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職業(ジョブ)がロリコンでした。  作者: とおか
五章「サムーラトの村」
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第94話「サムーラト」

一回目の休憩の後、魔物に遭遇することは何度かあったがそれは元々の想定のうちで、移動は順調に進み、ほぼ予定通りの時間にサムーラトに着いた。


石レンガばかりのセメカインストとは打って変って、木造建築の家が一般的だった。


周囲が森に囲まれているから材料が豊富なのだろう。


家の壁の色が濃い茶色で、暗いとも落ち着いているとも取れる町だ。


「今回の護衛では本当に助かりました。ありがとうございます」

「「ありがとうございます」」


別れる時になって、ホークさん一家が改まって深いお辞儀をしてきた。


商人ギルドの情報から、盗賊が出ないと思って護衛を俺たちだけにしたらしく、俺がいなければおそらく命は終わっていたと考えているようだ。


俺自身護衛事情をよく知らないから、護衛の人数なんて気にしていなかった。


今度護衛をするときは注意しておくことにしよう。


「ハヤトさん、今日は何処に泊まるの?」


商業ギルドで荷物を下ろすのを手伝っていると、運べる荷物のなくなったルーが駆け寄ってきた。


「うーん、まだ分からないな。着いたばかりでこの街のことを全然知らないから」


「あ、そうだよね。決まったら遊びに行っていい?」


うーん、いいと言ってやりたいが、馬車酔いのククラを休ませてやりたいしなぁ。


ヒールで治していたといっても体力は削られているし、他の二人も目に見える範囲で現れていないだけで慣れない馬車で疲れもたまっているはずだ。


そこへ、パドラさんからルーにお叱りの声がかかった。


「ハヤトさんだって冒険者のお仕事があるんだから、それくらいにしておきなさい」


「……はーい」


ルーは、渋々といった感じで引き下がった。


一緒に遊びたいと言ってくれている幼女と遊んであげられないのは悲しいな……。


まあ、一昔前の子供って一家の労働力の一つって言われていたくらいだから、あまり構い過ぎるのは、パドラさんたちに迷惑がかかるのか。


もうルーと遊ばないでください、と言われたら嫌だからほどほどにしておこう。


でも、何もないのはちょっと寂しいし……


ああそうだ。


「じゃあ、一週間、お母さんのお手伝いを頑張ったら、なんでも一つ言うことを聞いてあげよう」


「本当っ⁉︎」


「ああ。もちろん、ちゃんとやっていたかどうかは確認を取るからな?」


「うん! ハヤトさん約束だよ!」


表情は一気に明るくなり、小指を突き出してきた。


お、指切りか。


俺も小指を突き出すと、ルーは、別に逃げはしないというのに急いで指を絡ませる。


「ゆーびきーりげんまん、嘘ついたら夜道は背中に気をつけろ〜、指きった!」


物騒だな、おい!


夜には出歩かないようにしないと。


ま、約束を破る気はさらさらないんだけどな。


ホークさん一家と別れた後、ギルドに行って道中倒した魔物の討伐証明部位を渡し報酬を受け取った。


そして宿を紹介してもらい、ルーに場所を教えてからチェックインした。


その日の場所取りジャンケンは、初めにククラが「石」で一人勝ちし、次にミズクが「石」でクロネに勝った。


「お兄ちゃんとまた離れました……」


クロネは俯く。


「クロネ、また明日がある」


「はい……」


うーん、できることならなんとかしてあげたいが、ジャンケンばかりはどうしようもないな。


俺が口を出すのも違うし……


しかしクロネは、わがままを言わずに、ミズクの右側で眠った。

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