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職業(ジョブ)がロリコンでした。  作者: とおか
五章「サムーラトの村」
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第92話「商人の馬車」

五章が始まりました!


ただいま静岡に来ております。今後ジョブロリに温泉が出てきたら今日行く箱根の影響かもしれません。


せっかくの温泉幼精箱根ちゃんの聖地なので楽しんで来ます!

夜明けの十分前に集合場所である東門に行くと、ホークさんたちはすでに出発の準備を整えて待っていた。


馬車は大きな幌があるタイプで、残念ながら荷台から景色を楽しむことは出来なさそうだった。


まあ、商人の馬車だから物資の運搬目的に作られているのは仕方がない。


「おはようございます」


「おはよう」


「準備は出来ていますか?」


「ああ」


「では行きましょうか」


お互い準備が出来ているから出発するまでの待ち時間はほとんどない。


パドラさんの運転する後列の馬車に乗り込むと、ぐっすりと寝ているルーの姿があった。すぐに馬車は動き出した。


国境を通る際、看板に書いてある国名を確認したところ、どうやらいままでいた国はアクルニファというらしい。


去り際にようやく名前を知ったことになんとも言えない思いを抱いているとパドラさんから声がかかった。


「あ、ハヤトさん、ルーを起こしていただけますか」


軽く肩を揺すると、ルーはすぐに目を覚ました。


寝ぼけ眼で俺を捉えると、少し目を瞬かせた後、「ハヤトさんだ!」と嬉しそうな声を上げた。


「おはよう、ルー」


「おはようございます! ハヤトさん、それにククラちゃんも」


「おっはよー!」


「クロネとミズクもおはよー」


「⁉︎ お、おはようございます(なの)」


自分たちに挨拶されるとは思っていなかったクロネとミズクが少し詰まりながら息のあった返事を返した。


この世界では奴隷はいないように振る舞うのが基本なのだ。


「あのねー、お父さんがクロネとミズクも護ってくれる人だからちゃんと接しなさいって」


「おおー、偉いな、ルー」


ちなみに、打ち合わせの時にホークさんには四人のアサートスクリーンを見せている。


スキルとそのレベルは(いつわ)ることが出来るから当てにならないが、ランクはもろに自分の実力が出るからクロネたちの実力は示せる。


また、クロネの《弓術lv.3》は、重い金属の矢を撃てるという、嘘がすぐに分かるものだから信じて貰えた。


とまあ、それでクロネたちに最低限護衛する力はあると見なされたのだ。


クロネとミズクが誰かに認められるのは嬉しい。


「そういえばハヤトさん。ククラちゃんもクロネもミズクも、ものすごく髪の毛とか綺麗だけどどうして?」


嬉しいことを言ってくれるじゃないか。

ククラたちも少し照れている。


と、ククラがネタばらしをした。


「マスターに洗ってもらっているんだよ!」


「ハヤトさんに?」


「うん! 髪の毛も梳いてもらってるの!」


すると、ルーから懇願するような目を向けられた。


「ハヤトさん。私もやってもらいたいです」


「ぐっ、俺はいいが、勝手にやるのはまずいだろ」


するとルーは御者台の方に行きパドラさんに聞きに行った。


「おかーさーん、ハヤトさんに髪の毛梳いてもらっていいー?」


「迷惑になるからやめなさい」


「ハヤトさん、やってもいいってー」


「じゃあ好きになさい」


戻ってきたルーの顔は、にんまりとしていた。


嬉々として——じゃなくて、仕方なく、ルーの髪を聖水で濡らした布で拭いたりブラシで梳いたりした。


そんなこんなでしばらく馬車の中でわいわいしていると、


「マスター、なんだか胸のあたりが苦しい」


ククラが辛そうにしながら不調を申し出た。


「多分馬車酔いだな。しばらく横になって治らなかったら馬車を止めてもらおう」


「分かったー」


毛布を枕にしてククラを寝かせた。


治るか分からなかったが、頭と胸にヒールをかけてやると「治ったー」と言って起き上がろうとする。


「また酔うぞ。しばらくは寝ておけ」


「……はーい」


クロネたちにも寝かせておくように言って、俺は幕をくぐって御者台に出た。


「ハヤトさん、娘のわがままを聞いていただいてありがとうございます」


「いや、俺はやりたくなければしないから、気にしなくていい」


つまり、やりたいからやっているのだがな。


「それにしてもまだ若いのにランク3なんてすごいですね。何歳なんですか?」


「十五くらいだ」


「へぇ、意外ですね」


「童顔な自覚はある」


「いや、落ち着いた雰囲気から、十八歳は超えていると思っていましたよ」


まあ、前世では二十歳を過ぎているしな。


そのあと、一人で退屈しているであろうホークさんの馬車に移り、サムーラトの特産品はなんだとか、ルーがお転婆で困るだとか、いろんな話を聞きながらのんびりと馬車の旅を楽しんだ。


しかし、そんな平和な時間を乱すものが現れた。


「おい、そこの馬車、止まれ!」


「お頭、後ろの馬車には女がいますよ。結構な美人です」


「よし、なら取り敢えず女は生かしておけ」


盗賊だ。

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