由利と由樹
新学期、新しいクラス、新しい仲間。高校2年生。青春ど真ん中!
来年からは受験生だし、めーいっぱい遊ぶぞ!
彼氏も欲しいし!!←最重要
と
決意を持って教室に入る。
「おはよー!」
と私、筧みさき(かけいみさき)は声をかけ…
一転、
ガタガタガタガタガタガタガタガタ!!
大きな揺れ。振動が建物を軋ませる。
震源地を見つけた。
みさき「由利…!?」
親友が普通じゃない貧乏揺すりで皆を脅かしていた。
ドスッ、と首筋に手刀を一つ。
由利「はうばっ!!何事!?」
みさき「新学期早々こっちの台詞なんだけど??」
由利「いや…さ」
みさき「ん?」
由利「今日…弟が入学してくるの」
みさき「あードイツの!日本に来てたんだね!」
みさき「私あんたと長い付き合いだけど見たことないんだよねー楽しみ!由利も会うのいつぶりよ?」
由利「八年くらい…」
みさき「あれっ?なんか文通とかしてなかったっけか?」
由利「いやーなんかさー中学くらいからなんかこっぱずかしくなっちゃってさー私も絶賛思春期だったしさーそんなことよりカップリング考えて日々悶々としてたほうが楽しかったしー」
みさき「腐ってんな、二重の意味で。で、やめちゃったんだ?私二人が小学校入る前くらいの二人の写真しか見たことないよ」
由利「あたしのイメージもそこら辺なんだよぉ…しかも…」
由利「今日から二人暮らしなんだ。」
みさき「」
みさき「お母さんは?」
由利「ドイツいっちゃった。昨日の夜」
みさき「部屋は?」
由利「昨日のうちに家具とか届いたんだよね」
みさき「一緒に寝たりしないんだ?」
由利「しっ!しないよバカ!もういい年の男女だよ!?」
みさき「いーじゃんお風呂とか入っちゃえよ~
昔は入ってたでしょ~」
由利「昔はね!!だいぶ昔ね!」
ひとしきりからかった所でチャイムがなる。
体育館へと促され、生徒がぞろぞろと歩を進める。
うちは一学年60人くらいの三クラス制。上級生でも顔くらいは見たことあるもので、そんな狭いコミュニティの3分の1が新しい顔とゆーのはなんだかむずむずする。
校長先生が今年から共学になった経緯や子供がすくないとか仲良くしてねとかありきたりなことを話終わったそのとき
新入生代表、由樹・シャーミット
聴いたようなひびきの名前にはっとする
由利「」
固まる女が一人
由利と同じ瞳の、凛々しい美少年がそこにいた