お出かけ
8月20日、ようやく宿題が終わりかけたので、優と直樹と俺で出かけることになった。
え?宿題全然ヤバくねーじゃん!って思ったそこの君!間違ってるね。
俺には『部活』という試練があるわけで。
明日からなのですよ、部活が。
部活が始まると、今まで平和だった1日が地獄に変わりまして。
宿題もろくにできないのです。
それなら、部活辞めろよwとか思うじゃん?
それができないから困ってるんだわ。
俺、バスケの推薦で高校通ってるんだよね〜☆
しかも顧問怖ぇ〜し?
辞めるに辞めれねぇっていうやつ?
アハハハハ……
ペチンっ!
「痛っ!何すんだよ、テメェ…」
「何って、今日遊びに行くんでしょ?じゃあ、早くご飯くらい食べたら?」
「うるせぇな…妹のくせに」
俺はボソッと呟いた。
水瀬 心奈。俺の妹。
顔はそんなに悪くない。が、性格がブスだ。
例えば、俺が「リモコン取って」って言うと、
「それくらい自分で取れば?」と冷たい言葉で返してくる。
前に「何でそんなに冷たくするんだ」と聞いたことがある。
が、「な、何よ!バカっ!」と返された。全く酷いやつだ。
まあ、心奈の事はさておき、俺は出かける準備をした。
服装よし!髪型よし!財布よし!後は何かあるか…?
「お兄ちゃん!家の鍵忘れてる!」
「お!悪りぃ、ありがとよ」
「もう…!気をつけてよね!」
家を出ると、優が待ってた。
いつもと違う優に正直驚いた。優の私服を見るのはなん年ぶりだろう…。
か、可愛い…。
「あ、鈴ちゃん、おはよう」
「お、おはよう。可愛いね」
「そ、そう…?ありがとう…」
今は9時25分。約束の時間は30分だ。まあ、集合場所が俺ん家だから遅れてもへーきだけど。
9時40分。遅い。
「ったくアイツ何やってんだよ…」
「どうしたのかな?」
「わかんねぇ…」
ピロリン
あ、LIMEの音だ。
『ごめん!今日風邪ひちまって☆悪いけど、二人で楽しんできてくれ!』
え?嘘だろ?えええええええ




