俺は、“お酒もコーヒー”も飲めない営業マン!
営業の仕事をすると? 必ずといっていいほどお酒とコーヒーが出てくる。
営業先に行くと、コーヒーが勝手に出てくる事が多い。
当たり前のように、俺がコーヒーを飲めるものだと疑わない取引先の人。
たまに、温かいお茶と和菓子が出てくる時はホッとする。
夏は冷たい麦茶が出てくるだけで俺はいいと思っている。
ただ、ほとんどの取引先では“コーヒーが出てくる。”
俺が飲めない事を伝えていても、次に行った時には忘れているのか?
またコーヒーが出ていた。
それからは、コーヒーが飲めない事を取引先の人に言うのはやめた。
“飲めて当たり前!” それなら無理してでも飲むしかない!
ただ、無理に飲んでいると? 好きとまでは言わないがある程度
飲めるようにはなった。
甘めのコーヒーやカフェラテぐらいなら飲めるようになる。
それでも、たまにブラックコーヒーが出てくると最悪だ!
一気飲みで誤魔化すしかない。
飲んだ後は、胃がもたれるし気分が悪くなる。
味も不味いし、お子ちゃまな舌といえばそれまでなのだが...。
俺はお金を払ってまで、ブラックコーヒーを飲む奴の気が知れない。
俺はこの先、自分からはブラックコーヒーを飲むことはない!
仕事だから仕方なく飲むだけ。
・・・それともう一つ俺が飲めないのは、“お酒が飲めない!”
取引先の人達を連れて接待に行くと? 必ず飲まされるお酒。
俺はほとんどお酒が飲めない。
今は有難いことに、“ノーアルコールビール”たるものがあり。
見た目は、ビールそのものなので予め行きつけの居酒屋で俺が
お酒が飲めないから同じように、ビールとして俺の席に運ばれてくる
ように店長からバイトの子達に伝えてもらっているのだ。
だから見た目はビールに見えるお酒で皆で乾杯して接待がはじまる。
まさか!? 俺がお酒が飲めないとは誰も知らない。
知っているとすれば、俺と同じ職場の者だけ。
『相変わらず、西野はノーアルコールビールか?』
『仕方ないだろう、飲めないんだから!』
『まあ、オレもそんなにお酒が強くないからきついよ~』
『お互い頑張ろうぜー!』
『あぁ!』
・・・俺にこう言って、いつも同僚は取引先の人にお酒を飲まされて
ぐてんぐてんに飲まされて直ぐにバタンキューと寝てしまう。
本当に彼もお酒が弱いのだ。
俺はひたすらノーアルコールビールを飲んで酔ったフリをする。
周りもお酒を飲みすぎるぐらい飲んで、盛り上がっていた。
毎回開かれる飲み会という名の接待。
俺達が勝ち抜くにはこれしかない!
仕事熱心でもなく優秀な人材でもない俺達は、こうやって仕事を
もらうしかない。
皆、何かしら我慢して無理して頑張っている。
俺もその一人だと思う。
・・・そして、今日も取引先の人達を連れて接待がはじまる。
また飲んだフリをして、俺はこの人達から仕事をもらう。
【頑張れ俺!】
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