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6 心を入れ替えても外は変わらないもので

(明日からの学園生活大丈夫かなぁ)


って昨日の僕に言いたい。


「全然大丈夫じゃなぁいー」


今日の僕は心を入れ替えたことを示すために記憶の僕とは違い、ザ優等生ムーヴで頑張ることにした。まず今日はちゃんと遅刻せず授業に出た。部屋を出るときミカにもびっくりされたけど出欠とる先生に二度見された。( 学生の本分だって)苦手な剣術の授業(めちゃくちゃ青あざだらけになった)も眠たくなる座学(わかんなすぎてノートがとれない理解度)もきちんと起きて授業を聞いてみた。薬草学ではなんかみんなが臭い臭いって大騒ぎする草があったけど僕にはよくわかんなかった。(鼻づまりかも)まあ授業はなんとかなったけど、びっくりしたのが何よりクラスメイトの中に友達が誰一人いない!ってこと。


えー、ほんと前の僕ってメンタル強すぎない?僕前世の学校時代ひとりぼっちは嫌だから友達というかしゃべれる人は必ず作ってたんだけど。今日の朝教室にはいっておはようって言ったらめちゃくちゃびっくりされたんだけど。おいおいおい、自分から挨拶すらしなくていいって割りきっちゃうくらいクラスに馴染んでなかったんだぁ。びっくりだよ。


とりあえず午前の授業がすんでやれやれと人目のつかないとこでご飯を食べにきたはずが、なぜか今僕はアーノルト様のお膝の上です。


今日はねーお天気がいいからバラ園にあるガゼボで王子様と僕とのラブラブランチタイムーはぁと!


じゃなあぁい!!うわわぁぁなんで僕断れなかったんだろう。お昼休み食堂でサンドイッチを買って人気の少ないところでご飯を食べようと思ってたらサイラー様が怖い顔しながらやってきてひょいって連行されちゃったんだよぉ。抵抗できなかったんだよ。今日から品行方正に、アーノルト様と適度な距離を保ちつつ勉強に身をいれようと思ったのに……


モブが月光の王子さまのお膝の上できゃっきゃうふふの図、再び。遠くからモブ男死すべしの視線がいたいよ。


もちろん僕は遠慮したんだよ。サイラー様もいつもの通り「不敬である」って言いたげに僕を見てきたし。でもご飯を食べ終わってデザートの時間になったら気がつけばお膝にのせられてなんか美味しいものをモグモグしてるの。しあわせだぁ。今日もアーノルト様いい匂い。へへへー


あれれれー?おかしいな。なんでだろう。


こう、アーノルト様の顔が良すぎて見てると思考が止まっちゃうんだよね。でもでもでも、これはちゃんとアーノルト様にわかってもらわないといけない大事なことだから!と思う。


よし!


「アーノルト様!」


顔を見すぎないように目をそらしつつ言い出せば甘く微笑まれた。まぶしい。


「あーん」


アーノルト様は僕の口元にピンク色したベリーのムースを持ってきた。餌付けタイム続行である。


「あの」


「あーん」


「えっと」


「あーん」


「フィール?あーん?」


超絶美人からのあーんに叶うわけもなく僕はやっぱりあーんされてしまうのだった。サイラー様からの視線がいたい。


でも言わなくちゃ。


「アーノルト様!お膝から下ろしていただきたいです!」


「?」


余は理解できぬ。って顔された。


「おりますね。失礼いたします」


そう言って腰をひねりおりようとすればぎゅっと抱きとめられた。僕の心臓に悪いやめてほしい。同じ男だと言うのにほそっこい僕と違ってしっかりとした胸板が背中にあたる。ほわわわわ。


「ダメだよ」


アーノルト様が拒否する。


「フィルの定位置は私の膝って言ったよ?あと話し方もおかしいな。こっち見て?」


「えっと、アーノルト様に今まで働いた無礼ご容赦いただきたく。皆様の前で殿下のご好意に過度に甘えるのをやめ、これからは節度をもってお慕いしていきたいと思う次第です。将来に向けて生活態度を改めて善き臣下となれるよう精進したい所存にござりますれば、ごちそうさまでした!退出をお許しいただきたく!」


顔を見ちゃダメ!とノンブレスで言いきる。


「フィル?私の方を見て?」


耳元で囁かれたけどちょっと、いやだいぶご機嫌を損ねたみたい。僕の背中にピシャリと電流が流れた。




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