昔
優と、直樹と宿題を始めてから、二時間。
ようやく半分が終わった。
「なあ、そろそろ休憩しないか?」
「休憩って、直樹、ちゃんとやってんのか?」
「やってるわ!あともうちょっとで半分終わるわ!」
「まあまあ、もう十分長くやってるし、休憩してもいいんじゃない?ね、鈴ちゃん?」
「まあ、優が言うなら…。」
というわけで、休憩タイム!わーい!
俺はキッチンに行き、そこらへんにあるお菓子を手に取り、バリッと開けて、お皿にばらまき、部屋に持ってった。
「そういえば、こうやって三人でするのって久しぶりじゃない?」
「確かに。こうして喋んのも久しぶりだよな。」
「みんな部活とかで忙しかったもんな〜。」
確かに。俺と直樹はバスケ部だけど、優は吹奏楽部だから、あまりしゃべる機会がなかった。
というか、俺は知らないうちに、優に気を使うようになっていた。
「だからわたし、今とっても嬉しいんだ。」
「じゃあ、今度からわからないことがあったら、みんなで集まらないか?」
「なんだそれ。」
「さっきは嫌がるかな?とか思ったけど、樋代ちゃんはそうでもないみたいだし、これからやろうよ、もちろん鈴ん家で!」
…ん?
「いいね!賛成!」
ええええええ!
「ちょっと待て。なんで俺ん家なんだ?」
「そりゃあ、みんなの家から近いし?」
「お前が言い出したんだから、お前の家でやればいいじゃねぇか!」
「…。」
「なんだよ…」
「ふーん…。じゃあ、鈴はやりたくないんだ?」
「ちょ、ちが…直樹、誰もそこまで言ってないだろ?!」
「鈴ちゃんやりたくないの?」
「うっ…。」
優のうるうるな視線。
「…わーったよ!ここでやればいいんだろ!」
俺がそういうと、イエーイからのハイタッチ。
…ハメやがったな!こいつら!




