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Episode13-1.談話



 このテラスに客人を招くのは、二人目です。

 白磁のような大理石が照り返す陽光に眩しく、見事に整備された庭が一望できるこのテラスは、心を静めてくれます。

 穏やかな時間を過ごすのに、ここ以上の場所はこの王都アーゼルには無いと断言できる。

 それほどまでに、ゆっくりと時が流れていました。

如何(いかが)です、気に入っていただけましたか?」

 どこか自然を感じられる場所へ、と注文を頂いたときは、頭を悩ませました。

 なにせ、彼女をこの王宮の外へ連れ出すことは出来ませんから。

 それでも勉強の合間のリフレッシュというからには、少しでも贅沢な時間を過ごして欲しい。

 そう思い、ここへと連れてきたものの。

「ええ……とても、美しい眺めですね」

 キラキラと目を輝かせながら景色に目を奪われているその様子を見るに、どうやら、選択は間違っていなかったようです。

 私の視線に気づいたのか、彼女は取り繕うようにこちらへと向き直ります。

「ご、ごめんなさい。お父上……陛下の客人である賢者様に教鞭を執っていただいている上に、休憩にまでワガママを聞いていただいて……私、何とお礼を申し上げたらよいか……」

 以前の簡素な衣類から一転して一級品のドレス。そして、まだぎこちないものの、その立ち振る舞いが醸しだす気品は紛れもなく王族らしいもの。

 そんな彼女が伏し目がちに、恭しく縮こまっているというのだから、その姿だけで報酬には十分でした。

「いえいえ、無下には出来ませんからね。他でもない……ティファニア姫の、お願いとあれば」




  Episode13.談話




 私が姫と出会ったのは、弟子のセウロが“英雄を待つ剣”を引き抜くよりもいくぶんか前のこと。

 彼女がどういう理由で世間から隔離されて育ったのかについては、私の知るところではありません。現在の彼女の状況を思えば、国王はその素質を知っていて、彼女を幽閉していたのかもしれない。

 それでも王族の身勝手な都合を押し付けられた不運な姫君の話を聞かされたときは、正直なところ、辟易しました。そして更に、ひょんなことから星巫女となったその姫君を、今更国の理由で表舞台に引き摺りだし、能力を酷使して国益を守ろうというのだから、はっきり言って反吐が出ると、そう吐き捨てたくなったのを今でもはっきりと覚えています。

 さぞや悔しかろう、無念であろうと勝手な想像を巡らせ、実際に彼女と相見えたとき――既にティファニア姫は、毅然として使命を全うする覚悟を決めていたのです。

 凛とこちらを見据える蒼い瞳。

 きっと、彼女のその姿を目にしなければ、私はこんなにも王国へ協力的ではなかったでしょう。

 そもそも私の“目的”は今から起こる戦争を、“この世で最後の戦乱とする”ことです。

 一個人として、全世界を巻き込む戦争を食い止めるべく、もしくは被害を減らすべく、手を尽くすことはあったとしても。

 賢者という肩書に泥を塗ってまで、一国へと肩入れするなんてことは、本来ならしなかったはずです。そこに突如現れた囚われの姫。まあ、ダメ元で眺めていた、英雄を待つ剣ラハット・ハヘラヴの持ち主も、ちょっとばかり関係していますが。

 それほどまでに彼女の在り方は尊く……そして、どこか懐かしかった。

「やっぱり、この世界は美しいのですね……」

 良かった、とその横顔は小さくつぶやきました。

「ご満足頂けたようでなによりです。姫君がそこまで喜んでくれるのなら、次の授業はテラスここで行いましょうか」

 彼女は今、モルゼントゥール王国の姫としてどこに出しても恥ずかしくない様に、教育を受けている最中です。年齢を考えればとっくの昔に学んでいるはずのことばかり。何人もの家庭教師が入れ代わり立ち代わり昼夜問わずのハードスケジュール。けれど、姫君は初めて触れる様々な知識を貪欲に吸収し、学びを楽しんでいらっしゃる。

「ここ……で? い、いえ! いけません、ここではとても、勉学に集中できそうにありませんから……」

 恥ずかしそうに顔を伏せる姫君。

 彼女の勤勉な態度は見上げたものです。しかし、たまの休息ぐらいは、咎められるものではありません。

「たしか次は史学の授業のはずですね。ならばここで事足ります。幸いなことに、私は過去の歴史を実際にこの目で見て、体験してきた者ですから」

 彼女は何度もまばたきを繰り返して、「そのような理屈はまかり通るのでしょうか、賢者様なら通してしまうのでしょうか」と思案しているようです。

 微笑する私にはふたつ企みがありました。ここで彼女を逃がしてしまっては、そのどちらの企みも成功しません。

「ティファニア姫がどうしても私とお話しされるのがイヤだと言うのならば……心苦しいですが、私も身を引くとしましょうか……」

 これ見よがしに泣いているフリまでサービスです。

 純粋無垢な姫君には、この手の良心に訴えかける系小細工が一番効果的なのでした。

「わっ、わかりました! わかりましたから! あのっ、泣くのをお止めになってください賢者様!」

「はい! それでは紅茶と菓子を用意させましょう! これからたっぷり一時間は史学の授業のお時間ですよ姫君」

 勢いよく顔を上げて、手を叩いて召使いに用意をお願いします。

 ここで嘘泣きを演じた私に文句を言うでも、ふてくされるでもなく、ホッと安堵したように「嘘だったのですね……」と胸をなでおろすところが、人間慣れしていない姫君らしい行動です。私が罪悪感を覚えるほどですから、相当です。

 召使いが紅茶やお茶菓子を続々と運んできます。その様子を姫はキラキラと輝く瞳で追っています。

 その様子を見るに、企みのひとつは成就したようです。


 件のハードスケジュールを望んだのは他でもない彼女自身でした。

 姫君が嘆願して家庭教師を手配させ、一秒すら惜しいと言わんばかりに星詠と勉学に専心され始めたのは、第二師団の壊滅の報を受けてからのこと。

 彼女の予知を受けて実際に行動を決定したのは魔術師団上層部です。もっと具体的に言うなら、ほとんど元帥と門外顧問の私です。

 だというのに彼女は、壊滅の責任が自分にあると思っている。自分がもっと正確に星詠が出来たら。もっと戦略に適した予知が出来たら。被害は抑えられたのではないか。これから先も同じことが繰り返されるのではないか。その想像から、自分を追いつめている。

 良くない兆候です。

 予知だなんて人智に余るものを一身に背負わされて、正気でいろというのが始めから無理難題なのです。

 ティファニア姫への負担があまりに大きすぎる。

 それを少しでも解消するための小休止。この時間はその為のものです。

 ――そして欲を言えば、姫へ力を貸している本来の星詠の主へ相談がしたかったのですが、どうやらそれは叶わない様子。

 星乙女アストライア

 “神との契約テウルギア”――精霊は契約により召喚され、神は契約により力を託す。

 人類とは違うスケールで存在する神々が、果たしてどのような意図で契約を結んだのか。

 我々にどれほど協力してくれるのか。

 姫君の身体を慮ってはくれまいか。

 そのあたりの話が出来ればよかったのですが……。

 事前に聞き及んでいた通り、アストライアはティファニア姫と二人っきりの時にしか干渉がないようですね。

 残念ですが、追及すればせっかくの穏やかな雰囲気が崩れてしまう。

 仕方ありません。今は目の前のことに集中するとしましょう。

 紅茶とクッキーに彩られたこの談話に。



 テーブルに一通りの準備が整ったところで、授業の開始です。

「この様子を見て、授業だと信じてもらえるのでしょうか……」

 姫君は不安そうに卓上を見つめます。

「ええ、私が授業と言い張ればそれは授業です。しかしせっかく解放的な場所での授業ですから、形式に囚われていては面白くありませんね。どうですか、ティファニア姫。今から私が姫君の質問になんでも答えるというのは?」

 召使いに注がれた紅茶へ申し訳なさそうに口をつける姫君。その顔ががらりと明るくなりました。

「よろしいのですか!?」

 想像以上の食いつきです。

「ええ。いつもの授業はありきたりな内容ばかりでしたからね。この時間ばかりは包み隠さず、何でもお答えしましょう」

 突如姫君は慌てふためいて、小さな声で何を質問しようかと確かめる様にささやきます。

「賢者様にはお尋ねしたいことばかりで……その、始祖や十二使徒がどんな方々だったのかであったり、世界樹再生の旅のことであったり、旅を終えられてから今までの賢者様のことであったり……ええとそれと……」

「ふふふ、残念ですが、それらを全て語るとなると、一時間どころか一日あっても足りませんね」

 何せ二百年分の出来事です。もう少し絞っていただけるとありがたい。

「そうですよね……それに再世紀行に書いてあることはお伺いしても重なる部分があるでしょうし……」

「おや、再世紀行をお読みになっているとは、お恥ずかしいですね。あのときの私は良くも悪くも若くて……自分では読み返す勇気が起きないものです」

「とんでもない! 立派な雄姿が描かれていました。再世紀行は私があの部屋の中でも読むことの許された数少ない書物でしたから、何度も読み返しては、始祖様と使徒様たちの偉業に想いを馳せたものです」

 再世紀行。

 それは、“世界樹再生の旅”の記録が記された書物。樹教じゅきょうにとっての聖典バイブル

 世界樹が枯れ始め、世界からマナが枯渇しあらゆる命が失われていく滅亡寸前の時代。どこからともなく現れた一人の男が十二人の使徒を集め、終末を回避する方法を、世界樹を復活させる方法を説いて世界中を旅した実話を記した紀行文。

 200年前の父と私と、仲間たちの旅のお話です。

「ふふふ、そんなにも愛読されていたとは……アリエス――聖女の筆まめも捨てたものではありませんね」

「聖女様の尽力は凄まじいものです! 樹教が全世界で作法をもって信仰されているのは、やはり150年間生涯現役で執筆と布教活動を続けた聖女様のお力があってのことです」

 どうやら彼女にとって憧れらしい十二使徒の話題は正解だったようです。いつもはたおやかな姫君の語りに、熱が入るのがわかります。

「ふふ、そうですね。我々がマナ循環の摂理を説いて回ったのは一度きり。ですがアリエスはその後も世界を巡り、各地に教会を建てて回ったというのですから驚きです。そのパワフルさは、生命力にも現れていますね」

 生命核アニマは本来、その人物の生命力を計るものです。魔法使いにとっては魔法の源泉ともなるため、魔法を多用するものは寿命が短い。そんな中、攻撃手段としての魔法を使わなかった聖女アリエス・アークライトは、十二使徒の中でも最も長生きした人物でした。

 こと、私を除いて。

「…………」

「どうしましたか、何か気になることでも?」

 ティファニア姫が、遠慮がちにそわそわしているのが見て取れます。

「あ、あの……、何でも質問しても良いのですよね……?」

 おそるおそるといった調子で、私へと確認を取る姫君。

「ええ、なんでも。今だけはお答えしましょう」

 目を伏せて頷きます。

 その言葉で、彼女の気持ちは決まったようでした。



「賢者様……あなたはどうして、今も若々しい姿で、寿命を迎えることなく過ごしていらっしゃるのですか?」



 ふわりと、テラスを風が吹き抜けます。

 柔和な笑みを作って、私はティーカップへと口をつけてみます。

 私個人への質問とは、予想外でした。

 しかし、当然の疑問であることは確かです。

 200年前が舞台の物語を何度も読んだ彼女にとっては、その登場人物が目の前に現れるだなんて、信じられないことだったでしょう。この国に戻ってきて会った誰もが、同じリアクションをしたものでした。

「人には、この世界の全ての生き物には生命核アニマがあり、それが尽きると命の終わり……寿命が訪れ、その魂や肉体はマナへと還元されて、世界樹へと還る。これがつい先月、私が学んだ生命の理です。人の寿命は長くても100年。ましてや、生命核アニマを削り戦う魔法使い、魔術師であれば、なおさら……」

 蒼い瞳が、私を捉えて離さない。

「ええ。姫のおっしゃる通り、魔法使いの短命は十二使徒であろうが関係ありません。クラウディオ、エレナ、イオリにアンドレイも……みな、四十を待たずに亡くなりました」

「では、賢者様はどうして……?」

 非常に残念ですが、その問いはきっと――答えたところで、信じてもらえないと思うのです。

「……どうして、だと、姫は思いますか?」

 だからそんな意地悪な返し方をして……そろそろ、もうひとつの企てが成就されるころですから、時間稼ぎをさせてもらうのです。

 まさか質問を返されるとは思っていなかった彼女は、面食らって、それでもすぐに、真剣に考えを巡らせてみます。

 彼女のそんな、純真で愛らしい姿に、絆されたくなりますが……こればっかりは、仕方のないことです。

「もしも――」

 口元に手を当てて恐る恐る、しかし芯のある声色で。

「間違いでしたら、笑って聴き流して欲しいのですが――」

 何らかの確信を持ったまっすぐな瞳で。




「賢者様は、本当は魔法使いなんかじゃなくって、そもそも私たちと同じ人間ですらなく、かみさまの――――」




「おーい、師匠ー! 学校終わりましたよー! 稽古つけてくださー……」




 ティファニア姫の声に重なるように、候補生学校との間を隔てる藪の抜け道から現れたのは、我が愛弟子。

 本当に、いいタイミングで来てくれましたね、君は。

 お互いの声がする方へ、自然と向き合う彼ら。


「ティ、ファ……?」

「セウロ……?」


 信じられないものでも見たかのように、固まって動けなくなる二人。

 それでは困ります。せっかく、普段は会うことの出来ない二人を、この誰にも邪魔をされないテラスで逢引させることに成功したんですから。

 そんなところへ、次の闖入者です。

 テラスに繋がる部屋の中から、ノックが二回。

 うんうん、口実にはぴったりですね。

「ティファニア姫、セウロ、申し訳ありません。用事が出来てしまったようですので、私は退席させていただきます」

 まるで何事も知らないような顔で、私は自然に席を立ちます。

「あのっ、ええっと、け、賢者様……!」

「おおい! どこ行くんですか……!!」

 突然好きな子の目の前に放り投げられた思春期の男女みたいな顔をしている二人に迫られます。おおっと失敬、私としたことが、何の形容にもなっていませんでした。

「ティファニア姫、授業は次回まで延期です。私は退席しますが次の科目までの時間、このテラスで自由におくつろぎください。セウロ、今日の特訓は休みです。身体を休めるのも兵士の立派な仕事ですよ。せっかく赴いてくれたのですから、今日はこのお嬢さんの話し相手になってあげてくださいな。それを今日のあなたの責務とします」

 顔を真っ赤にして、何か言いたげなお二人さんですが、反論の言葉はうまく出てこないようです。今のうちですね。

「それでは! あとはお若い二人でどうぞ」

 そういって、ローブを翻し、悠々と室内へ歩き去る私でした。

 愛のキューピッド検定があれば、きっと一級でしょう。そうでしょう。



 ひと仕事を終え室内に入ると、ノックの主が訝しげな視線で迎えてくれました。

「実に良いタイミングでしたよ、エルマー兵士長」

 腕を組んで、あからさまなため息をくれる近衛兵士長。

 “英雄を待つ剣”の一件からどうも風当たりが強い。近衛兵に少しばかり魔術イタズラを仕掛けただけだというのに、どうやら彼にはこっぴどく嫌われてしまったようです。

「困りますね。貴方は目を離すとすぐに面倒ごとばかり起こす。機密事項の最たる姫を“籠”から出すばかりか部外者と接触させるなど……何かあってからでは遅いんですよ?」

 彼の言い分はもっともなものでした。

 でも、だからこそ私はこの機会を設けたのです。

「ご安心ください。約束・・と言うものは、むやみやたらに人に話すものではありませんから」

 そう言って、右手を持ち上げて、中指にはめた指輪を見せました。

「私の弟子から、情報が漏れることはありませんよ」

 エルマー兵士長は、もう一度長くため息を吐いて、ちらりとテラスの方を盗み見ます。

 私も窓ガラス越しに、ティファニア姫とセウロへと視線を動かしました。

 ぎこちなく向き合い、恐る恐る言葉を交わす彼ら。

 そして、ほどなく解ける硬い表情。

 彼らが2人だけの世界へ没入するのは、あっという間でした。

「……仕方ありませんね。ティファニア姫の幸せそうな笑顔に免じて、今日のところは引き下がります」

 再びため息。なんとか折れてくれました。

「それは良かった。鉄仮面かと思っていましたが、ちゃんと人間らしい感情もあるんですね」

「余計なお世話です。ほら、さっさと行きますよ」

 私にはやはりつれない模様でした。

 彼のあとを追って、部屋を出ます。

「それで、私に一体何の用事ですか?」

 私を呼び出す相手は決まって2人しかいません。

 国王か、それとも元帥か。

 さて、姫君との授業の時間にまで呼び立てるような急用とはいったい何でしょう。

「会ってもらいたい客人がいらしています」

 彼は振り返らず、速足で進みます。

「おや、姫と同じく存在そのものが機密事項な私にですか?」

「ええ。姫と比べて可愛げの一つもない貴方に」

 私からすると、可愛げのないのはエルマー兵士長の方なのですが。

 しかし不可解です。一体どのような客人で、どのような要件なのか。

「一体全体、どこぞの奇特なお方が私をご指名でしょうか?」

 この私を直接呼びつける……なんてことはあり得ません。客人、つまりこの宮殿外部の人間に、私が存命だと知る人物はいないのですから。

 エルマー兵士長は、怪訝な表情で続けました。

「……その客人は、自身のことをある教団の構成員だと名乗っています。名前はラウノ・ユカライネン」

 教団。聞き慣れない響きです。樹教じゅきょうの浸透したこの時代に、それ以外の信仰を持つ集団というのは、あまり耳にしたことはありません。

「その、教団と言うのはいったい?」



「――“クラウディオ教団”と。客人は確かにそう口にしました」



 突如、先ほど姫君との会話が蘇ります。

 クラウディオ。

 それは私にとって、それは特別な意味を持つ、ひとつの名前。

 いえ、この世界にとって、特にこの国にとって、ひとりの使徒を意味する価値ある名前。

 クラウディオ・オルディアレス。

 指輪を、強く握り締めました。

「それはそれは……確かに、私が出向かなければならない話かもしれませんね」

 まったく、さっきまで青春に当てられて爽やかな気分だったというのに。

 氷に触れたように、心が冷めていくのが止まりません。

 冷たさで火傷しそうな、そんな怒りが胸の内を埋め尽くして。




 ――ああ、誰でしょうか。私の親友の名前を、勝手に使っているのは。






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