただけだが、一匹に結構生えているもんなんだな。


そしてククラのレベルが14から16に上がっていた。


やっぱりレベルが低いと上がりやすいようだ。


途中、ククラの要望でまりょくを吸わせてやると、不味いと言って気持ち悪い後味に悶えていた。


口直しに俺の魔力が吸われたのは言うまでもない。


そういえば、幾つか余剰のムシュラ茸が出たけど、焼いて食べたりできるんだろうか。


「ククラ、ムシュラ茸って食られるのか?」


魔物のことだし人魔大全に何か記述があるはずだ。


ホーンデットマンションから持ってきた人魔大全を持ち歩いてはいるが、尋ねるとククラが喜ぶから自分で調べることはしない。


「うん! 焼いて食べると美味しいって書いてあったよ!」


ほう、塩胡椒も持っているし食べてみよう。


さっさと準備をしてミニ鉄板でムシュラ茸を焼き始める。


確かにかなり香ばしい匂いがしてきた。


「あれー? 何か忘れてるような~」


「思い出したら教えてくれ」


そして、キノコなのにもかかわらず油脂が出てきているムシュラ茸の両面を程よく焼きながら全員分焼いた。

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