表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/41

王国兵になろう

勇者と戦った日から2日が過ぎようやく体が動くようになった俺はここ魔物の国アミューレの王国兵になることにした。レクレイにお願いしていろいろ手続きをしてもらい今から入隊試験を受けることになっている。入隊試験って何するんだろ?取り敢えず試験会場である訓練場へと向かった。訓練場は兵士の魔物達が体を鍛えるためにトレーニングをしている。その中を通る俺に向けられる視線は恐怖であったり、怒りであったり、興味深そうなものであったりと様々だ。無理もないか、俺は一度ソアルを倒そうとして城に乗り込み多くの魔物の命を奪った、それはそうそう忘れられるものでもないだろう。さて、試験官はどいつかな。辺りを見回す。


「そこの人間、こっちだ。」


声のする方を向くとべリアルが居た。こいつが試験官か。


「私が今回試験官をするプルートだ、よろしく。」

「ゲイルだ、こちらこそよろしく。」

「さて、君にはレクレイ様の推薦により、魔王様の側に付き護衛する側近護衛官となる試験を受けてもらう。試験は簡単だ、私と試合をして勝てば合格としよう。試合のルールだが魔法、武器の使用はかまわない、相手に参ったと言わせたら勝ちだ。わかったか?」


なるほどわかりやすくていいや。


「よし、準備が良さそうなので早速始めるとしよう。構えて。」


お互いに剣を抜き構える。


「始め!」


試験は始まった訳だがプルートは隙のない構えのまま動こうとしない、なかなかの手練れだな、どうしよう。まずは遠距離攻撃だ。俺は斬撃をプルートへと飛ばす。しかし、軽く剣で防がれてしまう。次はスピードで攻めてみよう。〝疾風迅雷〟プルートの間合いに入り込むと攻撃が来た。このスピードに目がついてきている様だ。でも剣の動きはまだ少し遅い俺は攻撃をかわすとプルートの首に剣を突き付けた。


「うっ、参った。合格だ。」


ザワザワ。


俺達の試合を見ていた魔物達が騒いでいる。兵士の中でも上位に入る実力者のプルートにまさか俺が勝てるとは思わなかったらしい。


「改めて自己紹介しよう、私は側近護衛官第5席プルート・ディスト、これからは同僚だなゲイル。」


プルートと握手を交わす。プルートが第5席と言うことはまだまだ強いヤツがいるらしい。まあこれから同僚になるわけだしいずれ会うだろう。


「ゲイル簡単に仕事の説明をしよう。まず私達側近護衛官は君を入れて8人となる。その中から2人ずつ昼と夜交代しながら魔王様を守る。ペアとなるパートナーは序列で決まる例えば第1席の者は第8席と、第2席の者は第7席の者と組むことになる。ここまではいいか?」

「ああ、大丈夫だ。」

「君は私に勝った訳だから序列は第5席となり、私は今から第6席となる。これから君のパートナーとなる第4席の相手に挨拶に行こう。この時間ならこの訓練場のどこかに居るはずだ。」

「プルート、探す必要は無いぜ。」


声のする方を向くとゴーレムが居た。


「バウム、ちょうど良かった。このゲイルが次の君のパートナーだ。」

「ゲイルだ、よろしく。」

「けっ俺はお前とは仲良くする気は無い。」


そう言うとバウムはその場を後にした。


「すまんなゲイル、悪いヤツでは無いんだ許してやってくれ。」


最初から嫌われてしまったな。ゆっくりと和解していくしかないか。それから訓練場とか食堂とか施設のことと兵士としての規則のこととかプルートから説明を受けた。取り敢えず仕事は明日からと言うことなので日が暮れるまで訓練場で体を鍛えることにした。器具を使って筋力トレーニングをするが周囲の視線が気になっていけない。やっぱりこの場所で俺は特殊な様だ。


「ゲイル、調子はどうだ?」


レクレイが様子を見に来てくれた。


「お陰さまで側近護衛官にはなれたよ。ただ今は、同僚と仲良くするきっかけが欲しいかな。」

「そうか、まあゆっくりやるといい。」

「メイリンはどうなったんだ?」

「ああ、メイリンなら無事王国兵に入隊して、今は救護兵に配属になっている。アイツの性格ならすぐ馴染むだろう。」


そっか、良かった。日が暮れて食堂へ向かう。今日のメニューはカレーだ。料理を受け取ると空いてる席に腰をかけた。


「あの~相席いいですか?」


コボルトの少年が居た。


「ああ、構わないよ。」

「良かった。僕はミール、よろしくお願いします。」

「ゲイルだ、こちらこそよろしく。」

「ゲイルさんとプルートさんの試合すごかったです。」

「そんなにすごかったか?」

「はい、すごかったです。動きとか僕全く見えなかったです。それにゲイルさんは側近護衛官で第5席だったプルートさんに勝ったんですよ。ゲイルさんは今王国兵の中で序列が5位になったんです。それに実力が上位8名しか入れない側近護衛官になってしまうなんてすごすぎです。」

「そうか。側近護衛官って8名しか入れないってことは俺が入ったことで1人弾き出してしまったのか?」

「いや、2名欠員が出てたんで、そこに入ったから特に弾き出したって訳じゃないですよ。」


欠員か、ってまさか。


「ミール、欠員が出たのっていつぐらいのことだ?」

「2ヶ月くらい前だったかな魔王様を狙ってきた賊にやられてしまったんです。」


俺だ。完全に俺だ。


「あのなミールその賊って俺のことなんだ。」

「えっええ~!」


ミールは席を立ち上がった。どうやら知らなかった様だ。


「まあ待ってくれ、あのときは魔物を敵としか見てなかったけど、今は違うから。」

「本当ですか?」

「本当、本当、大丈夫だから。そうだミールはどこの所属なんだ?」

「僕?僕は警備兵、城の中を守ってます。今はまだ弱いけど僕も体を鍛えて側近護衛官になるのが夢なんです。」

「そうか、なれるといいな。」

「あのゲイルさん。僕を弟子にしてもらえませんか?」

「で、弟子!」

「はい、実はお話をしに来たのもプルートさんとの試合を見て弟子にしてもらおうと思ってたからなんです。」


弟子なんて取ったこと無いしどうしたもんかな。ミールは悪いヤツじゃ無さそうだけど。


「ダメですか?」

「いいよ、俺も弟子を取ったこと無いからあまり上手く教えられないかもだけど、それでも良ければ。」

「やった!ありがとうございます。」


弟子か、ミールは俺を慕ってくれる貴重な存在だ、大切にしよう。カレーを食べ終わると部屋に戻り明日に備えベッドの上で横になる。明日は初勤務だなどんなだろうか。よし、頑張るぞ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ