クローバー
徒然なるままに、「なろう系ラノベ以外書いてみようぜ!」と作ったため、品質はお察しください
「こんにちはー」と声がして、帽子の少年が扉を開ける。この子は見知った息子の友達。
「やあ、上の階にいるよ」笑顔で彼はかけ上る。
冷蔵庫から缶ジュース。三本もって玄関に。
おりてくる二人に一本ずつ。「ありがとう」の声はすかすがしい。
ついでの一本は自分へと。ちびちびちびちび飲んでゆく。
靴を履く二人の会話。「今日はヨツバを探そうぜ」
「なにそれ」「なんか絵本にのってたよ!」
クローバーならあそこかな「野原公園に行ってごらん」
「行ってきます」「行ってらっしゃい」
残った分はイッキのみ。サイダーが喉に心地よい。
縁側に腰掛け居座って、茂らせた木々を眺める。
ノウゼンカズラに手を伸ばし、触れる直前にインターホン。
空きカンを自分に渡し、「バイバイ」と手を振る帽子の少年。
我が子が手にしているそれは四つ葉ではない「四つ葉は見つからなかった?」「あったけどキーくんにあげちゃった」「でもこれね」
代わりに黄色に染まったそれをみせてくる。
「これね、キーくんがくれたの」そうかいそれは最高だ。
「どこかに飾っておこうか」「このカンがいい!」「じゃあそうしようか」
ーー優しい日差しが降り落ちる、そこには黄色い草が差された空きカン。光のベールが包み込み、風がゆらりと揺らしている。
ああ、いい天気だ
数分の暇潰しにはなったでしょうか