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レクレイを救え

「キャーー!」

「どっドラゴンニュートだ。皆逃げろ!」


泣き叫ぶ子供、我先にと逃げる大人、教室の中はパニックになっている。れっレクレイ、どうする、どうする。メイリンは剣を抜きレクレイに斬りかかった。レクレイも剣を抜きそれを受け止める。


「ゲイルなにしてんの!こいつ殺るよ!」


メイリンはレクレイの正体知らなかったからな。取り敢えずメイリンには伝えないと。俺はメイリンに近寄り耳打ちした。


「メイリン、こいつはレクレイだ。」

「何言ってんのゲイル、こいつドラゴンニュートだよ。レクレイは人間でしょ?」

「今は詳しくは言えないけど、レクレイはドラゴンニュートだったんだ。魔法で人間になってたんだ。」

「そんな私を騙してたの?ゲイル、魔物の仲間になったの?」

「メイリン、別に騙してた訳じゃない。それにレクレイは悪いヤツだったか?」

「・・・わかった。後でしっかり説明してもらうから。」


メイリンは剣を納めた。が、レクレイを倒そうと人が集まりだしている。このままはまずいな。


「レクレイ、取り敢えず町の外に逃げろ!後で何とかするから!」

「わかった、ソアル様を任せたぞ!」


レクレイは教室の窓から飛び出して行った。それを見た周りの人達はレクレイを追って外へ出ていった。


「どうしましょうゲイルさん、レクレイさんが・・・。」


ソアルは泣きそうな顔をしている。


「大丈夫、レクレイはすぐやられる様な弱いヤツじゃない。それにここは魔法学校だ、俺達が変身魔法を覚えてレクレイに魔法をかければ元通りだ。」

「そうですよね、大丈夫ですよね。ゲイルさん、メイリンさん、早く変身魔法覚えに行きましょう!」


すぐに魔法を覚えたいところだがレクレイの件で学校中が討伐に動き出して授業どころではなくなっていた。そしてそのまま今日は休校になってしまった。今日のところは仕方ない宿を取り休もう。宿に着くとメイリンが説明しろと部屋にやって来た。メイリンにレクレイのことがバレてしまったが、どこまで本当のことを話すか。ソアルは魔王だ。メイリンといくら仲良くなったとは言えその事実を伝えたときにどう反応するかわからない。最悪メイリンが敵になる恐れもある。そう迷っているとソアルも部屋にやって来た。


「メイリンさん、全てお話します。」

「ソアル!」

「いいんですゲイルさん。・・・メイリンさん、私実は魔王なんです。」

「ソアル何冗談言ってるの?ソアルは人間でしょ?魔王っていうのは全長5mの巨体で、角とか生えてて、人間を見たらすぐ殺してしまうようなヤツでしょ?ねえゲイルもなんとか言ってよ。」

「・・・」

「ゲイル?ねえ、嘘でしょ、だってソアルだよ。ちょっとワガママだけど普通の女の子じゃない。そんな・・・。」


メイリンは剣に手をかけたまま困惑している。


「今までの魔王は酷い方ばかりだったかもしれませんが、私は人間の皆さんとも仲良くしたいと思ってます。今だって人間の皆さんと仲良くなるために人間の国を旅行してるんです。ゲイルさんやレクレイさんに協力してもらって。それでメイリンさんと仲良くなれて嬉しかったんです。でもやっぱり魔王って嫌いですかね?」

「それは・・・。でもソアルのことは好きだよ。好きだけど・・・。う~ん、もう考えるのやめる。ソアルとレクレイは大切な仲間。これでよし。ねえ、ソアル達のこともっと教えてよ!」

「メイリンさん!」


良かった。ソアルは魔王でもいいヤツだもんな。それからソアルは自分が人間から転生して魔王になったこと、レベルが1725あることなど俺も知っていることをメイリンに話した。メイリンは頭がついてこないと時折話を止めながらもしっかりと聞いていた。でもこれでソアルとメイリンの仲がもっと良くなったと思う。


翌日・・・


今日こそ変身魔法を覚えないと。魔法学校の変身魔法の校舎へ行きタイムテーブルを確認した。確か〝メタモルフォーシス〟って魔法だったな。え~っとあった上級魔法の教室だ。でもいきなり上級魔法の授業を受けても大丈夫だろうか?そんな心配をよそにソアルとメイリンは上級魔法の教室に入っていった。〝メタモルフォーシス〟は大量の魔力と長い詠唱を覚えるだけでできる魔法の様だ。俺とメイリンは魔力が足りないけどソアルなら大丈夫そうだ。俺を実験台にソアルが魔法をかける。


「●●●、▲▲▲、■■■、メタモルフォーシス」


俺の姿はレクレイが人間になった姿になった。成功だ。これならレクレイを人間の姿にできる。取り敢えず俺はメイリンが〝マジックキャンセル〟を使えたので元に戻してもらった。レクレイはどこに居るだろうか?授業が終わると町の外へと急いだ。通る道でうわさ話が聞こえてくる。どれもドラゴンニュートが出たという話ばかりだ。冒険者ギルドに討伐依頼を出したという話も聞こえてくる。早く何とかしないと。でも町の外と言ってもどこへ行けばいいんだ。うわさ話をしている人にドラゴンニュートはどこに居るか聞いてみると、町の外れにある森に隠れたとのことだ。森か、うまく隠れられただろうか。行ってみると森の入口辺りで冒険者が30人ほどレクレイを囲んでいた。ドラゴンニュートは上位の魔物だもんなそれなりの人数が必要なのはわかるけどここまでとは。レクレイはぼろぼろになりながらも耐えている様だ。それも冒険者を1人も殺さず気絶させるだけで。レクレイ待ってろ今なんとかしてやる。


「ソアル、メイリンここは俺に任せてくれ。」


俺は冒険者達の間に割って入った。


「なあ、ドラゴンニュートが出たんだって、俺にやらせてくれないか?」

「あ、あんた誰だ?こいつくそ強いんだ、やめておけ。」


俺は無視してレクレイに近づいた。レクレイごめんちょっと我慢してくれ。〝迅雷風烈〟剣を力強く振り衝撃波を飛ばす。レクレイに衝撃波が当たると森の奥へと吹っ飛んでいった。〝疾風迅雷〟俺はソアルを抱えると息が続く限り森の奥へと走った。ハァハァ。5秒しかもたなかったがはレクレイが飛んだ辺りまで来たはずだ。周囲を見渡すと木にもたれ掛かっているレクレイの姿があった。


「レクレイすまない、ちょっと手荒だったけど許してくれ。」

「わかっておる。痛たたた。」

「レクレイさん、今変身魔法をかけます、●●●、▲▲▲、■■■、メタモルフォーシス。」


レクレイが人間の姿になった。


「ありがとうございます。ソアル様。」

「いえ、元はと言えば私の魔法の威力がとんでもないのがいけないんです。レクレイさんごめんなさい。それよりも体がぼろぼろですので後でメイリンさんに回復魔法をかけてもらいましょう。」


良かったレクレイが殺されなくて。俺はレクレイに肩を貸してメイリンの元へと向かった。

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