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第22話 共鳴の光 ― 轟影将ヴァルド撃破

 光は、夜明けの太陽よりも強く、

 影界の闇よりも深かった。


 リアンとアイナ――

 二人の光が重なり合い、共鳴し、

 王都の空を白黒の輝きで満たしていく。


「……これが……」

 アイナは震える声で呟いた。

「リアンとの……共鳴……」


「行けるか?」

 リアンが問いかける。


「うん。

 リアンの光があるから……

 私の核が……温かい……!」


 その言葉に、リアンの胸が強く熱くなった。


(俺が……アイナの力を支えてるんじゃない。

 アイナの“心”を支えてるんだ)


 それが“支柱”という存在の本質。


 



 轟影将ごうえいしょうヴァルドは、

 二人から溢れる光を前にして

 わずかに後ずさった。


「ば……馬鹿な……

 巫女の力を抑えるはずの支柱が……

 力を“増幅”している……だと!?」


 ラグナが遠くから叫ぶ。


「支柱は二段階の力を持つ!

 通常は巫女の核を制御する役割……

 しかし――

 巫女の心が折れそうになり、

 それを支柱が乗り越えた時!!」


 ラグナの瞳が見開かれる。


「支柱は“巫女の力を最大限まで解放する光”へ変貌する!!

 これが――《共鳴》だ!!」


 ヴァルドの影炎が激しく揺らぐ。


「く……っ……!!

 あの夜……

 霧紋将が仕込んだ“言葉の罅”……

 それすら打ち破る絆……!?」


 リアンは剣を構えながら言い放った。


「俺たちは折れねぇよ。

 アイナも。俺も。

 おまえに壊せる距離じゃない」


 アイナがリアンの手を握り、

 核の光が弾ける。


「リアンがいる限り……

 私は影に呑まれない!!」


「行くぞ、アイナ!!」


「うん!!」


 



 二人の光が奔った。


 白黒の輝きが一筋の流星のように

 ヴァルドへ突き進む。


「貴様らごときが――!!」


 ヴァルドは腕に影炎を纏わせ、

 巨大な黒刃を形成する。


「影界七将が!!

 人間風情に屈するものかァァァ!!」


「屈するんだよ」

 リアンが叫ぶ。

「俺たちの“絆”にな!!」


「っ……!」


 ヴァルドが振り下ろした黒刃。

 それを――


「――割れろォッ!!!」

 リアンの剣が真正面から叩き割った。


 黒炎が砕け、爆散する。


「ば……ばかな……!?

 私の影炎を……人間が……!!」


「人間じゃねぇ」

 リアンが光を背負って言う。

「“支柱”だ。

 巫女の心を守る、ただ一人の支柱だ!!」


 アイナが両手を掲げ、

 核の光が最大限に膨れ上がる。


「――《光影解放ルミナ・ルクス》!!!!」


 白と黒、そしてリアンの純光が混ざり合い――

 巨大な光柱となってヴァルドを飲み込んだ。


「ぐ……がああああああああああッ!!」


 影炎が光柱に焼かれ、

 肉体が崩れていく。


「こん……な……はずでは……

 霧紋将……の足掛かりは……

 確かに……っ……!」


 ヴァルドは片膝をつき、

 光に焼かれながらなお叫んだ。


「……だが……

 影王様は……見ておられる……!

 巫女の核に“罅”が入ったことを……

 決して……忘れは……」


「黙れ!!」

 リアンが叫ぶ。


「アイナの心は壊れねぇ!!

 俺がいる限り、絶対に折れねぇ!!」


 ヴァルドの身体が崩壊する。


「……見せてもらった……

 これは……“絆の力”……か……

 影王様は……必ず……巫女を……」


 言葉はそこで途切れた。


 轟影将ヴァルドは、

 光に呑まれ、

 完全に消滅した。


 



 戦場に静寂が戻る。


 リアンは剣を下ろし、

 アイナの方へ向き直った。


 アイナは小さく微笑む。


「リアン……勝った……ね」


「ああ。

 一緒に……勝った」


 リアンがアイナの手を握ると、

 二人の光が静かに収束していく。


「リアン……」

 アイナの声が少し震えていた。

「さっきの……あなたの言葉……すごく……嬉しかった……」


「……ああ」


 リアンの頬も熱くなる。


「私……リアンがいるだけで……

 強くなれるんだって……わかった」


「俺もだ」

 リアンはアイナの頭に手を置いた。

「おまえが生きていてくれりゃ……

 それで十分だ」


 アイナは小さく頷き、

 リアンに寄り添った。


 



 その光景を遠くから眺めていたラグナは、

 深い息を吐いた。


「……本当に……

 とんでもない巫女と支柱だ」


 だが――


(影王が……こんな敗北で止まるわけがない)


 ラグナの胸には、

 言いようのない不安が残っていた。


 影王の本当の狙い。

 霧紋将フェルナが残した“罅”。

 そして、アイナの核に潜む影。


(これで終わりじゃない。

 むしろ……始まりだ)


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