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第四話

短めです

 あれから数日が経った昼休み。面子はあの日からずっと変わっていない。

 ただ、今日はいつものやつらで食べることはなかった。


「ごめ、風邪気味だから、食えん、すまん」

 感染すわけにはいかんし。咳込みつつそう言うと、阿が頷いた。

「じゃ、俺もいいかな。久々に1人で食べるよ」

「あ、俺のことは、気にぜんでも」

「ううん、英Ⅱの予習終わってないからさ」

 阿がそう言うと、文屋は杜の肩に手を置いた。

「そっか、じゃ、俺らで食ってるわ」

「です」

 どうやら、文屋と杜は仲良くなったらしい。席も前後だしな。

 

「りょ、じゃあ、そういう、ことで」

 そうして、久々に各自がばらばらに昼を過ごした。



────────────


「治ったわ」

 次の日、なんとか咳も治まってきたので再び4人で食べることにした。

「本当に?鼻水すごいけど」 

 阿が机に置かれた箱ティッシュを指差して言う。

「鼻は酷いけど、前よりも良くなった。それに、」

 少し言い淀む。

「それに?」


「この面子で食べるのに慣れて、少し寂しかったからな」

 言ってから面々の顔を見ると、こいつら、にやけてやがる。

「そっか、うんうん、そうだよね。田中は寂しがり屋さんだもんね」

「っ、」

「上背に似合わず可愛らしいな」

「属性追加ありがとうございます!」

 こいつらの態度に少し苛立ったが、自分の言葉を思い返してだんだんと恥ずかしさが頭をもたげてくる。

「うるせっ」

 やべ、言うんじゃなかったわ。風邪だったから少しおかしくなってんだろう。


 その昼休みは、ほとんどこいつらにイジられて終わった。

 この後の午後の授業でも当てられるし、そこがちょうどわからないところで、恥をかいた。

 それもこれも全部、風邪のせいだ。

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