表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/27

第24話 影王直撃 ― 王都決戦前夜

 王都は静まり返っていた。

 空には朝焼けが差し込み、

 人々は戦いの余韻を感じながらも、

 平穏を願って息を潜めていた。


 しかし――

 その平穏は、もろく崩れようとしていた。


 



 王城・玉座の間。

 ラグナは机の上に広げた地図を睨む。


「影王が直接動く。

 王都への侵攻は避けられない」


「直接……ですか?」

 リアンは剣を握りしめ、額に汗を浮かべた。


「ああ」

 ラグナは顔を上げ、鋭い目で二人を見つめる。

「影界七将は単独で討ち取ったが、

 影王は別格だ。

 おまえたちの絆だけでは太刀打ちできぬ可能性もある」


 アイナは膝に手を置き、

 核をそっと押さえた。


「……でも……私、怖くない」

 その声は小さいが、確かな意志を帯びていた。

「リアンがいるから……」


 リアンの胸が熱くなる。


(……そうだ。

 俺たちは一緒にいる。

 どんな絶望でも、二人なら超えられる)


 ラグナは静かに頷いた。


「……ならば、今夜は決戦前夜だ。

 体を休めろ。

 明日、王都全体が戦場となる」


 



 城壁の上。

 リアンは夕陽に照らされる王都を見下ろす。


「明日……本当に来るのか」

 小さく呟く。


「来る……影王が」

 ラグナが隣に立つ。

「奴の狙いは、アイナの核だ。

 支柱であるおまえを倒せば、

 核は不安定になる。

 おまえたちの絆も狙われるだろう」


 リアンは剣を握りしめ、

 決意を固める。


「絶対に折れねぇ。

 どんな手を使っても、俺はアイナを守る」


 その言葉に、ラグナの目に一瞬の驚きが走る。


(……支柱という存在、

 ただの補助ではなく、

 “核を守る絶対の盾”か……)


 



 王城・巫女の間。

 アイナは窓の外に目を向け、

 深く息を吸った。


「……明日が最後の戦いになるかもしれない」

 小さく呟く。

「でも……怖くない。

 リアンがいるから……」


 リアンは背後からそっと手を伸ばし、

 アイナの肩に触れた。


「おまえが怖くないなら、俺も怖くねぇ。

 絶対に二人で生き残る」


 アイナは振り返り、微笑む。


「……うん。

 明日は……リアンと一緒に、勝つ」


 その笑顔に、

 リアンの胸は力強く熱くなる。


 



 夜。

 王都全体が闇に包まれる中、

 影王の姿がゆっくりと浮かび上がった。


 黒き鎧と翼のような影。

 闇そのものを纏った存在。


「――光よ。

 よくここまで来たな、光影巫女よ」


 その声は、王城全体に響き渡る。

 冷たく、絶望を孕む響き。


「――影王様……!」

 アイナの瞳が強く光る。


「私は……私の意志で戦う」

 その光に、リアンの支柱の光が重なる。


 影王はゆっくりと手を掲げ、

 暗黒の波動を王都全体に広げた。


「さあ……試練の最終章だ」


 



 リアンはアイナの手を握り締める。


「覚悟はできてるな?」


「うん……リアンと一緒なら」


 二人の光が、

 影王の闇に立ち向かうために強く輝いた。


 王都決戦の火蓋は――

 もう、切られたのだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ