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⑻『憂鬱なる午後の闇の間』
⑻『憂鬱なる午後の闇の間』
㈠
詰まるところ、闇の間は、小説執筆には適していると考えている。無限とまでは行かないが、限りある有限体になったような心地で、パソコンに向かっている。殊更に、自由な時間だから、コーヒーや白湯なども、美味しくなる訳だ。
㈡
しかし、全く以って、憂鬱だよ。というよりも、憂鬱に限るんだ、日々の午後がね。最高に小説が書けることが、天啓みたいな感じで、押し寄せて来る。まるで雲の大群みたいな様子だ。それらを描き切っていれば、午後の闇の間にも、やがて夕陽が差して、光だす。
㈢
面目ない感じでもあるが、それはそれで、自己の自己コントロールによる執筆だからか、時間が過ぎて行くのも、悔しいとは思わない。まさに、充実した時間だ。即ち、俺にとっては、十二分に好都合な状況下に置かれている、憂鬱なる午後の闇の間なんだ。