人生の生き方
「鈴ちゃん大丈夫?」
「ああ…。大丈夫。」
ジェットコースターに乗った後、俺は気を失ったらしく、医務室に連れて行かれた。
まあ、今は状態も良くなり、外のベンチに座っているのだが。
「もう、鈴ちゃんいきなり気を失ったからびっくりしたよ〜。」
「…スマン。」
…もう嫌だ。気を失うのも恥ずかしいのに、よりによって優に見られるとは。
ったくついてねぇな…。絶対馬鹿にされるぞ。
「そういうところ、昔も今も変わってないね。」
「なんだと!?失礼な。」
「だって、小学生の時もジャングルジムが怖くて泣いてたじゃん。」
「うっ…、それは」
それは俺の黒歴史なのに、優は平然とペラペラと…!
「いいの!そういうのは心の中にしまっておくもんなんだよ。さあ!次は何に乗ろうか?」
それからしばらく、俺たちは遊園地をマンキツした…。
「はぁ〜…、楽しかったね。」
「そうだな。」
帰りのバス。俺たちはくたくたになっていた。
「というか、優って頑張り屋だよな。」
「な、なによ急に。」
「だって、成績優秀、部活だって上手くいってるんだろ?いいよなぁ、そんなに生活をマンキツしてて。」
そういうと、優はムッとしてこっちを見た。
「鈴ちゃん、私が楽して上手くいってると思ってる?」
「そうじゃないのか?」
「ちがうよ!あのね、考え方を変えるの。」
「考え方を変える?」
「そう、例えば鈴ちゃん部活嫌だって思ってるでしょ?」
「そ、それは…。」
「やっぱり図星なんだ。」
「うっ…。」
「そういう時は、こう考えるの。人生は一回きりなんだから、この一秒一秒が初めてなの。だから、その時を精一杯楽しまなきゃ損だって。」
「おぉ…。」
っていうか。
「それ絶対お前のお婆ちゃんの言葉だろ。」
「へへっ、ばれた?」
優は舌をぺろっとだした。
うん。優がそんな大人びたこというわけない。でも…
精一杯楽しむ…か。
俺もそんな風に考えたら人生変わるかな。
よし。明日から頑張ってみるか。




