ゲイル対勇者
ソアルの部屋の扉が開いている。中に入るとソアルと男女4人のパーティーが居た。剣士の男と僧侶の男、剣士の女に魔法使いの女だ。
「ソアル無事か!」
「ゲイルさん!メイリンさん!」
良かった、無事の様だ。
「あれ、また人が居る。ここ魔王の城だよね?」
「あの~あなた方大丈夫ですか?連れ去られて来たんですか?」
どうやらまだソアルが魔王だと気付いていない様だ。にしてもこの反応、俺が初めてソアルに会ったときと同じだな。さて、どうする。
「お前達は魔王を倒しに来たのか?」
「そうだけど、魔王より先に女の子を見つけてびっくりしてたとこ。」
「どうして魔王を倒すんだ?」
「どうしてって魔王は倒すべき存在でしょ?」
「今の魔王は人間に対して何も悪いことはしてないだろう。それでも倒すのか?」
「それはそうだけど、やけに魔王の肩を持つね、何で?」
「俺が魔王の友達だからだ!」
「と、友達って、嘘でしょ!?だって魔王だよ。」
「嘘じゃない!今の魔王はいいヤツだ。人間と仲良くしたがってるんだ。」
「ふ~ん、じゃあ紹介してよ。」
ソアルに目配せすると、ソアルは頷いた。
「私が魔王です。」
「・・・君何言ってるの?どっからどう見ても人間でしょ?」
「本当なんです。私姿は人間なんですけど本当に魔王なんです。」
「へえ、そうなんだ。じゃあ、死んでくれ。」
剣士の男がソアルに斬りかかる。
「キャッ」
まずい〝疾風迅雷〟ソアルと剣士の間に割って入り剣を受け止める。ぐ、くっそ重い。なんだこの一撃は!?
「ゲイルさん!」
「僕の剣を受け止めるなんてやるね君。」
「お前一体何者だ!」
「僕?僕は勇者ユアン・シヴォーレ、ヴェライカ王から聖剣を授かった本物の勇者さ。」
勇者だと。それに聖剣はヤバい、いくらソアルが強くても聖剣なら傷をつけられるかもしれない。
「君さぁ、剣を引いてくれないかな。僕は人を殺したくはないんだ。」
「それならソアルだって同じことだろ!」
「いやいや、魔王は別だって。それに僕ヴェライカ王から魔王討伐の勅命を受けているんだ。やらないと僕が国から追われるんだ。わかってよ。」
「そんなのわかってたまるか!」
〝疾風迅雷〟勇者の懐に入り込み腹に向けて全力の蹴りを繰り出す。これで気絶しろ。
カン。
剣で防がれる。
「君、なかなか速いけどそれじゃ僕には当てられないよ。」
なら、〝烏獲之力〟これで剣を弾き飛ばしてやる。
カン。
また剣で防がれる。
「うん、力もあるね、だけどこのくらいじゃなきゃ。」
勇者が剣を振る。俺は剣を盾にして防ぐ。しかし、とてつもない力に剣が弾き飛ばされてしまった。
「ゲイル!」
ヤバいこいつかなり強い。もうあれを使うしかないか・・・。
「メイリン!剣を貸してくれ!」
「わかった!」
メイリンから剣を受け取る。
「勇者、行くぞ!」
〝祖逖之誓〟この技は俺の身体能力を極限まで高めるけど長くは持たない。持って2分と言った所だろう。しかし、勇者を止めるにはこれしかない。さらに〝林林総総〟勇者に向けて無数の突きを神速で繰り出す。
「うおっと、やるね君。ちょっとかすったよ。」
くそ、もっとスピードを〝疾風迅雷〟う、体が、でもこのくらい。
「ふん、ふん、なるほど少し本気で相手をしようか。」
何!?今まで手を抜いてたのか!?こうなったら最後の足掻きだ。奥義〝天変地異〟剣を地面に刺し地割れを起こした後、剣を回転させ竜巻を起こす。どうだこれなら足場は崩れ動けず、斬撃の竜巻を避けることはできないはずだ。
「面白いね。だけどまだ物足りないかな。」
勇者は剣を一振りし、竜巻を消した。くそ、くそ、くそ。
「ソアル、ごめ・・ん・・・」
俺は力尽きその場に倒れた。




