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読書してチート目指します。~本でスキルゲット!?チートですがなにか?~  作者: 本道 優守


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第1章 22「会社員が辞めない理由~準備だけで勝つ男~」

全面的に自己責任でお願いします。


第22話「水面下で加速するもの」


引っ越しから、しばらく。


生活は、驚くほど静かだった。


仕事は通常運転。

新しい住環境にも、もう慣れた。


だが――

数字だけが、少しずつズレ始めている。


◆◆◆


副業。


自作したECサイトの管理画面を眺めながら、優守は小さく息を吐いた。


(……思ったより、動いてるな)


売上は、爆発的ではない。

だが、伸び方が素直すぎる。


アクセス数。

滞在時間。

リピート率。


どれもが、想定より一段階上だ。


派手な広告は打っていない。

SNSで煽ってもいない。


「……ちゃんと、仕事をしてくれてる証拠か」


売っているのは、

この世界に存在していても不自然ではない物だけ。


服。

雑貨。

工芸品“風”。


しかし、それらはすべて、異世界で手作業で作られている。


少し割高。

数量も限定的。

購入制限もかけている。


それでも――

“掴んだ客が、離れない”。


(……いい前兆だな。売り上げは今、月10万になるように量を制限してる)


◆◆◆


一方、異世界側。


優守が日常を送っている間にも、

向こうでは注文が処理され、

合意が交わされ、

商いが完了していく。


彼がやるのは、

アイテムボックス内に商品を貯める対応だけ。


依頼は、あくまで「お願い」。


《可能であれば》

《次の機会に》


そんな文面ばかりだ。


量が揃わなくても問題はない。

なぜなら――


(……単価が、そもそも高い)


少量。

高品質。

安定。


それが、異世界側にとっての“最優”だ。


◆◆◆


そして、ついに来た。


《――独占的な供給契約について、ご相談が》


優守は、その文面を見て、すぐに首を横に振った。


一つの世界に縛られれば、

流れが変わったときに逃げ場がなくなる。


数多の世界に売るからこそ、高値がつく。


彼は、丁寧に断りを入れた。


《これまで通り、サイトを通した取引で》


それで十分だ。


相手も、深追いはしてこない。

彼らは理解しているからだ。


◆◆◆


――スキル通販。


それは、一つの世界と繋がる能力ではない。


星の数ほど存在する異世界。

その中で、この能力を持つ者は、ほんの一握り。


そして、能力者同士は皆、商売人だ。


仕入れ先を明かさない。

取引先を漏らさない。

能力の詳細を語らない。


(……黙ってるのが、一番儲かる)


それは、共通認識だった。


だからこそ、

彼らはそれぞれの世界で莫大な富を築いている。


◆◆◆


優守は、次の一手を考えていた。


(……翻訳、やるか)


ココナラ。

個人のスキルを売り買いできる、有名なサイトだ。


顔出し不要。

実名不要。

実績が積み上がる。

仕事の種類も多い。


《スキル:言語理解 Lv10》


読める。

話せる。

聞き取れる。


ネイティブどころではない。

“区別がつかない”レベルだ。


やるなら、社会的信用も用意しておく。

なくてもできるが、プロフィールは資格で固める。


取る資格は――


全国通訳案内士。

国家試験だ。


英語。

フランス語。

スペイン語。

ドイツ語。

中国語(簡体・繁体)。

イタリア語。

ポルトガル語。

ロシア語。

韓国語。

タイ語。


すべて取る。


外国人相手のツアーガイドができる資格だ。


(国家試験だし、客寄せ資格だな。まあ、俺はガイドするつもりないが)


日商ビジネス英語検定。

これは公的試験。


民間資格は最低限。

一言語につき一つだけ取る。

民間試験は、同じ言語で数が多すぎるからだ。


英語、中国語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、

イタリア語、ロシア語、アラビア語、朝鮮語、

ベトナム語、ポルトガル語、オランダ語、

カタルーニャ語、インドネシア語、ギリシャ語、

スウェーデン語、タイ語、シンハラ語。


(……揃えすぎか?)


だが、資格は「説明」になる。


能力の正体を隠すための、最高のカバーだ。


こちらで月9万にすれば、副業収入は19万。

開業しなくていい。


今のところは、それでいい。


◆◆◆


優守は、静かにPCを閉じた。


現実の副業は、伸び始めている。

異世界の取引は、盤石。

生活基盤も、揺るがない。


「……まだ、表に出る段階じゃないな」


水面下で、確実に。


歯車は、もう回り始めていた。




読み終わってのクレームは、お止めください。

自己責任です。

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