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SFを書くなら、英語くらいは使えるようになりましょう

作者: 宮沢弘

 英語のドキュメントを読むことを厭わなければ、普通に目にするものより多くのドキュメントを読めます。「英語くらいは」というのはその程度の意味です。


 私は英語至上主義という人ではありません。小学校のころから英語の授業とか、馬鹿げていると考えています。それより情緒偏重の日本語教育をどうにかする方が先ですよね。まぁ外国語を勉強する際には、正直、チョムスキー系列のどれかを少し勉強してからの方が、習得はかなり容易になるだろうと考えています。でもそれ、小学校だとたぶん無理です。

 英文法で「なぜこう書くのか」といようなことを疑問に思った人もいると思います。だいたいその答えは、「英文法はそうなっている」というものだったのではないでしょうか。違うんですよね。英文法はそうなんだとしましょう。では、「なぜ英文法はそうなっているのか」を聞きたいのです。

 チョムスキー系の統語理論がそれを説明するわけではありません。ですが、地球上の言語においてありうるものの一種として、英語はこういう方法を選んでいるという程度には説明してくれます。まぁ英語を基本に展開されている話なので、地球上のではあっても全てを説明できるのかどうかはわかりませんが。でも、まぁかなり強力なのは確かです。


 正直なところ、日本語には古今東西のあらゆる著作が翻訳されていたり、誰かが解説していたりします。本屋で岩波文庫の棚を眺めるだけでこれはわかると思います。このような日本語の状況は、たぶんかなり変わった状況です。なので、外国語を使う技能はいらないと考えていたとしても、まぁそれはそうかなと思います。

 以前友人と話したことですが。プログラマは英語のドキュメントを読むくらいはするだろうという話になりました。まぁ新しい技術とか手法とかは英語でのドキュメントがやっぱり多いので。友人の答えは意外にもNOでした。友人自身は何カ国語が操りますけど。

 私は英語と、かろうじてどうにかスペイン語くらいです。それも辞書があれば程度です。スペイン語が入っているので、誇張しようと思えばかなり誇張できますが(笑)。そういえば、以前はスペイン語ではコンピュータのことを、「オルデナドール」と言っていたのに、いつの間にか「コンプタドール」になって、最近では「カルクラドール」(だったかな?)って呼ぶらしいです。へー、ですね。まぁ何となくそれぞれはわかりますけど。

 そう言えば、ハリー・ポッターに出てくる呪文はラテン語ベースだという話はネットでも見つかります。私はかろうじてどうにかスペイン語がほんの少しだけなら何とかならないわけでもないので、劇場で見た時、「帝国の西の端なのになぁ。やっぱりそうなんだなぁ。まぁ確かにケルト語じゃわかんないしなぁ」と思った覚えがあります。


 それはともかく。結局英語でのドキュメントが多いですよね。なら、英語くらいは読み書きできると便利です。聞くのは慣れだけです。話すのはですね、細かい話はどうでもいいです。昔、「大阪弁の英語」としか表現のしようのない英語を聞いたことがあります。ちゃんとそれで通じます。あるいは、kindle関係でカスタマー・センターに電話した(というか番号を入力したら向こうからかかってきた)ことがあります。見事にインドのどっかの訛りでした。ある人は「それでもあっちの人は自分が訛っているとは思っていないから困る」と言っていました。ですけど、それで世界中から受け付けるカスタマー・センターが成り立っているのです。発音がどうとか言う人がいますけど、この2つで立派に反証できるんじゃないかと思います。


 そうすると、ともかくまずは読み書きになります。これ、簡単です。あ、一応チョムスキー系の統語理論を説明した新書版の本を一冊くらい読んでおくといいかもしれません。で、英語の読み書きですが、1年あればだいたいどうにかなります。まず、大判(A4程度)で、300ページ程度ある本を用意します。それと辞書と文法書も。用意した大判の本を一日1ページでいいので読みましょう。ただし、手を抜かずに辞書と文法書を参照します。3ヶ月くらい経ったら、辞書と文法書を英々辞典と、英語で書かれた文法書も使いはじめます。慣れてきたら、英々辞典と英語で書かれた文法書をメインに使います。英語の辞書と文法書にはコウビルドのを、私はお勧めします。

 そうやって、1年かけて大判の本を読みきりましょう。はい。これであなたは英語を使えるようになっています。とっても簡単です。

 大判の本が用意できなければ、ともかくページ数が多いペーパーバックでも大丈夫です。その場合、一日1ページではなく、2ページとかにしないと1年で終わらないかもしれませんけど。

 これだけだと読むだけで、書く練習はいらないのかと思われるかもしれません。書く練習はいりません。300ページの本の中から、それっぽいのがたぶん見つかったり思い出したりできます。それをいじればだいたいどうにでもなります。


 リスニングについては、ハリウッド映画を字幕で観れば大丈夫です。基本的には聞いて、わからなければ字幕も見る。音声と、参考になる日本語があるわけですから簡単です。字幕は云々という話もありますが、案外そんなにひどいものではありません。慣れてくると、「え~?どうなんだろ?」というのもあることはありますが。まぁでも例えばモンティ・パイソンのDVDでも見てください。「翻訳とか字幕の中の人、スゲー」って思えるでしょう。


 たった1年で、と思われるかもしれません。例としてはちょっとアレかもしれませんけど。キリスト教の宣教師ってあちこちに行ってましたよね。そして言葉を身につけ、布教してきたわけです。外国語の習得なんてそんなもんです。もっとも、もしかしたらカトリックに伝わる「秘密の言語習得法」があるのかもしれませんが。


 一年後のあなたへ: ようこそ。英語のドキュメントの世界へ! ちゃんとしたドキュメントからトンデモ系まで、よりどりみどりです。

追記 2015-Apr-04:

本文の方をもっときちんと構成して書けばよかったなぁと思っております。


関連するエッセイをVeilchenさまが書かれていらっしゃいます。

「英語の小説を読もう!」という作品です。


英語はともかく読まないと何もはじまらないですし、はじめれば楽しいと思います。個人的な気持ちですが、Veilchenさまのエッセイは、「さぁ、英語を楽しもうよ!」というスタンスであり、私のこれは、「その前にちょっと面倒かもしれないけど」というスタンスなのかもしれません。ですが、「きっと楽しいよ!」という気持ちは、Veilchenさまも私も同じなのではないかと思っています。


こちらをお読みいただいたら、ぜひVeilchenさまのエッセイもご覧ください。


追記 2015-May-02:

勝手に紹介。

多雨さまのエッセイ、「英語読書をする時にどうしても辞書が手放せない方へ」(http://ncode.syosetu.com/n5795cq/)を紹介させていただきます。

仮に私のこのエッセイが戦略的なものと言えるのであれば、こちらのエッセイは戦術的なものと言えるかと思います。

多雨さまは一旦英語原書からは離れれている様子です。ですが、「一冊の英語の本が読みたかった──ただそれだけなのです」という、「ただそれだけ」によって原書を読まれていた様子です。

「ただそれだけ」という理由ほどに、強く純粋な動機を私は知りません。

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