生命の光
朝が過ぎて、昼の半分ぐらいが終わったころ。
「なんで・・・・・・」
わたしはまだ、”枯れない花”を見つけられないでいた。
太陽が沈み始めて夜が近づいてくる。それまでに”枯れない花”を探し出さなければ。
七日間のうちでなければ、その花は見つけることができない。そしてその花は、何百年に一度しか咲くことができないのだ。
「早く・・・見つけなくては・・・・・・」
辺りが暗くなっていくにつれて、不安はどんどん大きくなってくる。手当たり次第にすれ違っていく人に訊ねていく。そして、意味のない返事が返ってくる度に、苛立ちがどんどん増していった。
「あぁもう!クソ!!」
どうしようもない怒りを壁にぶつける。痛む足などを気にせずに、今さっき蹴った壁に背中を預けてしゃがみこむ。
わたしには、やっぱり無理だったのか・・・・・・。
ふと浮かんだそんな気持ち。それを否定する言葉がまったく出てこない。
とうとう真っ暗になってしまった。遠く離れた星が、弱々しく辺りを照らしている。群れからはぐれた一匹の狼が、夜空に向かって遠吠えをしているのが、わたしには全然聞こえていなかった。
光の無い、真っ暗な闇の世界に突き落とされた気分だった。希望の光が全て消されてしまった。わたしの旅の意味は、何も無かった。
俯いて、流れる涙を隠していると、
「・・・・・・!!」
辺りが急に、明るくなった。
驚いて顔を上げると、目の前で大きな光が墜ちていくのが見えた。
「な・・・んだ・・・・・?」
光が墜ちるなんていう初めて見る光景に、呆然としていたが、自然と足が前へと歩み出す。
一歩、また一歩。
そして、走り出す。
あの光が、”枯れない花”と関係があるかなんてわからない。もしかしたら、全く繋がりがないのかもしれない。
けれど、その光を信じていけば、きっと何か見つかると、そう思った。
希望の光が、見えたと思ったのだ。
そして、小さな丘のてっぺんに、光は墜ちた。
わたしも後を追ってそこに辿り着く。
目も眩むほどの眩しさの中、わたしが見たものは・・・・・・
―――天使かと思った。
それとも、神様だこの世に忘れてきた、大切な宝物かと、思った。
それほどにそれは美しくて、それ以上にとても、儚く見えた。
最後の光が世界を照らすとき、少年の待っていた人が、息を切らしながらこの丘に辿り着いた。
そのことを確かめるように、 少年はゆっくりと振り返って言う。
「生命の光が、墜ちた」
少女の姿を確認した少年は、弱々しく笑う。
その手に、永遠の花を持って。
枯れない花を、咲かせよう
キミとボクとの約束の地に
キミとボクとが笑えれように




