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会談前日

「見えてきたな。」


会談のある日の前日の昼、俺達はライドンの町に着いた。会談の準備のため先に送った兵士達が出迎える。馬車から降り町を見回すと町が会談をするということで盛り上がっている。屋台まで出ていてなんだか祭りみたいだ。せっかくだから町で遊びたいという気持ちもあるが旅の疲れがあるのと明日に備えるのとで休むことになった。宿はすでに確保されており、俺はレクレイと同じ部屋になっていた。レクレイは部屋に着くなり明日の会談に向けて資料を再確認している。レクレイも気合いが入っているようだ。俺もソアルの力になれるように頑張ろう。さて、旅の疲れはあるものの部屋でゆっくりしてるだけはやっぱり暇だな。ソアルの様子を見に行こうかな。ソアルの居る部屋は宿の2階にある一番いい部屋で部屋の前にはパルディアが立っていた。


「お疲れパルディア。ソアルは中に居る?」

「うん、いらっしゃるよ。ちょっと待ってね。」


コンコン。


「魔王様、ゲイルが来たんですけど、通しますか?」

「はい、通して下さい。」

「ゲイル、どうぞ。」


キィー。


扉を開けて中に入る。ソアルは部屋の窓から外を眺めていた。


「ソアル、お疲れ。いよいよ明日だな。」

「はい、もう私今から緊張して、ちょっとソワソワしてます。」

「大丈夫、ソアルならきっとうまくできるさ。それに俺やレクレイ、他にも大臣、側近護衛官の皆がついてる。何かあったら任せてくれ。」

「はい、頼りにしてますね。そうだ、ゲイルさん、ちょっと町を歩きませんか?気分転換したいんです。」

「いいよ。行こうか。」


外に出ると夕日で町がオレンジ色に染まっていた。ソアルとライドンの町を歩くのは旅行のとき以来だな。あのときは単にワガママな女の子って感じだったけど、今は一国を背負う王様としてしっかり責務を果たそうとしてる。成長してるのかな、なんて、なんだか親みたいな気持ちになってしまったな。ソアルは意外としっかりしてるし、明日のことは心配ない。心配があるとしたら人間側だな。会議でもあったがソアルを呼び出して殺そうと考えているかもしれない。勇者が返り討ちにあったんだ勇者より強いヤツを従えているかもしれない。そうなったら俺はソアルを守る力になれるだろうか、って俺の方が心配になってどうする。俺もできる限りのことをしよう。魔物と人間の未来のために。


「ゲイルさん、ちょっとお腹が空いてきたので何か食べませんか?屋台からいい匂いもしていますし。」

「そうだな、ってソアルからそう言うこと聞くの初めてだな。いつもは俺が腹減ったーって言うだろ。なんか新鮮だな。」

「そう言われればそうですね。お昼は緊張してかあまり食べられなかったんですけど、今になって急に来たんです。ゲイルさんと一緒に居るとホッとするからですかね。」


それって・・・。


「ゲイルさん、あのお肉の串焼き美味しそうですよ。」

「あ、ああ。・・・なぁソアル、この会談が終わったら話があるんだ。」

「何ですか?今じゃダメなんですか?」

「うん、待っててくれ。」

「わかりました。待ってますね。」


これでいい。今ソアルに気持ちを伝えて明日の会談に支障をきたしてはいけない。さあ、気合いを入れなきゃな。明日を無事に成功させるんだ。

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