冥界の鏡
「おいしかった。」
キノコ料理は香りも味もなかなかのものだった。満足した俺達は会計を済ませ食堂を出る。マカロンの屋敷はこの食堂から近く、歩いて10分くらいの距離にあった。2階建ての立派な屋敷で入口には門番が立っていた。ピノンが門番に話しかける。
「こんにちは、マカロン様に会いに来たのですが今いらっしゃいますか?」
「領主様なら屋敷の中におられますよ。」
門番にこちらの名前と用件を伝えると確認すると言って屋敷の中に入って行った。
「いよいよですねゲイルさん。準備は大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だ。」
門番が戻って来た。
「領主様はお会いするそうです。案内します、どうぞこちらへ。」
門番に連れられて屋敷の中に入る。階段で2階に上がり、一番奥の部屋へと案内された。
コンコン。
「領主様、客人を案内しました。」
「どうぞ。」
キィー。
中に入ると美人のアルラウネが立っていた。
「はじめまして、マカロン・ポアソンです。ようこそいらっしゃいました。」
「ゲイル・レインです。よろしくお願いします。」
マカロンと握手を交わす。
「お手紙で今回のことは把握しております。私も精一杯協力させてもらいますね。」
「ありがとうございます。」
早速マカロンに連れられて例の魔法道具のある屋敷の地下室に移動する。その部屋には直径3mほどの大きな鏡があった。冥界の鏡と言うらしい。
「ゲイルさんすみませんお手紙で聞き忘れていたのですが、ゲイルさんが殺めてしまった方はその殺めてからどのくらい日数が経っていますか?死んでしまった方は必ず神様と1対1で面談をして次の転生について話をするのですがその順番待ちが大体半年ほどらしいのです。あまり日数が経っているとすでに転生されているかもしれません。」
「まだ半年も経っていないので恐らく大丈夫です。」
「そうですか、それは良かったです。ではその会いたい方を探しますのでその方の情報をできるだけ多く教えて下さい。」
バウムにゼビウスについて紙に書いてもらい、それをマカロンに渡す。
「ありがとうございます。では始めますよ。」
冥界の鏡が光出し、どこだか知らない場所の映像が映し出される。マカロンが何やら冥界の鏡に魔力を注いで操作をしている。冥界の鏡に魔物が映る。こいつも違う、こいつも違うと次々と切り替わる。
「あっ。」
間違い無い、ゼビウスだ。ゼビウスが映った。
『なんだこれ。あっ、バウム、バウムじゃないか。それに魔王様も。どうなってるんだ?』
「ゼビウス、ああ、ゼビウス。また会えるとは思わなかったぜ。元気にしてるか?」
『元気も何も死んでるからな。まあこっちは退屈だよ、何でも神様と面談があるらしいからそれまで待ってろって。そういや俺とマルクスが死んだからお前今第4席だろ、出世したな。』
「別にお前が居なくなって得たものなんて嬉しくなんてないさ。お前次は何に転生するんだ?」
『まだわからん。正直今の自分以外のものって想像できないんだ。まあ楽しみの1つではあるな。』
「そっか、ハハハ。」
「あの~ちょっといいですか?」
バウムとゼビウスの間にソアルが割って入る。
『あ、魔王様よくご無事で。今なんともないということはあのときの賊は返り討ちにしたんですね。』
「いや~それが・・・ハハハ。」
「あ、どうも。」
俺はソアルの隣についた。
『貴様、なぜそこに!バウムもそいつをどうにかしろ!』
「あの~ゼビウスさん、実はこのゲイルさん今は側近護衛官の第5席になってるんです。」
『何だって!冗談だろ!?』
「本当なんです。今はバウムさんのパートナーですよ。」
『そ、そんなことになってるなんて・・・。』
よし。
「ゼビウス、あのときはすまなかった。お前と戦ったときは魔物を敵だとしか見ていなかった。けど今はソアルやレクレイと出会ってそれは違うんだって気づかされた。魔物の中にも大切な仲間だって増えた。本当今になってだがお前を殺したことを後悔してる。許してくれとは言わない。本当にすまなかった。」
『・・・ふう、変わったんだな。できれば貴様が今の状態のときに会いたかった。殺されたことを許すってどうなんだ?まあいい、許す。』
「ありがとう。本当にありがとう。」
「いいのかゼビウス?」
『いいんだバウム。もう気にしちゃいない。俺はもうすぐ転生するからな。』
「そうか、お前がそう言うなら俺もいいや。」
ホッ、良かった。謝るって少し怖かった。でも伝えてみないとわからないことがある。
「ソアルありがとう。ソアルが手伝ってくれなきゃここまでこれなかった。本当にありがとう。」
「どういたしまして。これからも何かあったら抱え込まずに相談してくださいね。」
ソアルが満面の笑みを見せる。
ドキッ。
胸がざわつく。なんだこれ。




